弁理士の知名度を上げたいなら、関口特許事務所に協力してもらえばいいんじゃない?

ふと気づいたら一ヶ月ほどブログを更新していませんでした。しかも先月のブログ記事死ぬほどつまらないです。

知財で書きたいネタが無くなってしまったので仕方ないのですが、まあしょうがないですね。飽きちゃったんだものー。
そういえば、最近よく「仕事に飽きた」という知財関係者のお話を聞きます。
だいたい7〜9年くらいでみなさん飽きたと言い始めます。
このブログも始めてから7年経ったわ。そうか、そういうことか。

現在の関心事は全く別のことなのですが、来月には弁理士の日も控えているし、知財っぽいことを書いておこうと思います。

・・・とその前に、私は漫画が好きで昔からよく読みます。我が家は「本はいくらでも買って良い」という決まり(?)があるので、マンガ喫茶を経営できるほど本があります。
ジャンルは問いませんが、青年漫画と少女漫画が多めです。ちょっと古いんですけど、『ファブル』は未だに好きです。キャラクターの喋り方が良いですね。

あと、『のだめカンタービレ』というアニメやドラマにもなった少女漫画があるのですが、これも面白いです。
知らない人のために説明しておくと、のだめというアホ(?)な女主人公(ピアニスト)と千秋先輩(指揮者志望)の音大学生たちが繰り広げるラブコメです。音楽や楽器についての扱いが丁寧なので安心感を持って見ることが出来ます。個人的には男女間の恋愛が描かれる少女マンガは、低年齢の主人公よりも20歳以上(のだめも20歳)の主人公の方が面白いです。

なぜかと言うと、登場キャラクターが若すぎると人間性に深みがなくて単調だからです。
たとえば、小学生の女の子が恋をする男の子は優しくてイケメンだったらそれだけです。ただし、年齢が上がると、表面的には優しくてイケメンだけど実はクズとか、何も気の利いたことを言えないけど家族思いで優しい男(でも付き合い始めたらだんだん変わる)というように実際にいそうな男たちが出てきます。
そして、ライバルの女たちも人によって態度をコロコロ変えるクソ女とか男の前でだけ清純そうに振る舞うビッ○とかが出てくるんですね。

少女漫画で人気が出た作品がドラマ化しやすいのは、心理描写が優れていて感情移入しやすいからでしょう。少年漫画だと派手なアクションが求められるので実写化が難しかったりお金がかかったりします。

いきなり漫画の話をされて面食らわせてしまいましたが、今回は弁理士の日にちなんで『漫画を利用した弁理士の知名度を上げる方法』について述べたいと思います。
正直に言うと、「自分の好きな漫画の布教活動」でしかないんですけどね。

さて、弁理士の知名度を上げる方法についてはいくつか考えられますが、弁理士自らが面白い試みをすることは避けるべきだと思います。
弁理士は真面目な職業なので、そのイメージを崩すことは知名度を上げることとの引き換えに印象を悪くする諸刃の剣となるからです。

たとえば、昔は近接士業の弁護士のマーケティング法としてエンタメ的な手法が取り入れられていました。
しかし、「○○なのに△△」というブランディングは使われすぎて陳腐化し、現在では「○○は△△」という悪いイメージがつきまとっているようです。
一周回って現在では、エンタメよりも真面目さを士業に求めている顧客が一層増したと思われます。

ということで、弁理士のイメージを悪くせず知名度だけ上げるには、弁理士が無理して自ら何かをするよりは他者の力を借りたほうがよいでしょう。

だからといって芸人やアイドル等有名人にPRを依頼すると高額の費用がかかります。そのわりには効果がありません。直接関連性がなさすぎるからです。言い換えれば、そこに愛はないからです。

となると、消去法で残った方法としては、
1.創作中に弁理士を出す。
2.1をメディアミックスにより周知させる。
この方法がよいと思います。弁理士会の費用負担は少なく、エンタメとして大きな効果を挙げられるからです。

上述した「弁理士自身によるエンタメ」ではなく、「弁理士がエンタメに使われている」という構図です。

既に小説や漫画としていくつかの作品が出ています。
ただし、弁理士が出ていれば何でも良いわけではありません。『僕は愛を証明しようと思う。』(恋愛工学の漫画版)は弁理士の悪いイメージを増幅する作品なので不適切なのではないかと思います。

