電子書籍の中古販売の技術と特許と出版社の未来

あなたは本を読むときは、電子書籍派でしょうか。
紙の書籍派でしょうか。

私は用途によって使い分けている派です。

書き込みをしたいタイプの本や子供向けの絵本などは紙の書籍で購入し、読んで知識を得るだけの書籍は電子媒体で購入しています。

(最近は、出版前にウェブで全文公開をされているケースも増えていますが、これはマーケティング戦略上おかしなことではありません。)

 

紙の書籍のほうが読みやすいので、基本的に紙の本を買っているのですが、「場所をとらない」という圧倒的利便性を考えると、電子書籍を購入したくなってしまいます。

 

 

さて、電子書籍を購入した場合は「場所をとらない」ので、スペースを空けるために本を処分するということはしません。

しかし、

①高い本だったから売って少しでもお金にしたい
②もう読むこと無いから売ってお金を得たい
③つまらなかったから売ってしまいたい

等という理由で電子書籍を売りたいと考える人はたくさんいるでしょう。

 

しかし、電子データというものの特殊性を考えるとそれは不可能に思えます。

たとえば、紙の書籍ならば購入者は所有権を得られますが、電子書籍の場合は、購入者は閲覧権のような、一種の無体(知的)財産のような権利を手に入れることになります。

 

ダウンロードが不可能でストリーミングだけで閲覧できるのなら”閲覧権”の販売も可能でしょうが、それではオフラインで閲覧できませんし不便です。

 

では、電子書籍の中古本の販売は不可能なのでしょうか。

 

今は無理ですが、将来的には可能でしょう。

 

なぜなら、ブロックチェーン技術があるからです。

 

この技術を利用すれば、”閲覧権”の行方を簡単に追うことができます。

 

したがって、擬似的に電子書籍を所有することができます。
Amazon Kindleや楽天koboという電子書籍リーダーにこだわることなく、会社をまたいで電子書籍を閲覧することもできるようになるでしょう。
 

最初に1500円で販売された本が、一定期間経過後に半額で中古市場に出回れば、「そこまで急いで読む必要性は感じていないけど読みたい」人を取り込むことができます。

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この技術は、作家や漫画家を救う可能性も秘めています。

過去記事:追求権と著作権法とアーティストの保護

 

なぜなら、作者の手を離れて売買される度に、著作権者に一定の割合で印税(二次的譲渡権という感じでしょうか)が支払われることになれば(プラットフォームにも手数料が支払われる)、本が気軽に流通し、作者の知名度向上にも貢献するので作家や漫画家にとっては嬉しいことこの上ないと思います。

中古の本では何度ブックオフに売られても作者には一銭も入ってきませんからね。

 

これは書籍だけではなく、音楽にも当てはまります。

 

現代では本の売上が下がっているので、従来の出版社は生き残りをかけてより熾烈な競争にさらされることになります。

もちろん紙の本が無くなることはありませんが、紙の本の出版社はたくさんあるので競争が激しすぎます。

この現状を考えると、ユーザーの利便性を考え、出版社は電子出版の流れに乗ってしまったほうが良いでしょう。

在庫を抱えることもありませんし、紙の本の出版経験の無いベンチャーが電子出版事業に乗り出してくることも考えられます。

 

なお、電子書籍の売買を可能にする技術については、Amazonが既に2009年に特許出願しています。
特許番号 US8364595B1

その特許の内容を簡単に説明すると、電子書籍、動画、アプリといった電子コンテンツをストリーミング状態またはダウンロード形式で譲渡可能にするビジネスモデル特許です。
現在の持ち主がコンテンツを削除することにより他者に売り渡すことができるようになります。

 

また、アップルも電子書籍販売に関する特許を出願しています。

 

しかし、ブロックチェーン技術があれば電子書籍の販売は可能になるので、いずれの特許も出番は無いのではないかと思います。