*この記事は旧ブログ「問題解決中」の記事と同じです。実際に描かれたのは2年ほど前です。リンクを下さっていた方はこのブログのアドレスに設定し直してくださると助かります。

 

イソジン関係の記事3つ目です。
2つ目の記事で、明治がムンディファーマに対し「カバのイラストを使ったイソジン」の製造販売をしないように申し立てをしたということをお伝えしたのですが、今度はムンディファーマからの反撃です。

 

昨日、ムンディファーマが「パッケージがイソジンと間違えるようなデザインで混乱を招く」と主張し、明治とMeiji Seika ファルマに対し、包装デザインの使用中止を求める仮処分を東京地裁に申し立てました。

 

この主張は、イソジンの商標権侵害ではなく、不正競争防止法2条1項1号に基づく主張だと思われます。

 

不正競争防止法2条1項1号
一  他人の商品等表示(人の業務に係る氏名、商号、商標、標章、商品の容器若しくは包装その他の商品又は営業を表示するものをいう。以下同じ。)として需要者の間に広く認識されているものと同一若しくは類似の商品等表示を使用し、又はその商品等表示を使用した商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供して、他人の商品又は営業と混同を生じさせる行為

 

イソジンのパッケージは著名なので、それに似せたデザインの明治のうがい薬の販売は不正競争に当たるとの考えでしょう。

 

しかし、ムンディファーマの主張はかなり苦しいと思います。
商標権の方が強力だからです。

 

前回の記事に載せたように、カバくんもカバくんのイラストもカバくん+α(文字部分の茶色っぽい丸)も商標登録されています。

 

 

明治側は商標権の範囲内(商標法25条)で正当な使用をしているに過ぎません。
故意にイソジンに似せようなどという意図は見受けられません。

 

今回のムンディファーマの主張はかなり苦しいと思います。

 

思うに、「お菓子」や「乳製品」など薬とは関係ない分野で有名な「明治」ブランドでこれ以上イソジンを使ってほしくないと思って明治にイソジン商標を使わせるのを辞めたものの、思ったほどイソジンに顧客吸引力がなく、明治はカバくんだけでいけそうなので、ムンディファーマが慌てているという印象を受けます。

 

外国の会社であるムンディファーマには、「キャラクター人気は絶大である」という日本のマーケット事情を理解できなかったための誤算でしょう。

 

ムンディファーマだけでなく、外資系の企業はアパレル系なんかは特に今まで付き合いがあったのに、非情にライセンス契約を打ち切ることをよくやりますね。

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ビジネスですからそれもよいのかもしれませんが、日本のマーケットには諸外国のマーケットとはまた違った特殊性があります。

 

比較広告を好まない、というのもそうですし、今回のように「擬人化されたカバくん」というキャラクターを愛している。という特殊性もあります。

 

通常、商標権というものは長く使えば使うほどブランド力はアップし、誰がそのブランドを育ててくれても同じで、また、誰がブランドの保有者かということはあまり関係なく、有名ブランドの持ち主はビジネスにおいて強い位置にいます。

 

ですから、「イソジン」のライセンスを受けていたにすぎない明治にとっては、ライセンス契約を打ち切られたらそれまででした。

 

しかし、明治は何十年もかけて「イソジン」と共に「カバくん」商標も育てています。
そして、カバくんは「イソジン」に勝るとも劣らない強い商標に育ちました。

 

また、明治は種々のイベントを開いてカバくんの着ぐるみにも参戦してもらってうがい薬を広めました。

 

したがって、「明治イソジン うがい薬」は「イソジン」の力半分、「カバくん」のイラスト半分で売り上げを伸ばしました。

 

いえ、もしかしたら「イソジン」2割、「カバくん」8割かもしれません。

 

「明治 イソジン」が売れていたのは「イソジン」の商標権の強さだけではなく、「カバくん」に依るところも大きいでしょう。

 

今回の係争は、「イソジン」という言葉の商標と「カバくん」および「カバくんのイラスト」の商標(および著作権)の戦いに見えます。

 

そして、裁判においても、マーケットにおいても明治が勝つことになると思います。

 

明治は法律的に違法なことはしていません。むしろムンディファーマの方が分が悪いといえます。

 

また、塩野義製イソジンが販売されても、消費者は「イソジン」ではなく「カバくんの絵」を目印としてうがい薬を買い求めるでしょう。

 

・・・というわけで、ムンディファーマの反撃に効果はなく、明治が訴訟でもマーケットでも勝つものと思われます。

 

ちなみに、私は明治寄りに見えるかもしれませんが、あくまでも中立的な立場から法律を元に判断しているだけです。別にムンディファーマに恨みなんてありませんし。

 

その証拠に私の最近購入したうがい薬はこれです。
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これが私の知る限り最安値ですから。

カバくん、高いよ!(笑)