定年退職をした後は好きに時間を使うことができるので第二の人生の始まりです。

 

あなたやあなたのご家族は定年退職後のプランを持っていらっしゃるでしょうか。

 

たまに旅行したり、のんびり過ごすというのは定年退職後らしくて良いかもしれませんね。

 

60代はまだまだ元気なので働くというのもありでしょう。

私の友人のお父さんは、定年退職後に弁理士資格を取り、開業しています。

 

好きなことなら一生働き続けるというのもいいのかもしれません。

仕事を通じて人と触れ合っていると楽しいですしね。

 

アーティストは死ぬまでアーティストでいたいでしょう。

 

さて、日本のサラリーマンの多くは働き蜂で、サラリーマン時代にゴルフや麻雀等を除いては趣味らしい趣味をしてこなかったので、定年退職後に暇を持て余してボケてしまうことが多いと言われています。

 

女性にボケる人が少ないのは、家事を続けるからだそうです。

 

私の父は定年退職後、一時期ボケのような症状が現れてしまいましたが、皿洗いや買い物をするようになってから症状が無くなりました。

 

特に料理のような家事は、まず食材を揃えるために買い物をするので計算をし、台所では何と何を何グラム混ぜるというように想像し、手先の細かい作業をします。

 

そのため、常に頭を使い続けるので容易にはボケません。

 

しかし、料理などしたこともないという男性もいらっしゃると思います。

 

定年退職を機会に料理などの家事を始めるのもいいですが、どうせやるなら仕事で身につけた知識や技術を役立てることができる知的な趣味を持ちたいとお考えの方もいらっしゃるかもしれません。

 

そんな方に提案したいのが、「発明をしてみる」ということです。

 

発明といっても、複雑なものである必要はありません。

 

その発明でお金を稼いだり特許を取る必要もありません。

 

ただ、日々の生活を便利にするといった程度のアイデア出しをするだけです。

 

日頃から、「何か良いアイデアはないかな」と考えていると、そのアンテナにいろいろひっかかってきます。

 

自分が意識しないかぎりアンテナは立たないので閃きの瞬間は訪れません。

 

しかし、意識していれば、様々な情報が入ってきます。

 

毎日の些細な活動が閃きに出会える瞬間に通じます。

 

自分が興味を失わない限り、アンテナは24時間365日ずっと情報を集め続けるので、ふとした瞬間に貴重なアイデアを得ることができます。

 

それは、筆舌に尽くし難い喜びの瞬間です。

 

脳からは快感物質が多量に放出されることでしょう。

 

自分が楽しいだけでなく、他者の生活を便利にすることもできる発明はぜひ挑戦してほしい趣味です。

 

 

注意すべきなのが、「発明でお金を稼ごう」と欲を出すとカモにされる恐れがあるということです。

 

特許法のような知的財産権制度は複雑なので、一般の人は詳しくないことが普通です。

新聞や雑誌、インターネット上にも不正確な用語で知的財産の記事が載っていたりします。

 

最近はだいぶよくなってきましたが、10年以上前に書かれた一般のジャーナリストによる記事はそれは酷いものでした(大手新聞社の記事でさえも)。

 

知的財産権法は単に人間が定めたものなので、理屈で考えてもわからないことがたくさんあります。

 

また、改正も頻繁に行われ、昨年まで違法だったことが今年からは適法になったりします。

 

特に国際間の条約など力関係の強い国ばかり得をしていたりわけがわかりません。

 

したがって、教養のある人でも勘違いをしていることはよくあります。

 

もちろん基礎の根本的なところは変わりませんが、複雑であることに代わりはありません。

 

一般の人がわからないのも当たり前です(本当はそんな制度であってはいけないのですが)。

 

そこに目をつけて、詐欺まがいの話を持ちかけて発明家からお金を奪おうとする人がいます。

 

最初から「自分は趣味でやっているだけ」と割り切っていればいいのですが、「お金になりますよ」と言われるとつい心が揺れ動いてしまいます。

 

「大発明をして大金持ちになりませんか?」

「あなたの経験を活かして発明王としての第二の人生を歩み始めませんか?」

 

なんて言われると、「もしかしたら自分は天才かも・・・」と妄想が始まります。

 

しかし、個人のちょっとしたアイデアで稼ぐことはかなり難しいのです。

 

