意匠法が大幅に改正されます。
従来は、知的財産権といえば、特許権と商標権ばかりに目が行っていた日本企業ですが、アップルやダイソンなど、海外の優れたデザインの製品に追い上げられ、デザインを重視せざるを得なくなってきました。
そこで、企業の同一シリーズの製品デザインを「デザイン群」として保護します。
考え方としては関連意匠制度に似ているかもしれませんね。
これにより、たとえば、ソニーだったら、Xperiaのシリーズをモデルチェンジしてもデザイン群として適切に保護されることになります。
模倣企業はモデルチェンジの変更点などに目をつけ似せてくるのでこの点うれしいですね。
それから、店舗の内外装のデザインも保護されるようになります。
これは、アメリカだとトレードドレスとして保護されているもので、店舗の外観や内装を真似た場合に知的財産権の侵害だといえる権利です。
日本だと、過去にめしや食堂の外観が真似されたり、西松屋の陳列法が真似されたりした場合に、不正競争防止法で知的財産権侵害の罪を問おうとした例があります。
コメダ珈琲そっくりの和歌山のマサキコーヒーも訴えられていましたね。
意匠法や商標法などの法律で規定されていないものなので、どうしても保護が弱く、明らかに知的財産権である店舗の内外装の保護が適切にされていなかったという経緯があります。
今回法改正されることにより、意匠法で店舗の外観や内装が保護されることになるので、安易な模倣を防ぐことができます。
もし保護されるとしたら商標法だと思っていたのですが、意匠法での保護の方が良いかもしれませんね。
確かに保護期間は登録日から20年(2019年からは延長)に限定されますが、意匠登録を受けておけば模倣を防げますし、先使用権の証明などに無駄に時間を取られませんから。
それに、たとえば、赤いソファと渋い茶色のおしぼり、開放感の溢れる店内というようなどこにでもありそうな内装だと商標権で半永久的に保護するのは行き過ぎという気もしますしね。
意匠法の改正により、さらに日本の知的財産権の保護が進みそうですね。