個人的に一番良いのは『にこたま』だと思います。これは10年ほど前の作品ですが非常に秀逸なエンタメだからです。

上述したように、少女漫画は心理描写に優れています。また、安価にドラマ化できます。
この漫画を原作としてトレンディドラマにすれば弁理士の知名度アップに多大な貢献をしてくれるのではないかと思います。そして、韓国でもドラマ化され、日本と韓国で特許弁理士ブームが巻き起こるのです!(アクションは無いのでハリウッド映画化はしません。残念!)

この漫画をお勧めする理由は、『下町ロケット』と同様に、弁理士や知財弁護士ではない人が弁理士を描いている点です。
弁理士を知らない人に弁理士を知ってもらうには、その道のプロでは無い人の視点が必須です。

専門家の書いた作品は細かいところまで配慮が行き届いていてとても面白いのですが、専門家ではない人が書いた作品の方が着地点が一般向きになります。この作品も、もし弁理士が書いていたら絶対にラストは違ったものになっていたはずです。また、途中のエピソードも必要以上に詳しく書いてしまったと思います。(書くとネタバレになってしまうので書きませんが、突っ込みたくなります。)

とはいえ、私はこの作品を読んでいる最中には作者の渡辺ペコ先生は弁理士なのではないかと少し思っていました。弁理士という職業に嘘くささが無いからです。
特許事務所に見学に行ったり弁理士から入念にヒアリングをしたんだなということがわかります。

主人公の彼氏が弁理士なのですが、思い出話の中の彼は弁理士試験受験生だったり、勤務先ではしっかりと特許関係の本や商標法概説っぽい本が飾られていたりと芸が細かいです。
あと、彼氏は機械分野の明細書を書いているんですね。先輩の色気のない女性弁理士から指導を受けているのですが、この女性とたった一度だけ酔った勢いでいたしてしまいます。
で、できちゃった。

この事実を彼女に告白するときに「俺、子供できちゃった」というシーンがそれはもう秀逸です。
よく人間観察しているなーと唸ってしまう作品ですのでぜひご覧あれ!

ちなみにこの作者さんこのパターンが多くて、性格の良い女主人公、ちょっと駄目なイケメンではない彼氏(夫)、浮気女がよく出てきます。
今回の浮気女に当たるのが女性弁理士なのですが、彼女は他作品とは異なり嫌な感じがしません。弁理士だし金あるし自分一人で子供育てていくよって、まあ無茶苦茶だけどいいですね。他の作品の女はただの浮気なのでどうでもよいのですが、この女性弁理士の生き方はとてもドラマ向きです。そして、彼女こそ裏の主人公です。

でも、女性弁理士が主人公になったら弁理士が目立ち過ぎてしまうので駄目なんです。あくまでも弁理士は裏方です。実際の仕事も裏方であるように。
弁理士はお客様が輝くように後ろで支えてあげる存在です。自分自身が輝く必要はありません。

あ、大事なことを書き忘れていた。

事務所にアダルトビデオ作っている人がお客さんとしてきて、アダルトグッズの特許出願をするシーンがあるのですが、このシーンを見て私は特許法32条(公序良俗違反)が頭に浮かんでしまったんですね。
今はアダルトグッズも特許されますが、昔は駄目だったじゃないですか。
吉藤とかははっきりとそう書いていましたよね。
この漫画が出版された頃ってまだアダルトグッズは特許されなかったんじゃないかなと思います。

でも恐らく機械系弁理士に裏をとってOKもらっているだろうから特許されたのでしょうね。しらんけど。
そう思わせるくらいリアリティのある作品です。

ちなみに、私は主人公の彼氏(弁理士)が好きではないので、ラストは彼氏弁理士とサレ弁理士が結婚して夫婦で開業して・・・という展開が良かったです。(というか、私がこの漫画を書いていたら暴走してそういうラストにしてしまったと思います)

最後になりますが「セキグチ特許事務所」というのは、現実に存在する特許事務所ではなく、『にこたま
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