良質なサービスや商品を提供し続け、信頼を得てブランド力を高める・・・。
多額の広告費用をかけ、ブランド展開をする・・・。
ブランド力を高めることは一朝一夕ではいきません。
しかし、だからこそ、ブランド力が高まると、消費者の購買意欲をそそります。
そして、同時に湧き上がってくるのが模倣品問題です。
偽ブランドや模倣品、レプリカ、非正規品などと呼ばれる有名ブランドの偽物対策は有名ブランド保有者にとっては頭痛の種です。
もちろん服飾関係のブランドではなく、飲食や不動産サービスなどどんなブランドでも模倣者が現れると困ります。
しかし、ここでは、いわゆるブランド品と呼ばれるハイクラスブランド製品について話を進めたいと思います。
Philipp Pleinの例
Philipp Pleinというドイツのハイクラスブランドをご存知でしょうか。
すごくかっこいいデザインです。
ただ、お値段はそれなりにします。
上で紹介したジャケットは30万円程度ですが、コートは70万円を超えますし、普通のシャツやジーンズでも数万円します。
ドイツの若者の間では憧れのブランドの一つです。
人気があるということは、模倣品も売られているのでは・・・?
そうです。たくさんの模倣品が作られています。
インスタグラムではフェイクのPhilipp Pleinを着ている人の写真がたくさんアップされています。
これを目撃し、怒ったPhilipp Pleinは暴挙に出ました。
なんと、フェイクのPhilipp Pleinを着ている一般人を自身のインスタグラムにアップし、「こいつは偽物を着ている」とか「カッコつけているけど着ているのはフェイク」「模倣品を買うのは深刻な犯罪!」と責めているのです。
ありえないっ(@@;)
マジありえねっす・・・。
やるのか・・・そんなことするのか・・・。
相手は一般人やで・・・。知らずにフェイクを買ったのかも知れへんやん・・・。
肖像権とか何も考えて無いん・・・?
やめてや・・・
一般人を晒すなんてありえへんわっ!!
・・・すみません。興奮しすぎました。
ドイツの法律では「模倣品の購入」は犯罪ではありません。日本でもそうです。
「模倣品を売る」とか「売るために所持する」のは犯罪になるのだけど、「模倣品を買う」だけ、「模倣品を着る」だけなら犯罪じゃないんです。
それを、確かめもせずに感情に任せて犯罪者呼ばわりするなんて・・・。
やり過ぎです。
気持ちはすごくわかります。
模倣品を売られたり買われたりするのは嫌でしょう。
でも、悪いのは売った人です。
買った人は逮捕されるほどの罪を犯していません。
(麻薬だってそうだよね。買う人ってどっちかというと被害者だと思う・・・)
これ、ドイツで炎上するのじゃないかなと思っています。
責めるなら模倣品を造ったり売ったりする人だけにして・・・。
一般の人が可哀想過ぎるから・・・。
エルメスの高級志向戦略
さて、今度はハイクラスブランドの代名詞とも言えるほど有名なエルメスについての話をしたいと思います。
少し前に、エルメスのCEOだったか誰かが(忘れた)「エルメスは富裕層のためのブランドである。誰でも気軽に持てるものではない。原点に帰ろう」という趣旨の発言をしていました。
皆が持っていると、単なるファッションに成り下がり、選ばれた者しか持てないという特別感を失わせ、富裕層の支持を失わせてしまうからでしょう。
確かに、オーケーバブリーな時代(ここからのBGMは『ダンシング・ヒーロー』、バッグダンスは登美丘高校ダンス部、司会は平野ノラさんです。)には女子高生でもヴィトンのバッグなどを持ち歩いていました。
女子高生たちはブランドもののバッグを持つことにより自分も高級な人間になったかのように錯覚して楽しめます。
しかし、富裕層やハイエンドブランド保持者から見れば、彼女たちは目障りな存在です。
憧れるだけにしてほしいのに、富裕層ではない人間がステータスとしてのブランドバッグを持ち歩くのは苦々しいと思っています。
また、高級バッグを買うために援助交際をするといった社会問題も引き起こしましたし、とりあえず外観だけ似ていればいいということで、偽ブランド品が横行しました。
このように「持つべきではない人がブランドバッグを持つ」ということは、不幸を生み出してしまいます。
だからといって、「このブランドは富裕層のためだけのもの」と言い切るのもなんだか寂しい気がします。
お高く止まっているように見えてしまうからでしょうか。
でも、エルメスならそんな発言も許せるというエルメス支持者の気持ちさえ掴んでおけばハイクラスブランドは安泰なのかもしれません。
ここら辺は難しいですね。
まあ、エルメス級の高級ブランドなら高飛車発言もOKだと思います。
そして、高級ブランドの「見せびらかし」は富裕層がやって、お金が無い人たちはデザインの優れた手頃な価格のバッグを使うというように棲み分けがされるというのが理想なのでしょう。
そして、「お金が無くても借金してでも欲しい!」と思わせてしまうのがブランドバッグの力なのでしょう。
なお、安いファッションもそれはそれで若者の支持を得ることができます。
特に最近では、バブリー世代とは違って、出世とかお金に執着しない若い人が増えてきたため、ブランドバッグはもらえるならほしいけどお金を出してまで欲しくないという価値観の人が増えてきました。
すると、自然に高級ブランド品とコスパの良いブランド品との棲み分けが出来る様になるのかもしれません。
まあ、若者といってもいろいろな考え方の人たちがいますから、皆が皆「安いのでいいよ。苦労してまで高いものいらないよ」という考え方ではないのでブランディングやマーケティングというものは簡単ではないのですが。
高級ブランドバッグを欲しがらない人が欲しがる高級ブランド品
ちなみに、最近では「高級ブランドバッグなんていらない」という人たちでも、あえて高級ブランド品を買うという現象が起きています。
さて、その高級ブランド品とは何でしょう?
これについては実際に現場を見たり自分が購入者の立場でないとわからないかもしれません。
私も現場を見て高級ブランドを買う人たちの気持ちが理解できました。
答えは、明日ご紹介いたします。