*この記事は数年前に下町ロケットが放映されていたときに書いたものです。

 

下町ロケットの主人公佃航平は、財前部長の父親と同じように中小企業のワンマン社長です。

 

特許権を売却すればみんな安心して仕事に励めるのに、自分の夢を優先して、社員を悩ませます。

 

しかし、「技術バカ」である航平が財前部長の父親と違うところは、「憎めない」というところです。

 

二人共ワンマンで会社を窮地に追い込みますが、航平の方は、社員のことも気にかけています。

一方、財前の父親は、自分のことしか考えていません。

 

どちらもわがままであることには変わりはないのですが(梨奈も航平に「お母さんと同じ。自分のことしか考えていない!」と言っていましたね)、航平の場合は名誉だとかお金よりも仲間と開発することに喜びを見出し、少年の心のままで大人になってしまったので魅力的なのでしょう。

 

実際にはこんな少年の頃の夢をずっと持ち続けることは困難ではあると思います。

 

大学を卒業し、就職するときには「人々のために頑張るんだ!」と希望に燃えていたのに、社会人になって三年もすると、当初の夢なんか忘れてしまうのが通常です。

 

そんななかに、同窓会で三年前の志を持ったままの人が現れたら、引かれてしまうでしょう。

 

「お前、いつまでも青臭いままだな。大人になれよ」

 

そうして、夢と希望を胸に秘めた少年は社畜に成り下がるのです・・・。

 

 

しかし、お金や名誉といったものを捨てて夢に向かって生きるのも素敵です。

 

皆、本当はそうしたいのに怖くて出来ないから航平の生き方に憧れてしまうのでしょう。

 

キレイ事でなく、これからの日本には航平のようにいつまでも少年の心を持った人が率いる中小企業が必要だと思います。

 

なぜなら、イノベーティブな発明は、中小企業で生まれることの方が多いからです。

 

大企業は潤沢な研究開発資金を投入してセオリー通りに研究開発をするので当たり外れがない一方、資金の限られている中小企業は、トップが惚れ込んだ技術に「もう君しかいない!」とばかりに全て(時間もお金も愛も)をつぎ込んでとんでもないものを創りだすことが多々あるからです。

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航平が生み出したステラやバルブの発明のように。

 

大企業はノルマ出願(発明者の苦労に報いるために形だけ出願したり、一定期間内にいくつ出願というノルマが課せられている事が多い)のようなものも多いので大企業の特許出願だからといって優れているということはありません。

 

事実、資金の限られている中小企業のほうが「本当に重要な技術だけ」に絞って特許出願をしてくるので、中小企業の特許権の方が調べる価値があるくらいです。

 

「リスクをとらないのはビジネスではない」

「君には夢があるか?」

 

航平の言葉が胸に突き刺さった人は、心の中にくすぶっているままのあの熱い思いを思い出してください。

 

そして、同じ夢を持つ仲間と共にプロジェクトXのように研究開発に没頭してください。

 

きっと、これからの日本にイノベーションを起こしてくれるのは佃製作所のような小さな会社です。

 

 

ところで、山崎が過去に大企業に務めていたという話がありましたが、とりあえず形だけ一流大学に入学する、一流企業に就職する、そして3年以内に辞めるという風潮があるような気がします。

 

「大企業に入れなかったからベンチャー企業を始めたのではなくて、能力はあるけどやりたいことがあるから辞めたんだ」という証明になるので効果的ではあると思います。

 

でも、この風潮が行き過ぎるとちょっと怖いなと思います。

 

セラノスのエリザベス・ホームズのように、ドロップアウトとか黒のタートルネックとかジョブズを表面的に真似ただけの人はボロが出ますから。

 

本当に夢を持っている人は、「他人からどう見られるか」なんて気にせず思い切ったことができるはずです。

 

大学を中退したとか菜食主義者であるとか黒いシャツとジーンズを沢山持っているということが成功者の定義ではありません。

 

航平のように「他人の目」を気にせず夢に向かって真っ直ぐに突き進むことが出来る人が本物の愛すべき「技術バカ」なんでしょうね。