あなたはいつもノーと言う事ができなくて、損をしたり、自己嫌悪に陥っていませんか?
酷い場合にはうつになっているかもしれませんね。
たとえば、上司や同僚から嫌な仕事ばかり押し付けられる。
美容院で「トリートメントはいかがですか?」と高くて余計なサービスを売り込まれてしまう。
車を持っているからといって、運転手をさせられる・・・。
日本人はとりわけ断ることを不得手としているようです。
八方美人というわけではないけれど「嫌われたくない」という心理が自然に働き、ついつい疲れることでも笑顔で引き受けてしまうのです。
また、断れない原因は日本語という言葉にもあるでしょう。
「結構です」という言葉はOKにもNOにも取れるので、私も何度勘違いされたかわかりません。
例を挙げたらキリがありませんが、このように断ることをしないためにストレスを貯めてばかりでは不健康です。
嫌なことは嫌、と毅然とした態度を取れる人はストレスを貯めこまないので精神的な健康を保てますが、内気で言いたいことを言えない人は、不満を貯めて貯めて貯めこんである日大爆発させる危険性を秘めています。
また、断れない人の煮え切らない態度は周りの人もイライラさせます。
これでは本人にも周りにも悪い影響を与えてしまいます。
自分は煮え切らない性格だ。こんな短所を持っているからいつも人をイライラさせてしまう・・・
そんなネガティブな気持ちでいるだけで周りの人もその気持ちを感じ取って嫌な気持ちになってしまいます。
そのため、ある程度は断る勇気を持つことも大事です。
今回はこの「ノーと言えない」問題を解決します。
さて、まずはいつもどおり問題の定義をしましょう。
ノーと言いたいときはノーと言えばいいので、何の問題もないはずです。
しかし、それが問題になってしまうのは、断ることにより何らかの結果が生じ、それを恐れてノーと言えないからです。
つまり、「断れない」ということの問題は、「本当は嫌なのに悪い印象を持たれるのが嫌で自分を犠牲にしているため、疲れやストレスがたまる。」と定義付けましょう。
理想は「余裕があるときにだけ頼まれごとをしたい」ですが、なかなかそうはいきません。
忙しい時に限って大変な頼まれごとをしたりしますよね。
「やりたくない」という自分の気持ちと「やってほしい」という相手の気持ちが衝突してしまうとどちらかが折れなければならず、NOと言えない人は、いつも折れる側に立っているので疲れ果ててしまうわけです。
あ、矛盾が出てきましたね。
矛盾があるところに問題解決の糸口があります。
自分の面から見たら、「たとえ断っても悪い結果が現れないなら断ったほうがいい」ということになります。
つまり、断る勇気を持つことが重要になってきます。
相手を無駄に傷つけたりすることがなければ断ることに問題はないはずです。
もちろん、人間は社会的生き物なので、頼まれごとはした方がいいでしょう。
しかし、頼むだけ頼んでそれを当たり前と感じて感謝すらしないジャイアンのような人もいます。
確かに人のためになることをするのは良いのですが、自分自信にも優しくしてあげないと(労ってあげないと)自分が可哀想です。
客観的に見て、自分のストレスが溜まってしまうと感じたら断る勇気も必要です。
それで人間関係が終わってしまうのなら、逆にラッキーかもしれません。
キツすぎる仕事を断ることにより解雇されるなら新たな仕事へのチャンスかもしれません。
(ただし、「キツすぎる」のハードルを下げ過ぎないようにお気をつけ下さい・・・。甘えと捉えられてしまうので。)
では、ここからは発明原理に当てはめて問題解決を図ってみたいと思います。
発明原理1「分割原理」
自分にとって重要なもの(やりたいこと)と重要でないものを分けます。
ワガママと思われてしまうと思って怖いかもしれませんが、ある程度は「自分にプラスになすもの」だけを優先して引き受けてもいいでしょう。
人間は感情の生き物です。どうしても嫌なこと、やっても自分に直接的利益がないことをしていると、消耗してしまいます。
発明原理2「分離原理」
お願いしてくる人に対してNOと言うのではなく、そのお願いごとに対してNOと言う。
断ると、その人を傷つけるかもしれない、と思って断れない人は、ぜひ「断っても必ずしも依頼人を傷つけない」ということを知ってほしいと思います。
返答の仕方に気をつければ、たとえ断ることになっても相手の感情を傷つけることにはなりません。
発明原理9「先取り原理」
感謝の気持ちを表す。
あなたに頼みごとをする人は、あなたにそれを出来るだけの実力があると信じているから頼んでくるのです。それを結局は断ることになっても、信頼してくれたことに関して感謝しましょう。
もちろん、どうでもいい仕事、自分がやりたくない仕事を他人に押し付けてくる人はいるかもしれませんが。
発明原理10「事前保護原理」
出来ない理由を述べる。
理由は正直に述べてしまっていいでしょう。
忙しすぎる、でもいいですし、自分は適任ではないと思う、でもいいでしょう。
下手に言い訳をしてしまうと、自分の発言を正当化するために、面倒なことが待ち受けています。
きっぱりと(毅然と)断る。
「え〜、そうですねぇ。えっと・・・」とグズグズと断ることを引き伸ばしにしていても何にも良いことはありません。結局断るのなら相手に無駄な時間を消費させないためにもきっぱりと断るほうが良いでしょう。
断る練習をする。
滑稽に聞こえるかもしれませんが、NOと言えない人には有効な手段です。
発明原理6「汎用性原理」
行為と発言に一貫性を持たせるようにしましょう。
忙しいのに依頼を受ける時もあるし、受けないときもあると、頼みごとをしてくる相手はダメ元で・・・と思ってとりあえず依頼してくる可能性があります。
こういう仕事は断固として受けられない、ということをはっきり示しておくと相手も最初からあなたに頼もうとは思いません。
発明原理22「災い転じて福となす原理」
断ることによりチャンスを逃したり嫌われてしまうと思うかもしれません。
しかし、上述したように、「その人」を否定するのではなく、「依頼」に対してNOということで嫌われることは防げますし、場合によってはより良い依頼に通じます。
また、断ることによりチャンスを失ったかもしれませんが代わりにその時間をもっと有意義なことに使えると考えれば結局は新たな機会の創出に繋がります。
単なる「良い人」を抜け出し、重要なこと(たとえば家族との時間)とそうでもないこと(趣味の時間)の境界線はきっちりと引いてしまったほうが、頼みごとをする方としても頼みやすいかもしれません。
「万能な人・便利な人」ではなくなりますが、代わりにストレスが減るので、仕事などのパフォーマンスも上がることでしょう。
イエスマンの自分が嫌いな人は、NOと言う練習をはじめて下さい。
こんな簡単に見えることが驚くほど自分に自信と心の安定をもたらしてくれるはずです。
これからは、嫌な誘いにはハッキリとNOといい、好きじゃない人からの頼みごとを抱え込んでしんどい思いに潰されないでください。
”自己中”になることが、結局は他人のためにもなるのです。