『TeaCoffee』事件とネットの反応について思うこと

お茶とコーヒーを混ぜた商品「ティーコーヒー」の商標権者であるエーゲルさんがアサヒ飲料さんに3300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が出ました。

請求棄却(アサヒ飲料さんの勝ち)でした。

 

”商標の文字部分である「TeaCoffee」は、商品の品質か原材料を示すに過ぎず、文字のみでエーゲルの商品を示すとまでの認識は得られていない”ためです。

つまり、2社の商標に共通するのは文字部分のみで、類似性は認められないと判断されました。

 

この事件が話題になったときに私が考えていた結論とおなじでした。

以前このブログで書いた記事「アサヒ飲料vsエーゲル」

 

特に複雑な問題ではなかったので、知財関係者なら多くの人が似たような結論を出したかと思います(審査時・裁判時共に)。

 

この事件について怖いのは、エーゲルさんがアサヒ飲料さんを訴えるという話題が持ち上がったときに、ネットでアサヒ飲料さん叩きが起こったことです。(詳しくはこのブログの過去記事で)

 

SNSでは、「大手が弱小をいじめるな!」「アサヒ飲料は恥を知れ!」というようにアサヒ飲料さんはかなりバッシングを受けていました。

 

これは、「大手はなんとなく悪いことをしているイメージ」「弱者に味方をしたい」という気持ちから現れた、「根拠のない主張」です。

 

こういうことは、SNSではよく見られます。

 

たとえば、ジェンダーに関することだと感情的になって反応してしまいやすいので、法律とは関係ない感情論だけが飛び交ってしまいやすいといえます。

 

SNSで感情を発散させている人の中には、いいね欲しさにわざと感情的なニュースに飛びついて無責任な発言をしている人が見受けられます。

彼らは、自分の間違いが指摘されても謝罪せずにそっと違う話題に鞍替えして、また騒ぎ立てます。

このようなやり方をすれば、友達やフォロワーを集められるでしょう。

そして、そういう人をフォローする人は、自分で考えることのできない人です。
ものやサービスを売りつけるには最適でしょう。
自分で判断しないのですから。

 

専門的な事柄に関して素人が考えを述べてはいけないと言っているわけではありません。

専門外の人間からの助言が大きな助けとなることはよくあるからです。

 

しかし、他者を誹謗中傷する場合には、一歩踏みとどまってから考えてみると良いでしょう。

特に法律のようにある程度の時間をかけてじっくりと学ばなければ理解できないことを感情で判断しても頓珍漢な意見にしかならないことは想像に難くないでしょう。

 

自分の置かれた立ち場(性別、従業員etc…)からだけ物事を見て感情的に他者を糾弾するよりも、一瞬留まって、専門家の判断を待ってみるのも良いのではないでしょうか。

(繰り返しますが、専門外の他者の意見は役に立つことが多いのもまた事実なので、発言は大いにしてほしいと思います)

 

そして、他者を誹謗中傷してしまった場合には、「謝る」ということをしてもよいと思います。

 

・・・というか、悪いことしたら謝ろう!!w

特に、SNSでは友達を単なる感情論で個人攻撃するのは駄目だよ!それはイジメ!相手が大人でも同じ。

見てられないわっ!

・・・でも、相手が本当に悪いことをして、それについて謝罪もしないでごまかして逃げ続けている場合には責任を追及しても良いでしょう。

そうしないと悪人をのさばらせることになりますからね。