米国バイパス継続出願とは

今日は朝から震えております。決して寒さのせいではありません。
娘の学校のPTAの役員選出会議があるからです。
でも、逃げてばかりではいけませんね。立ち向かう覚悟もしておこうと思います。
「決定した場合”異議申し立て”は許さない」と書かれているので完全強制なんですけどね・・・。

さて、PTAのお話はこれくらいにして、先ほどご質問をいただきましたので、PCT国際出願の話をしようと思います。

 

【質問】PCT出願をして、国内移行手続きのときにデータを追加したら新規事項の追加になりますか?

【解答】USのバイパス継続出願なら大丈夫です。

皆さんご存じのように米国に特許出願をするためには、直接USPTOに特許出願を行うという方法以外に、PCT制度を利用することもできます。そして、PCT出願(国際出願)をした後に米国に特許出願を行う際には、国内移行手続をする・・・とお考えになると思いますが、米国の場合だけは例外的にバイパス継続出願制度も利用できます。
(バイパス継続出願を行う場合も、優先日から30ヶ月以内に出願)

正規の国内移行手続では明細書等を訂正するためには別途補正書が必要となりますが、バイパス継続出願の際には、訂正内容を反映した状態で出願を行うことが可能です。(通常の出願と同様に優先権証明書を提出する必要がありましたが、2007年規則改正によりその提出は不要になりました)。

ちょっとわかりにくいですか?
では、このように覚えてください。

バイパス継続出願とは、要するに国内優先権のようなもの。

 

ご納得いただけたでしょうか。

というわけで、本日は、「アメリカだけは変わった制度があるね」というお話でした。
弁理士試験にはさっぱり役立ちませんが、これで実務上の疑問は解決したと思います。

なお、バイパス継続出願で新規事項を追加する場合、自らの出願の公開内容のせいで追加した内容が進歩性違反等と判断されてしまう可能性があります。
したがって、PCT国際出願の優先日から30か月ではなく18か月以内に米国への国内移行処理(バイパス継続出願)を行うことが望ましいです。

蛇足ですが、PTAは上の子のときにやっておくと下の子のときの免責理由になるのでやってもいいかと思い始めています。