弁理士試験の勉強法

弁理士試験の勉強法は千差万別であり、合格者に聞くと、その人によって答えが違います。

そのため、これから弁理士試験の勉強をしようとする人は、自分と近い環境で受かった人の話を重視すると良いと思います。

 

たとえば、時間がたくさんある学生や子供のいない主婦と社会人とでは勉強法が異なります。

 

さて、ここからはどのように勉強すればよいか説明してみたいと思います。

 

独学するか受験予備校を利用すべきか

独学でも十分に合格は可能です。昔は情報が出回らなかったので独学は不可能でしたが、あらゆる情報がネットで飛び交う令和の時代には検索能力があればどうにかなります。

ただし、効率的かどうかというと疑問です。

そのため、入門コースは受験予備校を利用しても良いかもしれません。

大手の方が安心出来るでしょう。
とはいっても、大手は高すぎますね。
入門書数冊分(一冊3000円として5冊で15000円)の内容が数十万円なのですからちょっと高すぎます。
入門書を読むだけで基礎は十分に身につくので、浮いたお金を論文模試に費やしたほうが良いと思います。
私個人は耳で聞く講義よりも、自分のペースで勉強を進められる書籍のほうが好きでした。

これはその人個人の勉強法に合わせて変えれば良いと思います。

 

なお、特許法入門など入門書を読み込めば同じ程度の知識は十分に身につきます。

以下の書籍はどれも読みやすくて入門書としてお勧めです。
本屋さんで中身を見て気に入ったものを購入すると良いでしょう(Amazonでも中身は見ることができます)。

 

ここで紹介している書籍はどれも読みやすくてお勧めなので、購入するとしたら購入時点で最も新しいものにするのが良いでしょう(改正法に対応しているため)。

以下、お勧めする本のリンクはAmazonアソシエイトです。試し読みもできますが、実店舗に行くのも良いと思います。
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勉強のポイントは、とりあえず一通り読んでから何度も読み返すことです。

講義の場合も同じです。
復習を重視して、薄く勉強します。薄く何度も重ねることにより知識を厚くしていきます。

 

場合によっては入門書を二冊以上購入しても良いでしょう。

薄い知識を厚く塗り重ねるためです。

入門書はどれも良質なのでコスパ抜群です。

 

二冊目の入門書を読むときには、法文集を参照しながらにすると良いでしょう。
初めて条文を読んでも頭が???となってしまうでしょうが、一度全体像がわかると、条文も理解できるようになります。

特許法が済んだら次は意匠法や商標法に移りたいところですが、まずは特許法の知識を強固なものとします。
なぜなら特許法こそ知的財産権法の基礎だからです。

短答と論文どちらの勉強をするか

入門レベルから中級レベルに移る時は、時期にもよりますが、「まずは短答合格」と考えることもあるでしょう。

始めた時期によって考え方は変わるでしょう。

一発合格を目指さないのなら直前時期(3月くらいから)でない限り短答の勉強はしなくて良いと思います。

一発合格を目指して半端に短答の勉強をして効率の悪さから結局3年かかったという人もいます。

 

これについては、こうすれば絶対に一発合格できるという方法もないので効率を重視するのが一番良いと思います。

 

周りの合格者と話して共通しているのは「条文理解には論文の知識が重要」ということです。

短答は条文の枝葉末節を問う問題も多いことから「重要度の低い知識」です。
論文の方が知識として役に立ちます。

 

また、弁理士というものは実務が出来てなんぼであって、一発合格だろうが3年合格だろうが合格してしまえば同じです。

確かに一発合格は自慢できますがそれだけです。一発合格にこだわるよりも総合的なキャリアで上に行けるように考えるべきでしょう。

 

というわけで、できるだけ論文の勉強から始めましょう。

 

たとえば、このような弁理士試験論文式試験過去問の本が出版されています。


また、このような簡単な論文問題集も良いでしょう。

一番大事な勉強法は、必ず根拠条文を確認することです。

弁理士試験は条文理解の試験だからです。

 

