兄弟をいじめる、お片付けしないでゲームばかり・・・。

子供は親の言うことなんて聞かないで好き勝手なことばかりしています。

そのため、親はついつい小言を言いたくなってしまいます。

 

しかし、親の言うことを聞かなくたって、死ぬわけではないし、怒っているとこちらがストレスを溜めるばかりで良いことはないので、気にしないというのも一つの方法です。

 

言うことを聞かないからこそ子供、とも言えますしね。

 

とは言っても、危険なことはしてほしくないですよね。

知らない人についていってしまったり、火や包丁であそんだり、危ない場所で遊ぶということは命にかかわることなので絶対に止めさせたいことです。

 

そこで、私がやってみて最も効果的だった方法をお知らせします。

 

それは、「お伽話にして教訓を教える」ということです。

 

普段から娘が寝る前にはアレンジしたお伽話を話し聞かせているのですが(私はストーリーノベルと呼んでいます)、これから述べる話は教訓になりそうです。

 

他の話は荒唐無稽で教訓にはならないのですが、子どもたちには受けています(^^;

 

[ストーリーノベル] 狼と2匹の子ヤギ(本当は「7匹の子ヤギ」ですが、2人姉妹なので2匹にしています)

 

むかしむかし、あるところに可愛らしい2匹の子ヤギとお母さんヤギが住んでいました。

 

ある日のことです。お母さんヤギは、どうしても出かけなければいけない用が出来てしまったので、子どもたちに聞きました。

 

「ママはお出かけしなければならないの。夕方には帰って来れるけど、あなたたちは2人でお留守番できる?」

 

「出来るよ!」

お姉ちゃんヤギは元気に答えました。

 

「ママは鍵を持って出かけるから、帰ったら自分で鍵を開けるわ。だから、誰が来ても、絶対に鍵を開けては駄目よ。

それから、お届け物が来ても返事はしないでね。」

 

「大丈夫!」

 

「君たちのお母さんが病気で倒れたよ。一緒に病院に行こう!と言われてもついていっちゃ駄目よ」

 

「知ってるよ。そういう嘘つく悪い人がいるんだよね」

 

「よく分かっているわね。それじゃママは出かけるから、妹のこともよろしくね」

 

「はーい、いってらっしゃーい」

 

お母さんヤギを送り出すと、お姉ちゃんヤギと妹ヤギは2人で折り紙を折ったり、壁に落書きをしたり、ピアノの上にジュースをこぼしたりして楽しく遊んでいました。

 

その頃、お腹を空かせた狼がヤギのお家の近くを通りかかりました。

 

「う〜、腹が減ったなぁ。もう3日も食べていない。ヤギの肉でも食べたいなぁ」

 

狼がフラフラと歩いているとヤギの家の窓が目に入りました。

 

そこからは、2匹の丸々とした仔山羊が遊んでいる姿が見えました。

 

「丸々としてうまそうな子ヤギだなあ」

 

狼は舌なめずりをすると、ヤギのお家に近づきました。

 

玄関に着くと、狼は考えました。

「俺の低い声で「家の中に入れてくれ」、といっても子ヤギたちは家に入れてくれないだろう。声を変える必要があるな」

 

そこで狼は近くの百均で売っていたパーティ用の変声缶を買ってきてヘリウムガスをおもいっきり吸い込みました。

 

すると、狼は肺が苦しくなって倒れてしまいました。

ヘリウムガスは声が変わるので面白いのですが、とっても危険なのです。

 

しばらくして意識を取り戻した狼は、苦しげに胸のあたりを抑えながらヤギの家へ向かいました。

 

「ぴんぽ〜ん」

「どなたですか?」

 

「お母さんですよ。鍵を開けておくれ」

 

「あんたの声はアヒルみたい。お母さんの声じゃない。あっちへ行け!」

 

お姉ちゃんヤギはチャイムの向こうで叫びました。

 

お姉ちゃんの声はとても大きくて、狼は耳が痛くなりました。

 

しかし、腹ペコ狼はこれくらいでへこたれません。

 

狼はお手手に小麦粉を付けて真っ白にし、更に爪にマニキュアを塗って窓の隙間からそっと手を差し入れました。

 

「本当にママよ。見て、このおてて」

 

「お手手は白いけど、爪が長くてキラキラしているじゃない。

あたしのママは爪はちゃんと切っているし、ネイルもしていないわ!

