*この記事は旧ブログ「問題解決中」の記事と同じです。実際に描かれたのは2年ほど前です。リンクを下さっていた方はこのブログのアドレスに設定し直してくださると助かります。

著作権法に「裁定制度」というものがあります。

どんなものか簡単に説明すると、昔の著作物等で権利者が不明の場合に権利者の許諾を得る代わりに文化庁長官の裁定を受け、補償金を供託することによりその著作物等を適法に利用することができるという制度です。

詳しくはこちらに書いています⇒ 裁定制度

この裁定制度、すっごく使いにくくて昔は一年で申請数0という年もよくありました。

 

さて、この利用者の少ない裁定制度、利用者の少ない理由の一つに裁定制度を利用する前にしなければならない「相当の努力」が大変ということがあげられます。

 

それを少しでも簡略化するために、今年の2月、文化庁では過去に発表された論文やテレビドラマなどのうち、著作権者が不明で利用許諾を得るのが難しくなっている作品のデータベースを作りました。

 

このデータベースにアクセスすれば「相当の努力」に代えることができます。

データベースには約20万件ほど収録されているので、有名作品については「相当の努力」が「ちょっとした努力」に変わりそうです。

 

これまでに著作権侵害が怖くて、著作者不明の著作物等についての利用をためらっていた人もぜひ裁定制度を利用してみてください。

 

ちょっと時間はかかりますし、かならず裁定が許諾されるわけではありませんが、有効な方法の一つだと思われます。

 

昭和時代のレトロなイラストだとか、著作権者はわからないけど心に残る旋律だとか、ためになる論文など埋もれさせておくにはもったいないお宝がたくさんあるので、出版業界やサイト運営をしている人には魅力的な改正でしょう。