特許法8条に「特許管理人」という言葉が出て来ます。
在外者の特許管理人
第八条 日本国内に住所又は居所(法人にあつては、営業所)を有しない者(以下「在外者」という。)は、政令で定める場合を除き、その者の特許に関する代理人であつて日本国内に住所又は居所を有するもの(以下「特許管理人」という。)によらなければ、手続をし、又はこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定により行政庁がした処分を不服として訴えを提起することができない。
この「特許管理人」というのは、要するに弁理士のことです。
「特許管理人」とよく似た言葉に「特許管理士」というものがあります。
これは、国家資格である弁理士と違って、民間で勝手に決めた資格です。
紛らわしい名称ですが、特許法8条に出てくる特許管理人と特許管理士は全く関係ありません。
というか紛らわしくて、「特許管理士」は商標登録されていたにもかかわらず無効審判で消されたという過去を持ちます。
商標法は、財産権である商標権を保護するだけでなく、「公益」の保護も目的としているので(商標法1条)、このような公的資格の名称と間違えそうな名称は商標登録してくれない(一度は登録されても消される)のです。
特許出願や意匠・商標登録出願の代理が出来るのは弁理士(弁護士)だけと法律で定められています。
無資格の者(弁理士資格を持たない者。特許管理士等)が勝手に特許や商標の出願代理をすると、非弁行為となり、弁理士法に違反するので気をつけてください。
特許管理士の資格は特許事務所や知財部への就職に有利になることもありませんから、知的財産権について学びたい人は、弁理士資格を取得するか、知的財産管理技能士を目指すと良いでしょう。