ネイルをするのはこの家ではあたしだけよ」

 

そう言ってお姉ちゃんヤギは狼のお手手をスリッパでベシっと叩きました。

 

ゴキブリ退治に使われるスリッパで叩かれた狼は泣きべそをかきながら手を引っ込めました。

 

しかし、これで諦める狼ではありません。

 

狼はサンタさんの格好をして、屋根に登りました。煙突から侵入しようと考えているのです。

 

それを感じ取った賢いお姉ちゃんは、急いで隠れることにしました。

 

さて、どこに隠れたでしょう?

 

「・・・テレビの後ろ!・・・じゃなくて、テレビの中!」

 

テレビの中(娘がどういうつもりでテレビの中、と答えたのかはよくわかりません)に隠れたお姉ちゃんヤギと妹ヤギは息を潜めて狼が煙突を下ってくるのを見つめていました。

 

「メリークリスマス!」

サンタに扮した狼はにこやかに挨拶をしました。

 

しかし、何の返事もありません。

 

「おや、子ヤギたちのやつ、どこにいったんだ?」

 

狼はお風呂場やトイレを探しました。

 

しかし、子ヤギたちはいません。

 

狼はテレビの前を通りかかりました。

 

お姉ちゃんヤギはドキドキしました。

 

しかし、狼はテレビの中に隠れている子ヤギたちには気づきませんでした。

 

そして、狼は台所に行きました。

 

そして、冷蔵庫を開けると、中にあった子ヤギたちのおやつに気づきました。

 

「お、チョコレートプリンとバニラアイスがあるじゃないか!」

 

お姉ちゃんやぎは「わたしの!」と叫びそうになりました。

 

でも、狼に見つかるのが怖くて黙っていました。

 

狼は冷蔵庫に入っていたお菓子もおかずもぜ〜んぶ食べてしまいました。

 

お腹がいっぱいになった狼はお腹をさすりながら外へ出て行ってしまいました。

 

テレビの中から出てきた子ヤギたちは食べ散らかされた台所にいってみました。

お菓子は何も残っていませんでした。

 

妹ヤギは「あ〜ん」と泣きました。

 

そこで、お姉ちゃんやぎは、戸棚の中に隠してあったグミチョコを妹ヤギにあげました。

 

すると、妹ヤギは機嫌が良くなりました。

 

しばらくすると、お母さんやぎが外から帰ってきました。

自分で鍵を開けて部屋に入ってきたお母さんヤギは、「ただいま。元気にしていた?」と尋ねました。

「大きな狼がきたんだよ!」

 

お姉ちゃんヤギは興奮してお母さんヤギに今日あったことをお話しました。

 

台所がグチャグチャになっているのを見てお母さんが言いました。

 

「今日の分だけでなく、一週間分のお菓子が全部なくなっているわ。

全部食べたのね!」

 

「食べてないよ」

 

「食べたでしょ!」

 

「食べてないよ!本当だよ!狼が食べたんだよ」

 

「いつも狼のせいにして余分に食べるじゃない」

 

「今日は本当だよ。本当に狼が来たんだよ」

 

お母さんヤギは、本当に狼が来たことに気づいていたのですが、嘘ばかりつくお姉ちゃんやぎを懲らしめるために、わざと意地悪なことを言ったのです。

 

「いつも嘘ばかりついていると、本当に困ったときに信じてもらえなくなるわよ」

 

「・・・わかった・・・」

 

「でも、無事で本当に良かった」

 

そう言ってお母さんヤギは二匹のヤギをギュッと抱きしめました。

 

おしまい

 

ちなみに、長男(ゼロ歳児)が大きくなったらまた似たような話を聞かせるつもりです(笑)