人間関係の悩みは誰しも持っていると思いますが、特に悩ましいのが、「意見の違う人に話を聞いてもらえない」ときです。

 

特にその意見の違う相手が自分にとって重要な人であればあるほど悩みは大きくなります。

 

たとえば、

 

手塩にかけて育てた娘がどこの馬の骨ともわからない男と結婚したいと言ってきたり、

 

家族が新興宗教や自己啓発セミナーにハマってしまったり、

 

友人が、科学的に何の根拠もないただの迷信を「みんなが言っているから」という理由で信じて疑わず、「ただの迷信だよ」と言っても聞く耳を持たなかったり、

 

会社の重要なプロジェクトについて、直属の上司に反対され、どうしてもOKをもらえない

 

といった問題が考えられます。

 

自分から見たら、相手は間違っており、どう考えても自分の考えのほうが正しいと思えます。

 

また、客観的にも科学的にも自分の方が正しく、相手は非論理的にしかみえないかもしれません。

 

こんなときに、取ってしまいやすい態度が

 

「必死で反対する」「証拠を示して論理的に説得を試みる」

 

ということです。

 

しかし、反対すればするほど相手は強固に自分の考えに固執するものです。

 

娘の結婚を反対すればするほど恋は燃え上がってしまいます。

 

親という障害の存在がドラマを面白くさせてしまいます。

 

新興宗教は危ない、と言っても「教祖様の教えを聞いたこともないくせに。一度セミナーに参加すれば考えが変わるからおいで」と逆に勧誘されてしまいます。

 

 

そこで、自分の話を聞いてもらえる方法について考えてみたいと思います。

 

理想は、相手が素直に自分の過ちを認め、「わかりました」といって考えを改めることでしょうか?

 

しかし、信念を持っている人間はそう簡単に間違いを認めません。

 

「教祖様」のダメなところの証拠を示してみても、「教祖様だって人間だもの」とより一層信仰心が厚くなるだけです。

 

それに、自分が「やめろ」と言って、「はい、わかりました」とすぐに自分の信念を曲げてしまうのもどうかと思います。

 

また別の人に「やれ」と言われたら「はい、わかりました」となってしまうに違いありませんから。

 

ですから、私の考える理想は、

 

「相手が自分で変わろうと思って変わること。対話によって考えを改めること。」です。

 

大事な相手だからこそ、逆に簡単に私の説得で考えをコロコロ変えてほしくないのです。

 

頑固ということは、裏を返せば、信念を貫くという美徳でもありますから。

 

あ、頑固という一つの言葉が二通りに解釈出来てしまいました。

 

矛盾していますね。

 

ということは矛盾マトリクスの出番です!

 

しかし、長くなりそうなので今回は矛盾マトリクスの検討は省きます。

 

使えそうな発明原理だけをピックアップしていきます。

 

結論だけを知りたい方はスクロールして下の方に書いてある結論だけをご覧ください。

 

 

発明原理22「災い転じて福となる原理」

 

もしかしたらあなたからは災いに見えることも結局はあなたにとってプラスかもしれません。
つまり、相手の方が正しいのかもしれないのです。

 

たとえば、娘が連れてきたどこから見てもダメな男も、実は娘を最高に幸せにしてくれる人かもしれません。

 

頭ごなしに「そんな男と結婚するなら勘当だ!」と怒るのではなく、ダメ男に最高のもてなしをしてあげてください。

 

そして、いろいろ話をしましょう。

 

話している最中に、実はこのダメ男、超良いやつだ、とか逆に、実は結婚詐欺師っぽいぞ、などという新たな発見があるかもしれません。

 

会話のなかで、娘のことを本当に愛してくれていない嘘つき男のボロを付いていけば、さすがに熱に浮かされた娘さんも何かおかしい、ということに気づくでしょう。

 

発明原理33「均質性原理」   発明原理23「フィードバック原理」

 

自分も相手と同じ環境に身を置いてみたり、相手の話を理解しようと努めます。

 