世界中の会社の従業員が日夜知恵を振り絞って発明を繰り返しているのです。個人のちょっとした思いつきが大発明になることなんて宝くじに当たる確率より低いでしょう。

 

ですから甘い言葉に惑わされないように意志を強く持って、脳トレと思って発明や研究を続けていけば良いのではないかなと思います。

 

もちろん大発明をできる可能性もありますし、モチベーションにもなりますので、発明でお金を稼ぐという夢を持つことは悪くありません。

 

ただ、「自分が思いつくような発明は世界のどこかで誰かがすでに発明している」ということは肝に命じておくべきです。

 

良いアイデアを思いついたら、いきなり特許出願をする前にまずは j-PlatPatで調査をすると良いでしょう。無料です。

自分が考えたアイデアが既に他人によって特許が取られているだとか、特許出願中であることなどがわかります。

 

ただ、慣れないうちは難しいでしょう。

その場合は、特許のプロである弁理士に「先行技術調査」を依頼すると良いでしょう。

 

よく、事前に特許調査をせず誰でも思いつくような発明を自分で出願しているのを見かけますが、出願料(高額です!)が勿体無いです。

弁理士への依頼費用が高すぎると思う気持ちもわかるのですが、素人がした特許出願は権利としての効果がない確率が非常に高いといえます。

 

せっかくの良い発明でも書き方次第でごみになってしまうのです。

 

良い発明ほど専門家に頼んで特許出願するべきでしょう。

 

誰も発明していない革新的な発明をしたら、ぜひ特許出願&審査請求(特許法48条の3)をしてください。

 

かなりの額(数十万円。海外にも出願する場合は数百万円)が必要ですが、特許権の威力は強力です。

 

場合によっては特許出願だけして、出願審査請求をする前に企業に売るという方法をとってもいいでしょう。
個人に特許料の負担は大きすぎますから。

 

もし、個人発明家として生計を立てようと思ったら、信頼できる弁理士の協力を得ることが有効です。

お金が絡むことなので、発明について相談するのは、弁理士法により守秘義務のある弁理士と家族だけにしておきましょう。(発明を盗まれないように、家族には他言しないように言っておくべきです。)

 

 

発明友達を作るのは楽しいのですが、お金が絡むと人は変わるので、注意しましょう。

「企業に特許を売り込んであげる」などといって、多額のお金を要求する人も現れるかもしれません。

 

そんな人に頼りたくなる気持ちもわかりますが、止めておきましょう。発明貧乏になります。

 

発明を取った後、その特許の市場性を的確に図り、お金を生み出せるようにすることができる人なんて存在するのでしょうか。

もしいたら、逆にその人は儲けられませんよね。

「あなたの発明には市場性はありません」と死刑宣告をすることによりその人から「企業への売り込み手数料」を受け取ることができなくなりますから。(個人発明家の発明の大半は全く利益を生み出せていません)

 

私は過去に何度も個人発明家から発明についての評価を依頼されたことがありますが、9割が実用新案(審査無しで取れる。特許権に比べ信頼性は非常に低い)であり、ほとんど価値のない権利でした。

 

 

そして、無料で相談に乗った私は、正直に「商品化は難しいと思います。」と述べました。

私は嘘をついてまでお金を儲けるという行為は恥ずかしくて出来ませんから。

 

詐欺師は「素晴らしい発明ですね!」と褒めることにより発明家の気分を良くし、くだらない発明を企業に売り込み、高い手数料を奪い取ることによってボロ儲けしているのです。

 

したがって、弱みに付け込まれて企業への売り込み代行をする人に高いお金など払わないようにしてください。

 

それよりは、個人発明家の話をしっかり聞いてくれる信頼できる弁理士を探すことが大事です。

 

優秀で信頼できる弁理士や特許事務所の力を借りられれば、自分で特許出願するよりも数百倍の価値のある強い特許権を取得してもらえます。

 

簡単には発明でロイヤリティ生活なんて出来ませんが、夢を持ち続ければ、いずれ大発明をすることができるかもしれません。

 

孫と一緒に発明生活なんて楽しそうですよね(^^)

 

なお、私の保有する知的財産に関するサイトでは、無料で信頼できる弁理士の紹介を行っていますので、弁理士を紹介してほしいという方はご連絡ください。