パナソニックは、8月からエジプトで液晶テレビの生産を開始するようです。
さらに、インドでの2018年度の売上高を16年度の1.5倍となる約3000億円に増やす方針も明らかにしました。

縮小する日本市場よりも、これから伸びる新興国市場を狙うことは、水道哲学によって成長したパナソニック(松下)にとって基本ともいえる戦略でしょう。

 

今から10年以上前のことですが、当時パナソニックは、インドで日本の全自動洗濯機を売ろうとして努力を続けていました。しかし、売れない。何年営業努力を続けても売れない。

こんなに品質が良いのになぜだろうと思い実際にインドでの生活をよく見てみたら、インドでは停電が頻繁に起きる。そのため、洗いが終わってすすぎをしているときに停電が起きるとまた洗いから始まり、無駄が多い、何度も洗うためサリーが痛むというのが売れない理由でした。

 

そこで、停電後にリセットされず、停電した時点からすすぎなどを始めてくれる停電に特化したインド用、しかもサリーを綺麗に洗い上げる洗濯機を販売したところ、大ヒットしたそうです。

現在ではカレーの汚れを落とす洗濯機が人気とか。

カレーの汚れって頑固で落ちにくいんですよね・・・(^^:

 

 

日本にいたままでは気づかない、しかし、現地の人の生活の中に溶け込めば当然のように理解できる「日常の悩み」。これを解決した企業は新興国で強力なブランドを築くことができます。

私自身、インドに行ったことはないのですが、日本にいるインド人とは何度か話す機会があり、話すたびに思うのが、「私の常識は彼らの常識ではなくその逆もまたしかり」ということです。

違う文化の人たちと話すと自分の小ささに気づけてとても楽しいです。

 

ところで、新興国では知的財産的に重要なのは、特許権よりも意匠権や商標権です。

 

なぜなら、新興国では「世界最先端の技術」よりも「少し前の技術」程度で足りるところ、好まれるデザインが特徴的(インドでは花柄が人気等)だからです。

我々の感じる「スタイリッシュ」と彼らの考える「かっこいい」は=ではないんですよね。そして、今、彼らと書いてしまいましたが、アフリカの人やインドの人たちはまた、感じ方が違うわけです。

 

新興国での知財戦略は日本のような先進国とはまた違って、面白そうです(^v^)