*この記事は旧ブログ「問題解決中」の記事と同じです。実際に描かれたのは2年ほど前です。リンクを下さっていた方はこのブログのアドレスに設定し直してくださると助かります。

最近急に暑さが増してきましたね。7月に入ったばかりだというのに昨日なんか真夏日を通り越して猛暑日でしたし・・・(--;)
気温差が激しすぎて娘は風邪をひきました。
私も我が家のクーラーも調子が悪いです。

季節はもう夏なので、いいかげん冷蔵庫の中の冬の食べ物を処分することにしました(はい。ずぼらです。)。冬に買った漬物とか調味料とかいろいろ・・・。
その中の一つに「ほっとレモン」というお湯で溶いて飲むカルピスタイプの飲料がありました。

わりと好きで冬から春にかけてはよく飲んでいたのですが、最近暑くなったので飲まなくなっていました(どうでもいいけど、「ほっとレモン」はおいしいけど「ほっと生姜」はおいしくないと思ってる)。
開封してから数か月経ってしまってそろそろヤバい・・・と思ったので思い切って処分しました。

処分するときにパッケージを見ながら、ふと3年くらい前の裁判のことを思い出しました。

商標法3条2項「使用による識別性」が認められて登録された商標登録に対し異議申し立てが請求され、結局登録が取り消されてしまった事件です。

確かに「ほっとレモン」だけでは誰の商標なのかよくわかりませんから消費者を混同させます。
すでにキリンさんの出願にかかる「ホットレモン」商標も存在していましたし、さらにその8年前にはヤマザキ製パンさんから「ほっとレモン」商標が出願されていました。

したがって、知財高裁の判断は妥当だったと思います。

ちなみに「誰の商標だかわからない」と言えば、「おいしい牛乳」もそうです。

娘と買い物に行ったときに「おいしい牛乳持ってきて」とお願いしたら「二個あってわからなかった」といって戻ってきました。
そこで「森永のやつ。漢字わからないかー。青い色の」と言って持ってきてもらいました。
(ちなみに次女に「どの牛乳がいい?」と聞いたら「赤いの!」といってメグミルクさんの牛乳を選んでいました。パッケージの色って重要ですね!)

「牛乳」という普通名称に「おいしい」という形容詞を付けただけなので普通の文字では商標登録されない「おいしい牛乳」ですが、明治さんと森永さんは商標登録を受けています。
それは、「おいしい牛乳」に会社名を付しているからです(たとえば「明治 おいしい牛乳」「森永のおいしい牛乳」のように)。

明治さんと森永さんは争うように商標登録出願しています。いずれの商標もただの「美味しい牛乳」ではなくて会社名を付してたりデザインを施しています。

「おいしい○○」はあまりにも直球過ぎて何のひねりもありませんが、代わりに「おいしいに違いない」と思わせてくれるので効果的かもしれませんね。

この場合、他社も同じ商標を使ってくるので、色やパッケージで差別化を図ってください。

ところで、ほっとレモンの話にもどりますが、知財高裁の判決文に記されているように、調査会社による一般消費者へのアンケートでは「ほっとレモン」はカルピスさん(出願人はアサヒ飲料株式会社さん)の商品としてよりはポッカさんの商品として認識されていたようです。

「ぽっかぽかレモン」はポッカという会社名とぽかぽかという温かさをかけているので、座布団一枚!的な上手さで個人的には好きです。
こんなセンスを感じられる商品名をつけられると素敵ですね!

みなさんもお買い物に行くときは、今回の話を思い出してちょっとだけ商標を意識してみてください。