はるか夢の址やフリーブックスに続き漫画村が閉鎖に追い込まれそうです。
漫画村が自ら「コピーサイト」を称しているように、コピー=複製をすることは明確な著作権(copy right)侵害となります。

 

もちろん漫画村が侵害しているのは複製権だけではありません。複製権は著作権の支分権の一つに過ぎませんから。

 

それにしても漫画村といい、はるか夢のあとといい、違法サイトは叩いても叩いても現れます。
これらのサイトが合法化されることはまず無いでしょうが「著作権者が権利行使を諦める」ということは起きそうです。

 

 

さて、以前は著作者や出版社達が猛反対していたのに今では普通に存在している中古本や中古ゲームソフトを販売しているブックオフというチェーン店があります。

 

全国展開するチェーン店であるため、著作者たちは新刊が売れなくなると危惧しました。

 

しかし、蓋を開けてみれば新刊は売れなくなることはありませんでした。

 

 

というわけで、漫画村の存在も同じように考えて見過ごしてあげれば・・・という意見も出てきそうですが、ブックオフと漫画村を同じように考えることはできません。

 

決定的な違いがあるからです。

 

ブックオフと漫画村の決定的な違い、わかりますか?

 

頭の体操になるので、少し考えてみてください。

 

 

・・・

 

 

答えは、アナログと電子の違いです。

有体物と無体物の違いと言ってもいいでしょう。(ちなみに知的財産権は別名「無体財産権」ともいいます)

 

 

ブックオフの場合は、「有体物」を売買します。

物は劣化しますし、無限ではありません。ほしいときに店舗にないということもよく起こります。
すると、どうしても抜けた分を読みたい人は、足りないコミックを新刊で買い足すということもします。これにより新刊の売上に繋がります。

 

ここで、「消尽論」という知的財産の世界で良く使われる理論をご紹介したいと思います。

 

これは、「一度販売者の手元を離れたものは、そのまま転々流通することができる」という理論です。

たとえば、農家の人が野菜を問屋さんに販売し、その後問屋さんが街のスーパーや八百屋さんに転売することは当然に行われる商行為です。

それと同じように、知的財産権がある製品をそのままの形で転売することは許されます。
(かなり端折って説明してしまったので、もうちょっと知りたい方は私の別サイトを御覧ください。特許権の話ですが。)
海外で買った商品を転売しても大丈夫?
並行輸入

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コミック等はインクジェットプリンタのトナーに詰め替えるというように何か手を加えられるわけではなく、そのまま古本屋に売られるわけですから、再生産に当たるということもありません。また、昔から古本屋というものは存在し、需要と供給を満たしていたわけです。

そして、中古市場に出回る本の数は限定されています。

 

一方、漫画村のような違法サイトに漫画がアップロードされた場合はどうでしょうか。

 

「有体物」をブックオフで売ったときと違い、一度アップロードされた漫画はそのままの状態で誰でも半永久的に閲覧可能となってしまいます。

また、電子媒体として一度流通してしまうと、無限に増殖を続けますし、アナログの本と違い劣化しません。
何万人が読もうが劣化しないのです。

(ちなみに、当たり前ですが、友人と漫画の貸し借りをすることは違法ではありません。何十人の友達と貸し借りしてもです。有体物を扱っているだけですから。

しかし、マンガをパソコンやスマホで閲覧するような状態にしてそのファイルの存在を何十人もの友達に教えると著作権侵害となります)

 

このように、有体物と無体物は同じように扱うことは危険です。

 

しかし、無体物は「権利を侵害することが非常に容易」です。

 

だって、ネット上で見つけた画像をコピーしてブログにのせたりスクショをTwitterにアップということは罪の意識もなく気軽に行われていますよね。

 

では、著作権教育が浸透していない現在で漫画村のような違法サイトの存在はどのように考えれば良いのでしょうか。
ブックオフと同じように考えて「見過ごして」しまえばいいのでしょうか。

 

もしそんなことをしたら、全く関係のない人が大金を得られるというおかしなことになってしまいます(実名が報道され服役する覚悟があれば漫画村のようなサイトの運営をしてください。相当儲かるので、服役後もお金には困らないでしょう。嫉妬と軽蔑から犯罪に巻き込まれる可能性は高いでしょうが)。

 

違法サイトを放置すると、普通の経済活動を阻害してしまいます。

 

ですから、私は昨日の記事でも述べましたが、「公式で無料公開サイト」を早々に作ってしまうべきだと思います。

著作権者や出版社がやりたくなくても仕方ありません。
そうしなければ、漫画村のようなサイトが増殖するだけです。

 

出版ビジネスはビジネスモデルの変革を求められています。

痛みを受け入れてまず最初に無料公開サイトを作るのはどこの出版社でしょうか。