今日は大阪の堂島界隈は堂島プレミアムロールの話題でもちきりですね(え?そうでもない?)。

 

ニュース等を見ていたら、思うことがありまして、一言二言、つぶやきたいと思います。
ちなみにこの記事は一般の方向けに記載しているのであまり専門用語を使っていません。

 

法律的に詳しい内容を知りたい方はリンク先(私の知財サイト)を御覧ください。詳しい説明をしています。

 

では、重要点その1。

そもそも、モンシェールの販売している洋菓子に付いている商品名の「堂島ロール」ってそのままでは商標登録出来ないんです。

 

簡単に説明すると、堂島という場所で売っているロールケーキに堂島ロールという名前を付けても当然過ぎるよね。ということです。

 

だから、他社が、「堂島ロール」という名前を堂島で作っているロールケーキに使うこと自体は問題ありません。

 

でも、「堂島ロール」って商標登録されていますよね?

 

どういうことかというと、こんな風な(下記図形参照。)商標をとっているからなんです。

モンシェールの商標(Jplatpatより)
モンシェールの商標(Jplatpatより)

「堂島ロール」という言葉だけじゃ無理なのよ。

 

 

さあ、重要点その2です。

 

商標法26条1項1号により、会社名を商品パッケージに使っていると商標権侵害にはなりません。

 

だから、堂島プレミアムという会社がロールケーキに堂島プレミアムという名称を付けるのはセーフ!・・・なんですね。一応は。

 

だから、堂島プレミアム側としては、「わいは何も悪いことしてへん!」と主張したくなるのもうなずけます。

 

堂島プレミアム株式会社のやっていることは、「一見、商標権の侵害にはならなそうなグレーな行為」ですから。

 

とはいってもやっていることはブランド毀損!

商標権者としては黙っちゃいられませんよね。

 

というわけで、モンシェールは堂島プレミアムに対し差止請求をしたのですが、それだけでは収まりません。損害も出ているわけだし責任はとってもらわなくちゃね?

 

で、大阪地裁では例の判決が出たというわけです。

 

モンシェール勝訴!
堂島プレミアムは損害賠償金を支払え!

 

深い茶色の色合いといい、字体といい、堂島プレミアムのパッケージは堂島プレミアムにそっくりですものね。

 

 

さて、話はここで終わりません。

 

実は、そもそも、「堂島ロール」のレシピを考案した人も名前を付けた人もモンシェールの社長ではないらしいのです(以下、特許庁異議申立の文言に基づきます。正確性については保証できません。あくまでも氏の言い分です)。

考案者はホテルアンビエント堂島の総料理長だった有田逸郎氏だということです。

 

そして、ホテルアンビエント堂島のケーキショップモンシュシュで堂島ロールの販売員をしていたのが、金美花氏。

 

モンシュシュが閉店後、販売員金美花氏は堂島ロールの販売を開始します。そして、「堂島ロール」の商標登録出願もします。

 

モンシェールによる商標登録後、有田氏は異議申立てをします。
「考案者である自分までが堂島ロールの名前を使えなくなっている!こんな商標登録はあかん!」と。

 

結果として、この異議は認められませんでしたが、両者の間には深い溝が残ったままです。

 

クリームたっぷりの甘いロールケーキの裏にはこんな大人のどろどろした事情があったんですね。怖いですね。でもケーキは食べたいですね。

というわけでコンビニのプレミアムロールケーキを買いに行ってきます。