相手の話をしっかり聞き、共感を示すことで相手は心を開いてくれます。

 

意見の対立する相手にはついつい自分の考えを押し付けて相手の話を聞く耳持たないという態度を取ってしまいがちですが、そこを抑えて傾聴します。

 

あなたのために言っているのよ!と自分の希望を押し付けてはいけません。

 

意見や願望の押し付けは簡単ですが効果はありません。

 

傾聴は面倒なことですが、効果的です。

 

人は自分の話を聞いてくれる人の話を聞きたくなるものです。

 

冷静になって意見を交換しているうちに、相手は自分の中の間違いや矛盾に気づくかもしれませんし、あなたにも新たな発見があるでしょう。

 

発明原理13「逆発想原理」

相手を説得したいからこそ、あえて説得しません。

 

相手がそれにこだわることは、もしかしたら相手にも自分にもメリットがあることかもしれません。

 

血液型占い信奉者がいたとして、その人が「AB型っておかしいやつが多い。付き合えない」と主張したとします。

 

それに対して、血液型占いは当てにならないということを化学的証拠を示して論理的に語っても相手を納得させることは出来ません。

 

「でも、自分の周りではAB型はそういうやつが多いっていう証拠があるし」
と言われるのが落ちです。

 

血液型占いに科学的根拠はなくとも、それを利用してコミュニケーションを柔軟にしている人にとっては、「人間関係の潤滑剤」になっているわけです。

 

血液型占いに信ぴょう性があるかどうかということは問題ではないのです。

 

「これだからB型にはついていけねーよ」と言われても別にコミュニケーションの一つとしてとらえればよいのです。

 

そこで「いや、血液型占いは非科学的だ」と正しいことを言ってもただのKYになってしまいます。

 

人間は感情で行動する生き物です。

 

いつも真面目な堅物も感情で判断することは多々あります。

 

何でもできるスーパーマンよりも、精神的に弱いという欠点のあるヒーローのほうが人気がでます。

 

非科学的なことを信じることにもそれなりのメリットがあります。

 

発明原理24「仲介原理」

 

誰かに間に入ってもらうのもいいかもしれません。

愛する息子が悪い女に騙されていそうなときは、息子の会社の上司に飲みに連れ出してもらって話をしてもらうというのもいいかもしれません。

 

さて、上記で考察してきたように、信念を持つ人に論理的または科学的に正しいことを言ってもまず相手は考えを変えようとはしません。

 

論理や科学よりも、自分がどう感じるかという気持ちの方を人は優先するからです。

 

血液型占いを信じている人には、それが科学的に何の根拠もないという話をしてもなかなかその思い込みを取り去ることは出来ません。

 

自分の目で真実っぽい事実を何度も目撃してきたから余計です。

 

信念に論理が通用しない例として「プラシーボ効果」というものがあります。

 

ある薬に実はうたっているほどの効用がなかったとしても、「信じている」ことにより効果が現れることがあります。

 

グルコサミンや飲むコラーゲンといったものに本当に効果があるのか私にはわかりませんが、「これを飲めば症状が改善する!」と強く信じている人が摂取すれば、効果が出ることがあります。

 

「飲むだけで癌が治る」薬があったら、末期癌患者は藁にもすがる思いで購入してしまいます。

 

人の弱みにつけこんだ悪質なセールスですが、語り始めると長くなってしまうので、ここでは問題としません。

 

もし、化学的には何の意味もない成分でも、摂取した人の病状が改善したのなら、その人にとってはその「薬」は効果があったと信じられる「化学的真実」が生まれます。

 

したがって、他人が「その薬の成分は砂糖水と同じ程度だよ」と伝えても、「いや、これで治ったのだからこの薬には効果がある」と譲らないかもしれません。

 

逆の場合の方が信念は強固になるかもしれませんね。

 

ある薬を摂取したことにより特定の病気にかかってしまった場合、「この薬を処方した人間が悪い」と処方した人物を責めるでしょう。

 

