*この記事は旧ブログ「問題解決中」の記事と同じです。実際に描かれたのは2年ほど前です。リンクを下さっていた方はこのブログのアドレスに設定し直してくださると助かります。

 

明治が昨日、イソジンブランドの保持者であるムンディファーマとイソジンの製品販売を提携している塩野義製薬に対して、差し止め請求を行いました。

 

この申し立ての背景については過去記事を見ていただくとして、今回明治が主張しているのは、ムンディファーマが採用し、2016年4月1日から使用予定の新・イソジンのパッケージに描かれるイラストが明治の登録商標であるカバくんにそっくりなのでやめてくれ、ということです。

 

ちなみに、「カバくん」「カバくんのうがい薬」は2015年4月に登録された明治の登録商標です。
そして、この白黒のイラストは1994年に登録されている明治の商標です。

 

また、このカラーイラストも明治の登録商標です。

 

この他にもカバくんのイラストはいろいろ商標登録されています。

 

実は私は今回の騒動に関しては、こんなことが起こるのではないか、とは思っていました。

 

日本ではイソジンのうがい薬は「イソジン」商標+カバくんのイラスト で人気がありました。

 

したがって、カバ君のイラストのない「イソジン」ブランドには、「イソジン」商標+カバくんのイラストほどの顧客吸引力(お客さんを引き付ける力)を持たないのでムンディファーマが「イソジン」とだけ記したうがい薬を販売しても売れない可能性があります。

 

そこで、ムンディファーマとしては、カバくんの人気にあやかった類似イラストを使ってくるだろうと思ったからです。

 

ただ、いくら何でも大企業がそんなことをするわけはなく、カバくんを超える魅力的なキャラクターやデザインを採用するだろうと思っていました。

 

しかし、まさかのカバ3匹のイラストの採用・・・。

 

明治のカバくんとそっくりです。
動物・カバという分類が同じですから、類似という判断は免れないでしょう。

 

実際にこのイソジン製品が販売されたら、不正競争防止法2条1項1号または2号に該当するでしょう。

また、明治は商標権に基づいて差し止め請求や損害賠償請求もできます。

 

著作権侵害の可能性もあります。

 

今回の申し立てについては、明治側が勝つでしょう。

 

ムンディファーマ・シオノギ側は別のデザインを採用することになるでしょう。

 

ムンディファーマは「イソジン」商標の力を過信しすぎていたのかもしれません。

 

たしかに商標権は非常に強力な権利ですが、明治イソジン+カバくんについては、カバくんがいてこその人気でした。

 

また、特許権が存在するわけでもないので、成分については差をつけられません。

 

したがって、明治のうがい薬はイソジンブランドを使わなくてもカバくんだけで十分に売れると思います。特に日本人はキャラクター好きですし。

 

ムンディファーマは新しいキャラクターやデザインを採用して、シオノギ・イソジンを育てなければいけません。

 

したがって、ムンディファーマにとっては明治との商標ライセンスを解消したのは得策だったとは思えません。

 

うがい薬はジェネリック品も多いですし、シオノギ・イソジンは苦戦するのではないでしょうか。

 

娘二人がインフルエンザにかかり、手洗いだけでなくうがいもさせておけばよかったと後悔している福田でした(笑)。