本日話題にしたいのは、知財専門用語ではなく「ビジネスの流行語」です。
DX=デジタルトランスフォーメーション
最近よく聞きますよね。
経済産業省による定義は「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」です。
とりあえずTwitterやYou Tubeの公式アカウントを開設したりnoteで文章を書き始めるというのがDXというわけではないと思います。
大企業や公的機関のアカウントならともかく、継続&戦略が無い限りビジネスで優位になるわけではありませんから。
SNSは個人がやってこそ輝くと思います。
別の言い方をすると、「大企業や公的機関は怖くて無難な投稿しか出来ないのでつまらない」と思います。
企業や公的機関が何より恐れるのは炎上なので、運営方針として、一般人とは絡まないとか宗教や政治、ジェンダー等に関わることは投稿しないという方針になってしまうと思います。
すると、結果としてつまらなくなります。
大企業や公的機関で炎上せずにSNSの運営に成功しているアカウントなんて極めて稀ですよね。企業の規模が大きくなればなるほど、真面目にならざるを得ないと思います。
だからこそ先に述べたように「個人」が輝くのではないかなと思います。
以前も述べたように、ズルい企業は匿名で採用アカウントを運営して炎上したときに責任を負うことをしませんが、こういう不誠実な企業はブラック確実なので絶対に行くべきではありません。
さて、冒頭のDXに戻りますが、デジタル庁の組織図を見ていたら、CIO(Chief Innovation Officer)やらCTrO(Chief Transformation Officer)のように何かカッコいい風の肩書が見受けられました。
CTrOに関しては、いや、そこはCXOじゃないんかい!とツッコミたくなりますが(だって、デジタルトランスフォーメーションがDXですよ!?)、そうか、CXOじゃ一般化した用語みたいやもんなと勝手に納得しました。
ちなみに、株式会社リコーでは、DXの最高責任者にCDIO(Chief Digital Innovation Officer)という肩書が使われています。CDXOで良いと思いますがトランスフォーメーションじゃなくてイノベーションだからXはあかんのでしょう。
リコーではDXの一環として顧客企業の文章情報などをAIが解析し有用なデータとして提供するビジネスを始めるそうです。
ペーパーレス化や新型コロナウイルス感染拡大によるテレワークなどの影響でオフィス向け事務機の成長は見込めないことからデジタルサービスに力を入れることは正しい経営判断だと思います。
しかし、一点気になることがあるんですよね。
この日経新聞の記事なのですが、「年間約2000億ページにわたる文章がリコーの複合機などを通過しており、こうしたデータにAIを組み合わせることで付加価値のあるデータとして提供できる」と記載されています。
いや、これ怖いやんけ!!
勝手にデータを収集しないでくれよ。
Googleもシークレットモードなのに勝手にデータを収集しており、それが原因でユーザーの不信感を買っています。
元Googleの人がグーグルの方針に反対し、Neevaという検索サービスも作っていますね。
そうなんです。みんな、自分のこと知られたく無いんですよ。追跡しないでほしい。放って置いてほしい。家電について調べたらずっと家電の広告が現れるのは嫌だ。というかそういう広告で現れる商品やサービスって割高だったり質が悪かったりすることの方が多いよね・・・。グーグルで検索するときも上の方に最初に現れるサイトは全部無視していますよ。良かったことなんて一度も無いから。
だから、リコーのコピー機に関しては「他社の情報はほしいけれど、自社の情報は収集されたくない」という企業が通常なのではないでしょうか。それなら買いたいよね。っていうか営業秘密を勝手に盗むことになるんじゃないのかな?
不正競争防止法の改正をしないといけないかもしれませんね。
どうでも良いけど最高デジタルトランスフォーメーション知財責任者の肩書はCTrIPO(クトゥリポ)でしょうか?
今クトゥリポでググってみたら検索結果がゼロだったので、これなら検索ワードを追跡されても怖くありませんね(怖くは無いが意味もない)。