実際には発病したのはその薬のせいではなく、たまたまどこかでウイルスに感染してきただけなのに、多くの人がその薬を飲んで同じ病気を発病したら、「この薬がわるい!みんなが証人だ!」と訴えるでしょう。

 

たまたまウイルスに感染した人たちが同じ薬を処方されたという事実を述べたとしても、「でも私も友人も有名人の誰々もみんなこの薬を飲んでこの病気になった!」と信念を曲げようとはしないでしょう。

 

さて、このように誤った信念に基づいてあなたの話を聞こうとしない人に話を聞いてもらうにはどうしたらよいでしょうか。

 

最も効果的な方法は、

「自分で正しい情報を手に入れさせる」ことだと思っています。

 

家族や恋人としては悲しいですが、あなたがあなたの大切な人に語る言葉よりも、人は「自分で探し当てた(と思い込んでいる)情報」の方を重視します。

 

ですから、この宗教は危険な新興宗教だと口で伝えるよりも、自分でインターネットで検索したときにそのような情報に触れさせましょう。

 

この人は詐欺師だから騙されるな!と警告するよりも、その詐欺師の情報に触れる機会を与えるのです。

 

詐欺師や教祖、芸能人は、ストーリーで語り自分の考え・教えを広めるという手段を取りますから、こちらもそれなりのストーリーを用意します。

 

間違った情報でも何度もそれについて触れると信じてしまう傾向があるので、教祖の教えになるべく触れないようにさせます。

 

また、周りの人が信じていると自分も信じてしまいやすいので、環境を変えることも大事です。

 

インターネットは検索ボタン一つで何でも検索出来てしまう素晴らしいものですが、インターネットでは誰もが情報を発信できることから、嘘や危険な情報がたくさんあります。

 

しかし、活字になったものを人は信じてしまいやすい傾向があります。

 

だれでも書き込みできる掲示板の情報や、ソーシャルメディアで流れてきたその他大勢の噂している出処不詳の怪しい情報を人はいとも簡単に信じてしまいます。

 

リアルに隣にいる人の語る話よりもインターネットの情報や雑誌、テレビ番組の情報の方を信じてしまうのです。

 

同じ媒体を使って同じように得た情報でも、自分で探し当てた場合と人からその情報を口づてに説明された場合では前者の情報を大切に思う傾向にあるようです。

 

そこで、相手の考えを変えたい場合には、相手に伝えたい情報を直に話すのではなく、
「自分で情報を入手した」と思わせることが有効です。

 

ソーシャルメディアを利用して情報を流してもいいでしょう。

 

アナログですが、共同で使っているパソコンに化学的証明が記載された公的機関のページを開いておいてもいいかもしれません。

 

どうにかして、本人に「自分で」その情報に触れさせるようにします。

 

本を置いておくのもいいかもしれません。

 

結論

●説得したいときは、説得したいからこそ説得しない。

まずは話を聞く。
傾聴すると相手は自分の話を聞いてくれるようになる。

 

●論理的に説得しない。

 

●相手が考えを変えないことのメリットを考える

 

●他人に協力してもらう。説得したい相手とソーシャルメディアなどで繋がっている人に論理的な証拠のような情報を流してもらう

 

人の考えを変えさせるのは非常に困難です。

 

説得するのは無駄なので、説得して負かそうとするのではなく、かといって同調するのでもなく、本人に敬意を示すことがまず最初にすべきことです。

 

すると、中立的な情報を受け入れてくれるようになります。

 

相手の話を傾聴するのも良いでしょう。自分で論理破綻に気づくかもしれません。

 

説得を試みたい相手は家族や恋人のように大切な人であることも多いでしょう。

だからこそ、必死になって相手を止めようとしてしまいますが、こちらが必死になればなるほど相手はさらに熱心に対象物に傾倒してしまうのでこちらはクールでいる必要があります。

 

以上、話を聞かない人に話を聞かせる方法でした。

抜けや漏れがあるので、あとからまた追記修正したいと思います。

*この記事も旧ブログ「問題解決中」の記事なのですが、追記修正していません^^;