*この記事は旧ブログ「問題解決中」の記事です。実際に書かれたのは2年ほど前です。

 

私が問題解決をするときに一番最初に考えるのが「理想的な状態」です。

 

問題について思い悩んでいただけでは決して思いつくことのできないイノベーティブな発想に出会うことが出来ます。

 

たとえそんな発想に出会えなかったとしても、理想を考えることによって足りないものが分かりますから、効果的であることに変わりはありません。

 

 

さて、このIFR(理想的最終解)ですが、事例に当たるとわかりやすいと思います。

インターネットで検索するとたくさん出てきますが、それら全てを当たるのも大変なので(英語やロシア語ですし)私が考える理想的最終解をあげてみたいと思います。

 

今は夏真っ盛りですのでドライアイスに関連したIFRを3つほど上げてみたいと思います。

 

一つ目は、日常の些細な問題として「夏場にお弁当を腐らせない方法」を挙げたいと思います。
お弁当を作ることのない人も思考の練習として読んでみてください。

 

この問題の解決策としては、「保冷剤を入れる」「ドライアイスを入れる」「梅干しをいれる」「そもそもお弁当にしない」等という手段があります。

 

「そもそもお弁当にしない」という方法は、学校や職場でお昼を買うことが出来る環境にあるなら可能です。

 

しかし、幼稚園や保育園等どうしてもお弁当を用意しなければいけない場面もあります。

お昼代の節約のために作りたいということもあるでしょう。

 

そこで、取りうる手段が残りの3つですが、「ドライアイスを入れる」というのは、一般家庭では無理です。

 

「保冷剤を入れる」という方法は保冷剤自体に重みがありますし、汚れやすく何度も買い換える必要があります。

 

そこで最後の「梅干しを入れる」という昔ながらの知恵ですが、これがIFRに当たると思います。

梅干しには抗菌作用があるので、ご飯が腐るのを防いでくれます。

 

それだけでなく、食欲の無くなりがちな暑い夏に食欲をそそってくれます。

 

さらに、持っていく時にはあるのに食べた後にはなくなるので、
役目=食品を腐敗から防ぐ を終えた後には再使用時の掃除や重量を気にする必要がありません。

 

このように、お弁当に梅干しをいれるということは何一つ無駄なことがなく、理想的な方法です。

 

ただ、「子供はあまり梅干しを好きではない」という致命的な欠点があります(上の子は蜂蜜漬の甘い梅干しは食べますが、下の子は一切受け付けません)。

 

そこで私が考えたのが「凍らせたフルーツをお弁当箱にいれる」という方法です。

 

イチゴやブルーベリーは彩りも良くおすすめです。

 

ゼリーなどを凍らせて置いてお弁当箱にいれるという方法も効果的です。

 

ズボラMAXなのが、「サンドイッチを前日までに作っておいて冷凍させておく」という方法です。

 

これなら、朝には凍っていてもお昼には良い具合に溶けて、食べやすくなっています。

 

卵のような具材は向かないので、ツナマヨなどがオススメです。

 

忙しすぎて前日にお弁当を用意できない可能性があるときに前々日に用意して置けるというメリットがあります。

 

 

さて、IFRの事例の2つ目は、「密室殺人事件」です。

 

キャー!!

何言っているんでしょう、この人!

殺人の示唆をするつもりなんでしょうか!

 

いえ、もちろんそういうわけではなくて、先ほどの例と非常に似た例としてあげるだけです。

というか、基本的に考え方は同じです。

 

昔読んだ推理小説で、自殺に見せかけて人を殺す話があったんです。

 

それでトリックにドライアイスを使っていました。

 

意識を失った人をドライアイスの上に乗せ、首を釣るロープに首を通させます。ドライアイスが溶けたら自然に首が閉まってしまうというトリックです。

 

殺害の証拠は残りません。

 

足の裏のやけどを見て探偵が他殺であることを割り出していました。

 

トリックはどうしようもないのですが、「役目を終えたら消える」という性質を利用している良い例です(どこが?)。

 

 

さて、3つめの事例です。

 

夏にお役立ちのドライアイス、材料は二酸化炭素です。

 

二酸化炭素は忌み嫌われているものです。

 

CO2削減を目標にしているところはあっても積極的にCO2を増やそうとしている人なんていません。

 

でも、上記したように二酸化炭素はドライアイスの材料になりますし、炭酸水やリチウムイオン電池の材料にもなります。

 

リチウムイオン電池は電気自動車の動力源となりますので、とってもエコです。

 

つまり、捨ててしまうはずのものを再度エネルギーとして使うという持続可能な再生エネルギーを作っているわけです。

 

これってすごいことですよね。

素晴らしいIFRです。

 

資源を一方的に使うだけで無駄遣いしていただけの時代は終わり、人間の知恵と努力によって、文明を持ちながらもエネルギーを無限に使えるわけです。

 

IFRは感動を呼び起こす問題解決手法です。

 

なかなか思いつきませんが、無駄のないスマートな解決法で、思いつくと気持ち良いので、ぜひ「理想」から考えてみてください。