弁理士は弁護士と同じく弁という字を用いています。
この弁の字は、「弁が立つ」というように言葉に関する語句だと思いこんでいました。
ところがこの前、弁理士の弁の字は元々『辨』と書き、弁護士の弁の字は『辯』と書くのだという由来を聞きました。
辯護士の「辯」には真ん中に言偏が入っているように、言い開くという意味です。そして、護は訓読みで「守る」であるため、辯護士は、「言葉を駆使して守る者」という意味になります。非常に納得できます。
一方、辨理士の「辨」の字の中央には「リ」があります。これは「刀」を意味し、刀を持って二つに分ける→「物事の区別を見分けること」という意味を有します。
そして、「理」の字は訓読みで「ことわり」であり、物事の筋道や条理という意味を有します。
ところが、この「理」の字にはもう一つの意味があります。
文字自身から、璞(あらたま)を磨いて美しい模様を出すことを意味するそうです(Wikipediaより)。
「弁理」の語の意は「物事を判断し処理すること」と言われていますが、
辨理士とは、発明を発掘し磨き上げるというその仕事内容から、道理を辨(わきま)え磨き上げる者であると考えたいなと思いました。
辨理士の辨の字は見た目がカッコイイけれど、「理」の字と合わさってこそかっこよさが出ますね。
ところでこの話、この前行われた第一回目の弁理士試験対策のゼミで講師の一人が話した内容です。
元々彼に依頼する気は無かったのですが、「役に立つ話をするから」というので依頼しました。
でも私としては特許出願の流れについて話してほしかったんです。ゼミ生の中には実務家さんもいらっしゃるため、実務でも役に立つ話をしてくれるなら・・・と思ってお願いしたんです。
ところがいきなり語源の話を始めるので「??」と思っていたのですが、受験生のモチベーションアップのためには必要だったのですね。
なお、特許出願の話についても質疑応答の中できちんと話してくれました。
受験生によっては苦手だったようで、弱点が焙り出されて良かったです。
実務家さんの一人は法律知識はまだそんなに無いはずなのですが、講師の質問に自分なりの考えを述べていましたね。ああいうタイプの人は飲み込みが早いのですぐに受かりそうです(なお、彼は講師の所属する会社名を当てていた感の良い子なので困りますw)。
まだ初回だったので皆さん自分の意見を述べることには慣れていらっしゃいませんでしたが、どんどん発言をしてどんどん知識をアップデートしてほしいなと思いました。
メインの講師が5分くらいしか話をしていないし私も業務連絡をしに現れただけですが、良い雰囲気の方たちばかりだったので切磋琢磨して頑張ってほしいと思いました。初対面で人に好かれるタイプの人たちばかりなので受かった後にクライアント受けが良いだろうなーと思いました。快活な方もいれば穏やかで終始優しげな表情の方もいらっしゃり、辨理士になる前から輝いている人たちばかりですが、さらに知識を磨き上げて来年にはこのうち何人が辨理士になるのか今から楽しみです。