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シャープは経営難に陥った2015年に、中国の家電メーカー・海信集団(ハイセンス)に北米でのテレビ生産設備などを売却し、2020年末までの期間限定で「シャープ」ブランドの使用権も与えていました。

しかし、再び米国市場への参入を目論んでいるシャープは、ハイセンスに契約打ち切りを通告し、これに従わないハイセンスに対し、シャープブランドの使用差し止めを求めて訴訟を提訴しました。

これに対し、ハイセンスは「もともとブランドライセンスを提案してきたのはシャープ側だ」と反論。
泥沼化しています。

 

私がこの情報を得たのはニュース記事からでしかないので詳しい契約内容は分かりませんが、シャープ・ハイセンス間で結ばれた契約の内容によっては、シャープによるハイセンスへの損害賠償請求や差止請求は認められます。

 

しかし、契約内容が、たとえば「誠実にブランドを使用する」というような抽象的なものの場合、何が誠実なのかをめぐって無駄な争いになってしまいます。

 

たとえば、ハイセンスで最も重要な商品に対して「シャープ」ブランドを付して、全面に押し出して販売することがシャープが要求する「誠実さ」かもしれませんが、「できる限り努力する」程度で十分だとハイセンスが考えていた場合にはそもそも用語の定義が違うことから争いは平行線のままです。

ということは、容易にはシャープの主張は通らず、ブランドをライセンスしたときよりも高額の料金を示して買戻しをしなければいけなくなるという「無駄」なことになりかねません。

 

ブランド、特にコーポレートブランドのようなものは、会社の命とも言えるほど重要なものであり、安易に他人にライセンスしてよいものではありません。

 

もちろんブランドライセンスということは普通に行われていることであり、ビジネスになるのですが、そのレベルに至るまでに多大な努力が必要であり、一度でもブランドが傷ついてしまうと、その回復は困難です。

 

大企業であるシャープはそんなことは百も承知でしょうが、経営難の中で失敗をやらかしてしまったようです。

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自分(自社)のブランドを他人に譲渡やライセンスしてしまったためにビジネスがなりたたなくなってしまったという例は過去に多くあります。

 

なんてもったいない・・・。

 

現在や未来において自社ブランドの売却やライセンスを考えている企業は、
「買戻しを請求する場合は売却やライセンスしたときの倍の金額は必要になる」ということを念頭に置いて、周到に計画を立てた上でブランドの売却を検討してください。

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