Twitterでフォロワーを増やしたい人が注意すべき著作権

Twitterでフォロワーを増やす簡単な方法の一つとして「著作権侵害」をすることが挙げられます。

「拾い画(ネット用語)」だからOKという独善理論によって、バズった画像や動画、有名人の画像、珍しい風景などを自分のアカウントで投稿します。すると、その画像や動画の魅力のお陰で簡単にフォロワーが増え、いくらでもRTやいいねを稼ぐことができます。

匿名アカウントによる著作権侵害の場合は、最悪アカウントを消して逃げるという方法があるので気にせず著作権侵害をしている人も多いようですが、悪質性がある場合には過去の責任を追及される危険性は大いにありますのでたとえ匿名でも著作権侵害をすることは推奨しません。
特に、過去にした著作権侵害は、忘れた頃にネット民から追及され有名になった後に大ダメージを受ける危険性があります。

真面目なツイートをしている人でも、「引用の要件を満たさずに他人の画像や動画を無断利用」したり「他人の書籍やウェブサイト等から文章をそのまま抜き出して、てにをはを変えて使っている」という例はよく見かけます。
内容がポジティブで人々を元気づけるものだったとしてもやっていることは著作権侵害です。
過去に、「外国のフェアユース」の例を持ち出し、そこで権利者の人格を傷つけるようなパロディは駄目、政治批判に関しては許されることが多いという考え方をご紹介したことがあります。
海外のフェアユースではそのような考えをするのですが、日本の著作権法も同じように考えて気楽に使えばいいやと考えていると危険です。

「自分を奮い立たせるため」「備忘録として」読んだ本から文章を抜き出しているという人は、自分しか見ることの出来ないデジタル日記でやった方が無難です。

”単なる”風景の写真や”可愛いだけの動物”のありふれた写真だから使おうと思っても、「単なる風景」「ありふれた写真」と思っているのは利用者であって、著作権者はそうは思ってくれません。どれも財産的価値のある大切な写真です。
「バズって有名な写真だから自分も使って大丈夫だろう」なんて思い込むのは危険です。
他人が時間をかけて撮っている写真に対価を払うのは当然です。
以前、法律事務所が有料写真を無断で利用していたという事件もありました。法律家でも引用の要件を満たさずにノリでツイートしてしまうことがあるでしょうから注意が必要です。

使いたいならお金を払うか無料写真だけを利用すべきです。(なお、この記事の画像は無料写真です)

写真や絵画、動画、音楽には、創った人の著作権、被写体の肖像権が存在します。適切な「引用」を行わない限り、著作権者の許諾無くツイートに利用することは著作権侵害であるという意識を持ってください。
最近はあまりにも著作権侵害がありふれているために麻痺してしまっているようですが、一人ひとりが気をつけることによって取り返しのつかないほど拡散する前に消す事ができます。

凄く太っている人や変な表情の人は、それだけで”見た目が面白い”=嘲笑のネタなので、よくネット上で拡散されていますが(特に大喜利で)、それって本人の承諾があったのでしょうか?

肖像権の侵害ではありませんか?
もしあなたの写真が「キモイばか見つけた」とコメント付きでてネット上で使われたらどう思いますか?

人は残酷です。自分の外見のことは棚に上げていくらでも赤の他人を嘲笑できるのです。
知人には言えないようなことも赤の他人には言えるのです。
そして、「傷つくほうが悪い」と開き直ります。

また、有名人の写真もファンだからということで勝手にアップロードしても良いのでしょうか?
それはパブリシティ権の侵害ではないのでしょうか。

他者の著作権を守らなければいけない理由にはその他者の財産権、人格権を保護しなければいけないという側面があります。そして、もう一つの側面は、「安易に著作権侵害をして自分自身の名声に傷をつけない」ためでもあります。
ネットは恐ろしい世界です。
たとえツイートを消しても消す前のツイートをスクショ保存している人がいます。(特に思想信条的に敵対者に当たる人)

そんな人達に絡まれて過去を悔いてももう遅いのです。

自分を守るためにも、ぜひ、他者の著作権(肖像権も)を大切にしてください。