*この記事は旧ブログ「問題解決中」の記事です。実際に書かれたのは2年ほど前です。

佐野研二郎氏のロゴ騒動で、東京五輪2020は変な方向に向かって沸きに湧いています。

 

それは置いといて、二度目の東京オリンピック開催ということで、一度目の東京オリンピックの時に撮られた写真への需要が高まっていると思われます。

 

ニュースサイトなどでは、1964年当時の写真などを現在と比べるために利用したいことでしょう。

 

さて、日本の現在の著作権法では、「職務著作」に当たる著作物は、「公表後50年」で著作権の保護期間が切れます。

つまり、一度目の東京オリンピックのときに撮られた画像や動画は今年(2015年)から自由に使えることになるのです。

東京オリンピックの報道熱が高まっている今、ありがたいですね!

 

とはいっても、何でも自由に使えるかというとそういうわけではありません。

 

たとえば、「職務著作」として撮られたわけではなく、一般人が撮影した劇的瞬間の写真などはその人の許可を貰わなければ利用出来ません。

 

また、写っている選手にはパブリシティ権が、一般人には肖像権があるので、許可なしに勝手に掲載することはできません。

 

というわけで、人が写った第一回東京オリンピックの写真や動画を利用する際には注意が必要です。

 

しかし、注意しなければいけないのは人物についてだけであって、背景の建物などは自由に利用することができますので、画質さえ良ければ利用価値があるでしょう。

 

「東京の今昔」や「1964年当時の東京と現在の東京の比較」などいろいろ利用出来るでしょう。
加熱しすぎてしまった佐野研二郎氏へのバッシングよりも、「TPPに参加したら著作権の保護期間が長くなるから文化の発展にはマイナスになる。著作権の保護期間が延長されることには断固反対しよう!」という議論が勧めばいいな、と思います。

 

著作権の保護期間が延長されてしまったら、アメリカからコンテンツ輸入超過の日本の未来は暗いので・・・。

 

一部の権利者の既得権を守るために著作権の保護期間が延長されると、日本人全体においては大幅なマイナスになってしまいます。

 

あまりにも著作権、著作権、と権利者の利益のことばかりを追求するとパロディもオマージュもできなくなってしまうので、ある程度は自由にできる社会のほうが健全なのではないでしょうか。