中小企業や個人事業主が、ある日突然大企業から「知的財産権を侵害している」との警告を受け取る場合があります。
知的財産権といっても様々な種類があるので、中小企業が侵害しているとされる知的財産権が特許権なのか商標権なのか著作権なのかは場合によって異なるでしょう。
いずれにせよ、「知的財産権を侵害している」なんて警告を受けたら、通常は怖くなって該当する行為をすぐに中止してしまうでしょう。
知的財産権の侵害は「知的財産権が存在することを知らずに使っていても違法」であるため、警告を受けたらすぐに使用を中止する必要があります。
賠償額が跳ね上がるからです。
しかし、「実際はこちらは知的財産権を侵害していない場合」もあります。
そのようなときまで業務活動を中止してしまっては、本来入るはずだった利益を得られず、もったいないと言えます。
そこで、このような場合にどうすれば良いのかご説明したいと思います。
専門家に相談する
自社の顧問弁護士など専門家に相談しましょう。
この方法が一番簡潔です。
デメリットとしては、顧問料が高いということです。
弁護士の顧問料は月額5万円が最も多くなっています。それより安い顧問料の場合は、何かしらのサービスが削られている可能性があります。
また、顧問を置いたとしても、弁護士に仕事を頼むとその案件ごとに料金がかかってきます。
普段は弁護士は必要ない、という中小企業の場合は、問題が起きてから急いで弁護士や弁理士の元に駆け込むという方法もあります。
この場合は一刻を争うので、よく調べもしないでネットで検索して上の方に出てきたテキトーな弁護士や弁理士に依頼してしまう恐れがあります。
すると、そういった弁護士たちは広告料がかかっている分、高い料金を請求してくる場合があります。
また、初回は安くても、年間契約を結んだ上での値段であり、実は割高になるというケースもあります。
普段から知的財産権への意識を高めておく
そこでお勧めなのが、経営者自らが、普段から知的財産権への意識を高めておくということです。
できることなら、初歩的な知財について学習したほうが良いでしょう。
なぜなら、知的財産というものは、文字通り財産であり、経営において無視することのできないものだからです。
知的財産部の無い大企業は存在しませんが、中小企業では知的財産部の存在しないところが大半です。
そのため、知的財産権の訴訟となると、いきなり白旗をあげることになってしまうのです。
これではあまりにも勿体無いでしょう。
したがって、知財部がないのなら、せめて兼業でも良いので知財担当者を置き、また、経営者自身も知財の初歩について学ぶべきです。
こちらの私のサイトでは、知財学習者や経営者の方が知財について学んでいます。
また、問題が起きる前から質問をしてきて被害を未然に防いでいます。
病気になる前に予防するのがベストだということはわかっていてもなかなか病院へ行かず、深刻な状況に陥ってからやっと病院へ行ったが手遅れだったということのないように、早い段階から知財の知識を身につけてください。
企業は必ずしも「絶対的に有効な知的財産権」に基づいて警告してくるとは限りません。
訴えてくる企業の方も知財の知識がないために、無意味な権利に基づいて権利行使をしてくるということもあるのです。
また、一見知的財産権の侵害に見えても実は侵害でないケースというのはよくあります。
例として、先日こんな記事を書きました。
「備えあれば憂い無し」は経営にも言えます。
ある日突然倒れて入院すると高額の医療費がかかりますが、普段から健康を意識していれば大病を発病する前に適切な処置をとれます。
経営者自らが経営において重要な知財の知識を身につけ、また、従業員に学んでもらうことは知財の知識という強力な武器と防具を手に入れることになるのです。