地方銀行で企業の知的財産を評価した知財融資が広がっているという日経新聞の記事を見ました。
最近伸びているのが「知財ビジネス評価書」を活用した融資です。
なお、「知財ビジネス評価書」とは、専門の評価機関が特許権や商標権などの価値を分析、評価したリポートです。
低金利時代に銀行が生き残るには、知財に目をつけるのは当然とも言えるでしょう。
ただし、昔から知財融資についてはよく語られてきましたが、なかなかうまくいっていませんでした。
理由は単純で、銀行員は知財を評価出来ないから。
経営者がどれだけ素晴らしい特許権を持っていて、その技術を銀行員の前で熱弁しても、技術を知らない銀行員の胸にはその言葉は届かないのです。
しかし、超低金利時代に突入し、廃業する銀行も増えてきていることから、危機感を抱いた銀行は真剣に知財融資について考え始めたようです。
第三者機関に「知財ビジネス評価書」の作成を依頼し、その評価書を見ながら融資を決定するようにしました。
上記記事によると、名古屋銀はこれまでに5件、計数億円の融資を実行したそうです。
件数はまだ少ないですが、魅力的な話ですね。
これなら、不動産のような担保を持っていなくても商標権や特許権といった知的財産権を担保に融資が行われることがどんどん増えそうです。
もちろん、知財ビジネス評価書に誤りがあった場合には、大変なことになってしまいます。
したがって、知財を評価する会社の責任はかなり重いですし、もし評価に間違いが遭った場合に誰がその責任をとるのか等問題はあります。
知的財産権の評価は難しく、有体物と同じようにはなかなかいきません。
知財を評価する会社がテキトーなことをしたら、銀行側は大きな痛手を受けます。
しかし、収益悪化に苦しむ銀行には知財融資は避けては通れない道なのではないでしょうか。