海賊版サイト「漫画村」運営の主導者である星野路実容疑者(27)が著作権法違反容疑で逮捕されました。星野容疑者は、身柄を拘束されていたフィリピンから日本に強制送還されています。
星の容疑者が言いそうなこととして、以下の様な主張が考えられます。
・サーバーは海外だから問題ない
・漫画村があることによって得をしている人がいるから漫画村の存在は善
・他の人もやってる
順番に反論していきたいと思います。
サーバーは海外だから問題ない?
漫画村では運営側がしつこく「サーバーは海外だから問題はないクマ」と発言していました。
しかし、この主張には正当性がありません。
ファイルローグ事件で既に東京高裁が判決を下しているように、たとえサーバーが海外でも日本からアクセス出来るのだから違法性阻却事由になるわけがありません。
サーバーが海外だから問題無いというのは星野容疑者の詭弁です。
漫画村があることによって得をしている人がいるから漫画村の存在は善?
これは、子供などお金をあまり持っていない人が自由に漫画を読めることになるので良いということです。
そして、この理論には穴があります。
すなわち、「自分が権利を持っていないものを勝手に他人にあげることは不当」です。
有体物で考えるとわかりやすいのですが、たとえば雨が降ってきたときに駅で隣にいた人の持っている傘を奪って別の人に「はいどうぞ」と渡すことはおかしいのです。
善行をしたいのなら、キオスクで売っている傘を自分でお金を出して買ってそれを渡せよという話になります。
たとえ、利益を受ける人がいても、不利益を被る人がいる限り、純粋な善行とはいえません。
ただ、「利益を受ける人がいる」「不利益を被った人との因果関係は100%ではない(=有料なら最初から読まないユーザーも存在する)」という点に着目するとビジネスチャンスが見つかります。これに関しては面白いので、次回に考察してみたいと思います。
他の人もやってるからいい?
赤信号皆で渡れば怖くないの理論ですが・・・悪いことは悪いです。規模は小さくても著作権侵害は犯罪ですのでお気をつけて。
というわけで、星野容疑者が主張しそうなことに対し予め反論してみましたが、「違法アップロードは駄目!」だということを学びモラルを身につけた人もいる一方、「バレなきゃいい」と考える人もいそうです。
むしろ後者は未だにたくさんいそうです。お金の前にモラルを失う人なんてたくさんいますからね。法律家でさえそうなのですから。
そうであるならば、漫画家や出版社サイドは、ユーザーのモラルに任せるだけではなく、新たなビジネスモデルを模索しなければいけないでしょう。
以前も書いたことがありますが、公式が自ら無料で漫画を公開していくのも良いと思います。
ではまた。
少年ジャンプの人気コミック「銀魂」は紆余曲折あってアプリ配信で最終話を無料公開しましたね。今でも無料かは知りませんが。
いわゆる公式の漫画アプリだと第1巻と最新巻だけ無料というケースが多いように感じます。漫画村に動かされたという側面は否定しきれませんね。
マーケティングの一環として一部無料というのは良いですよね。それを契機にして他のコミックスやグッズを買ってくれるなら十分ペイしますから。
そして、漫画を無料公開するのは無関係の第三者ではなく出版社や漫画家本人であってほしいです。