11月9日はいろいろな出来事が起きた日ですが、最も歴史に残る事件としては、ベルリンの壁崩壊です。偶然だけど、ナチス親衛隊(SS)が結成した日でもあります。

またドイツ語圏の国では発明家の日でもあります。

この「発明家の日」は、オーストリア出身の女優兼発明家ヘディ・ラマーの誕生日を記念して創られたそうです。

 

というわけで、今日はドイツと発明のお話をいたしましょう。

 

ドイツの発明というと、世紀の大発明である活版印刷や自動車、ロケットが思い浮かびます。
これらの発明なくしては人類の発展はなかったといえるくらい画期的な発明です。

グーテンベルグやディーゼル、ダイムラーの名を知らない人はいないでしょう。

 

それから、レントゲンもいますね。
レントゲンと同じ物理学者で世界で最も有名な人にアインシュタインもいます。ユダヤ人なのでアメリカへ亡命していますが。

 

若き日は特許庁に勤めていたというのも有名な話です。特許明細書を見ながら最新の発明理論や数式を学べたらしいです。

 

アインシュタインが特許庁に勤める機会がなかったら、あれほどの業績は残せなかったかもしれない、と私は勝手に考えています。

それくらい特許明細書から学べることはたくさんあります。

 

特許法2条に規定される「発明」ではありませんが、源泉徴収制度やオリンピックの聖火リレーもドイツ(正確にはナチス)の発明です。

 

このように発明を見ていくと、人類の発展の歴史がわかります。

 

発明家たちは技術の進歩に多大な貢献をしてきました。

 

しかし、創作、特にアニメや漫画の世界での「発明家」は、たいがい「ただの変な人」であることが多いように見受けられます。

 

「発明家」が主人公の創作、というと真っ先に思い浮かぶのは、「下町ロケット」でしょうか。

アニメだと、キテレツ大百科?

 

主人公じゃなくて、脇役としてならいくらでもあげられますね。
「はなかっぱ」
「名探偵コナン」
「オヨネコぶーにゃん」(うちの娘が好きな昔のアニメ。iPadのアプリでよく観ています。モンブラン君という男の子が発明家です。)
etc…

 

私にとって、「主人公が発明家」の創作としてナンバーワンにあげられるのは、やはりDr.スランプですね。

 

主人公はアラレちゃんじゃないかという意見もありそうですが、とりあえず則巻千兵衛さんでしょう(笑)。

未だに運動会ではアラレちゃんの曲が流れるくらい、ポピュラーすぎる作品ですね。

私は10年以上前、ドイツでまだマルクが使われていたころにドイツのフリーマーケットでDr.スランプを買い込んだ記憶があります。
ドラゴンボールを見てから鳥山明ファンになり、鳥山明作品を買い集めていました。
やはり、画力は昔から圧倒的ですね。

フリマで値下げ交渉してかなり安く手に入れて勝利感に満ち溢れていたのですが(一冊1.5マルク程度にまで)、日本への送料を考えると、東京の八重洲ブックセンターで買ったほうが安かったような・・・。

 

ついでにそのフリーマーケットでは中世ヨーロッパ風の素敵なオルゴールを売っていたので、それもセットで安く買いました。後で良く調べてみたら、Made in China だったので悲しいやら笑えるやら・・・(TvT)

 

「発明家が主人公」または重要人物である作品に共通するのは、「発明家がちょっと変」にプラスして、「発明家が発明で儲けていない&失敗ばかり」という点でしょうか。あ、下町ロケットは除きますよ。

 

現実に存在する人間とは違って、創作のなかの発明家は「純粋なばか」が多い気がします。

 

自分の好奇心を満たすためだけに創る発明って荒唐無稽で面白いですよね。
だからフィクションのネタになるのですが。

 

もし、発明家が儲けるためだけに発明をしていたら、作品を観る人は興ざめしてしまうことでしょう。

 

則巻千兵衛さんは本能に突き動かされるままに発明をしていますし、アガサ博士も実用的でないわけの分からない発明ばかりを創作しています。

 

花かっぱの世界でも獅子十六博士が何のために発明しているのかよくわかりません。だいたい、はなかっぱの世界は資本主義の世界だか何なのかもわかりません。まあそれがいいのですが。

 

下町ロケットでは、佃航平は確かに会社のためにお金を儲けるためにも発明はしていますが、発明自体は好奇心に突き動かされるままにしているように見えます。

 

この「発明=創作」という行為は、それ自体が楽しい行為です。

 

素晴らしい結果が伴えばさらに嬉しいでしょうが、それ自体を楽しめます。
こうしたらどうかな、いや、こうすべきでは、と試行錯誤していると、時間を忘れて没頭できるでしょう。
趣味でやるのなら、試行錯誤も楽しいものだと思います。

 

チクセントミハイの言う「フロー」とでもいえるような状態になることでしょう。

 

現実の発明家は、創作のなかの発明家と違って、奇人変人でもありませんし、ひとりぼっちでもありません。
それどころか、沢山の人とコミュニケーションをとって、協力しあって発明をする例の方が多いでしょう。そうしなければ優れた発明は生まれにくいからです。

一人の天才が究極の発明を生み出す、なんて正に作り話です。

 

会社に雇われている発明者は、会社員として仕事でノルマをこなすために発明をしているとモチベーションが下がってしまうでしょうが、自分の仕事が歴史に貢献する、と考え、仲間と共に切磋琢磨すればやりがいが湧いてくると思います。

 

それがひいては会社のためにも国のためにもなるでしょう。

 

来年からは職務発明規定が改定されますが、そんな時代だからこそ、より発明者を大切にしてあげてほしいものです。

 

発明家も人間です。感情で動くので、ワクワクしながら発明が出来れば、報酬は多少低くても不満は生じないと思います。

逆に、待遇が悪いと不満を感じて高い報酬を得ることでしかモチベーションが保てなくなってしまうでしょう。

 

会社はぜひ「発明家たらし」になってほしいものです。