このブログ、知財ブログなのにコロプラと任天堂の特許権侵害訴訟の件、今まで一度も記事にしたことがありませんでした。

ただ、昨夜日経新聞を見たら、コロプラがニンテンドースイッチ向けに白猫プロジェクトを発売するという記事が載っていて面白かったので少しお話したいと思います。

 

なお、現在でも任天堂とコロプラは特許権侵害訴訟で争っている最中で和解はしていません。

 

しかし、Twitterを見ていたら「コロプラが任天堂と和解」というツイートを見かけたので一瞬驚いてしまいました。

 

もちろん勘違いなのでしょうが、これってちょっと怖いですよね。

 

というのも、もし多くの人がコロプラと任天堂が和解をしたということを信じてしまったら株価操作のようなことも出来てしまいます。

 

コロプラは2013年に6940円という株価を記録しています。

しかしコロプラの株価は下がり続け、2018年7月現在では過去最低の743円になってしまいました。

 

この時点で株を大量に買い、「コロプラは任天堂と和解したからもう大丈夫」という印象を付けておいて株価が上がった後で大量に売り抜けるということをしてしまえばかなり儲けることが出来てしまいます。

 

流石に今回はそのような騒ぎは起きませんでしたが、影響力のある人が悪意を持って(勘違いを装って)偽情報を発信してしまったら大変なことになります。

 

私は過去にある株を購入し、翌日株価が大幅に値上がりしたためにインサイダー取引ではないかと疑われたことがあります。(証券会社から連絡が来ただけだけど)

自分で上がりそうだと思って購入しただけですし、もちろん関係者から情報をもらったわけではないし、そもそも買った数量は大したことがなかったので何の問題も起きませんでしたが。

 

まあ、いくらなんでもそんな捨て身の大技を使う弁護士や弁理士がいるとは思えませんが、素人の人の場合は知らないふりしてできそうですw

 

 

さて、今回は超絶につまらないことを書いてしまったので、最後に一言役に立つことを書いておきたいと思います。

 

Twitterのまとめを見ていたら、

「この裁判は、コロプラの所有特許が任天堂の特許を侵害しているって裁判なんだから、和解とはコロプラの持ってる特許の取り下げだろう」

という趣旨の発言を見かけました。

(本当は引用元を示すべきだけど、特許素人の一般の方の発言だし、晒すことが目的ではないので引用元は示しません。発言者を特定した場合でもマウンティングしないであげてください。)

 

これは特許権の侵害というものについて勘違いしていて、「コロプラの所有特許が任天堂の特許を侵害している」という表現は適切ではありません。

同じように特許権を持っているからといって他者特許権の侵害にならないわけでもありません。

あくまでも、特許権の侵害とは、実施発明が特許発明の技術的範囲に属しているかどうかによって判断します。

そして実施発明が特許発明の技術的範囲に属しているというためには、特許権の特許請求の範囲の記載に基づいて、請求項を構成要件に分解し、製品が請求項に含まれる各構成要件の全てを備えていることが必要です(特許法70条)。

 

こちらにわかりやすく書いたので御覧ください。
特許発明の技術的範囲

 

また、先程の発言のなかに

「和解とはコロプラの持ってる特許の取り下げだろう」

という記載がありましたが、これも特許制度について勘違いしている発言です。

特許出願中の場合は特許出願を取り下げるということはできますが、一度特許権が設定登録された後は取り下げという手段は採りえません。

 

 

・・・というわけで、今年は異常な猛暑ですし、今日は40度に達するところもあるというので、インドア派の私は家でswitchをやっている子どもたちを眺めていることにします(昨日、外出先で次女が熱中症で倒れた)。

 

なお、我が家には、クリスマスにはサンタさんが12月7日に発売の大乱闘スマッシュブラザーズを持ってきてくれることになりそうですw


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ダウンロード版で買いたいのだけど、そうすると「サンタさんからのプレゼント」にならないのよね〜(^^;