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日本のモノづくりは世界ナンバーワンといっても過言ではないほど日本の技術力の高さには定評があります。

しかし、その技術力の高さとは裏腹に、日本はものづくりで儲けることが出来ていません。

なぜでしょう?

ここで、Trizの進化のトレンド23「顧客の購入の焦点」について述べてみたいと思います。

いつもならここでトレンドの説明を書くのですが、その前に、ご自分が顧客のときに何を基準にして買うか考えてみてください。

リアル店舗で購入する場面でもネットショップで買う時でも構いません。

・・・何でしたか?

恐らく、種々の要素が一気に湧いて出てきたことと思います。

その中でもあえて優劣をつけるとしたら、「価格」でしょうか。

それと同時に、デザインだとか、サービスの良さだとか維持費だとかいろいろ無意識に考えてしまったことと思います。

さて、ここでようやくトレンドをあげてみます。

技術的進化のトレンド23は以下のようになります。

性能 ⇒ 信頼性 ⇒ 便利さ ⇒ 価格

このトレンドは他のトレンドと違って、ある段階から次の段階にジャンプするのは、「顧客が現在の購入の焦点を十分に受け取ったとき」です。

したがって、たとえば携帯電話の購入を考えている顧客は「話せる」「テキストを打てる」という性能について悩むことは殆ど無いと思います。

どこのメーカーでもきちんと話せますし、どこのキャリアでも繋がります。

すると、購入者が気にするのは「価格」ということになります。

Trizの進化のトレンドだとここでストップするのですが、知財のことを交えて考えてみると、ブランド(信用力)やデザイン(かっこよさ。たとえば、iPhoneは見た目もいいし、iPhoneを使っている俺ってかっこいいという自己満足感)も重要になってきます。

このブランドというのは、商標法で保護されるものであり、デザインというのは意匠法で保護されるものです。

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では、製品の一番基本である性能というのは何で保護されるでしょうか。

御存知の通り、特許権です。

しかし、進化のトレンドを見てお分かりのとおり、「性能」は一番左端にあります。

つまり、「性能」だけに頼ったマーケティングは最も原始的なものであるといえます。

「良い」製品なら自動的に売れていくわけではないのです。

より「未来的」な会社は、その右の信頼性(ブランド)やデザインも重視します。

「価格」は下げればいいというわけではなく、でも下げなければ海外の格安の労働力により造られた製品に取って代わられてしまう・・・という悩ましい問題があります。

ただ、自分が消費者の立場から考えれば容易に想像出来る通り、顧客は安かろう悪かろうものを求めているわけではありません。

信頼できる会社で造られた便利で性能が良い製品を出来るだけ安く買いたいだけです。

したがって、多少値段は高くなっても他社に真似できないくらいかっこよく使いやすいものを創れれば、十分に差別化になります。

ここで注意したいのが、他社に真似できないほど「高性能」にする必要はないということです。

つまり、高性能ではなくても、その製品を欲しがる顧客はたくさんいるということです。

高性能のガラケーよりもカッコいいスマホが市場を支配してしまったように。

顧客の購入動機を知り、適切に知的財産権を取得し、その知財を活用していくことが、ものづくりと並行して大事なことです。

特許を取っただけで満足してはいけません。。特許権の取得は知財経営の始まりに過ぎないのです。
活用しないと宝の持ち腐れです。

勝負服はデートの時に着て行かなくては意味がありません。
タンスの奥深くにしまったままでは防虫剤の匂いが染み付き、いざというときに着ることができません。

同じように、ここぞというときにはバシッと知財で攻撃防御出来るように日頃から知財の棚卸しをしておきたいものです。

特許権だけに頼らず、商標権や意匠権、またその他の知的財産権ではない知財も活用して優位性を得てください。