この際必ず条文集の目次もチェックします。

四法対照法文集に全ての知識を書き込むのも良いでしょう。

なおこちらのノートが使いやすいようです。

 

この際、初めて勉強するときはあえてマーカーを使わないでください。

なぜなら、知らないことばかりで全てがマーカーだらけになってしまうからです。

 

条文集には二回目以降の勉強のときにマーカーを引くようにしましょう。

なお、ある程度勉強が進むと、どうしても飽きてきますし、このままの勉強法で良いのだろうかと心配になるでしょう。

そんなときは問題集を持って先生に直接会いに行くと良いでしょう。

 

私も普段はメール対応だけですが、知財の知識の会員様とたまに会って勉強法のチェックなどをしています。

 

勉強仲間は作るべき?

 

勉強仲間についてですが、私自身は仲間と勉強していて皆同じ年に合格できたので、仲間と一緒に勉強したほうが良いと考えています。

 

ただ、デメリットもあります。
自分のペースで勉強しにくかったり、勉強レベルが違いすぎると教わってばかりで申し訳ない気がしたり、合わない仲間がいると精神的に疲れてしまうということです。

 

私は幸い人に恵まれたのでツラい勉強も楽しく学ぶことが出来ましたが、効率性を追求するのならば一人で勉強することも悪いとは限らないでしょう。(私は法学部出身の人が仲間の一人にいたのでその人のおかげで民法に詳しくなりました)

なお、関東の人は関東の人同士で、関西の人は関西の人同士で知り合えるように私がハブになることもあります。
この場合、同じ環境の人同士を結びつけるようにしています。

 

アウトプットの方法

短答

短答試験の場合は、体系別問題集を購入しまずは特許法だけ勉強します。

同じように商標法や意匠法も勉強していきます。

数ヶ月勉強すればこれだけで受かるようになりますが念のため一度くらいは時間を計って解いてみましょう。
受験予備校の短答模試は絶対に参加してはいけません。
時間の無駄だからです。
貴重な一日が潰れます。

論文

 

論文の勉強にアウトプットは必須です。

最初は難しくて手も足も出ないとは思いますが繰り返し学習すればいずれ合格答案を書けるようになります。

 

ある程度勉強が進んだら積極的にアウトプットしていくようにしましょう。

実際の本試験で使われる論文答案用紙も販売されているので購入して、6月7月には本試験と同じように書き込みをしましょう。

もちろん時間も図ります。

 

なお、論文答案練習会には積極的に参加しましょう。

上位になると名前が発表されてやる気が出ますし自分の実力がわかります。

その他の法律の勉強法

意匠法

一度しっかりと特許法を勉強しておけば考え方を類推出来るので意匠法の勉強は非常に楽です。
このような入門書をサッと読み、大体のことを掴めたら、過去問の勉強に取りかかれば良いでしょう。

平成31年度の大改正にはご注意ください。

商標法

商標法を勉強するときには特許法とは頭を切り替えて勉強します。
法目的(商標法1条)に立ち返りながら勉強しましょう。

商標法の場合は、ここで紹介した入門書の他にも、商標法審査基準を特許庁HPでダウンロードして見るのも良いでしょう。

不正競争防止法

非常に簡単かつ「「コスパの良い」科目です。満点をとれるようにしましょう。

 

著作権法

範囲が異様に広く難しいです。
昔は著作権法を捨てることも出来ましたが、今は最低点をクリアしないといけないので、やり込みすぎない程度に勉強しましょう。
不競法と反対で「コスパが悪い」です。

 

著作権法については、入門書を読んでざっと概要を頭に入れてから、弁理士試験に特化したこの本を読んで試験対策をしましょう。
著作隣接権は複雑なので、まずは著作権を押さえます。

とにかくコスパが悪い科目なのでやる気がなくなるとは思いますが、内容的には一番面白いともいえるので、勉強に疲れたら私のブログの著作権法カテゴリーについて読んでみてください(笑)
実際の事件を元にしているので考え方の参考になると思います。