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味の素が、子会社である味の素ゼネラルフーヅ(AGF)がライセンスを受け使用している「Blendy」、「MAXIM」、「TRIPLESSO」、「ちょっと贅沢な珈琲店」、「ティーハート」、「新茶人」等の商標を現商標権者であるジェイコブズ・ダウ・エグバーツ社から買い取ることになりました。

 

商標権の移転申請は今日(2016年11月1日)行われます。
この記事を書いている段階では、まだ商標権者はコーニンクレイケ ダウ エグバーツ ビー.ヴイ.となっています。

 

取得額は約259億円です。これは、味の素が2015年4月に米国モンデリーズ社の保有株式を買い取ってAGFを子会社にしたときにかかった金額(約270億円)に匹敵する額です。

 

これだけの金額をかけて商標権を買い取る必要があったのかという疑問もありますが、これは商標戦略的にはどうなのでしょうか。

私、福田の個人的見解としては、長期的に考えれば259億円かけるだけの価値のある投資だと思います。

 

なぜなら、ブレンディ商標等は日本でも有名俳優を起用して昔から大々的にCMを流しており知名度は高いですし、イソジンの例https://iphappy.com/blog/isodine-brandのようにある日突然商標権者が商標をライセンスしてくれなくなる可能性もあるわけですから、その恐れを払しょくするためにも商標権は自分のものとしておいたほうが何かと安全です。

また、自分が商標権者となれば他社にライセンスすることもできますから、仮にコーヒー事業から撤退することを決めたとしても、商標をライセンスすることによりロイヤリティ収入を得ることができます。

また、長く使い続けることにより商標権の価値はもっと高くなるでしょうから、商標権を売却しようと思ったときには値段が買値より高くなっている可能性もあります。

さらに、類似の商標を取得しようと思ったときに、商標法4条1項10号、11号等の規定の適用を気にする必要がなくなります。
ですから、新商品の発売前にも心置きなく関連商標を取って権利を守り固めるということも自由にできるようになります。

その他にも商標権者になることによるメリットはいろいろあるので、短期的に見ると確かに高額すぎるように見えますが、良い買い物だったと思います。

ところで、「コーヒーギフトはAGF♪」ってCMでよく聞きますが、AGFって味の素ゼネラルフーヅの略だったんですね。知りませんでした(^^; どこか外国の会社だと思っていましたよ。まあゼネラルフーヅは米国の会社ですが・・・。