「磯ラーメン」商標とビジネスにおける透明性

大槌町発祥の「磯ラーメン」という商標が大槌町ではなく、東京の飲食店経営企業により勝手に商標登録出願されていたというニュースを岩手日報で見ました。

近年話題になることが多い、無関係の人間による商標登録出願です。

 

BL社(昨日の記事に引き続き、この表記を使わせてもらいます)が最も有名です。

 

しかし、BL社ほど大量ではなくても”悪いこと”を企む人は実はたくさんいて、こっそりと商標登録出願をしています。

 

今回もこっそりと商標登録出願をしていたところ、バレてしまったケースです。

 

大槌町では以前からこの名称をラーメンに使ってラーメンを提供していたという証拠などを特許庁に提出しているようなので、おそらくこの出願は審査において拒絶されるでしょうが、絶対ではないので心配です。

 

こういった商標登録出願をしてしまうと、その企業は激しく叩かれます。

その証拠に、不正をした企業の名称をネットで検索してみると、企業名に続いて「クズ」だとか誹謗中傷の言葉が続きます(ベストライセンス社でご確認を)。

 

また、企業の評判を調べてみても、昨日だけで最低評価を下した人たちがいました。

 

ということは、商標を出願するということは、企業戦略として「ビジネスを有利にする」どころか「ビジネスを破滅に導く」可能性もあるわけです。

 

そんなわけで、これからの知財戦略においては「誠実さ」が重要になってくるものと思われます。

 

以前の記事でも書きましたが、時代が進むに連れ、「透明性」が可視化されていきます。

 

全てがオープンになり、「影でこっそりと悪いこと」をすることは難しくなってしまいます。

 

これは、どのビジネス分野においてもそうです。

 

たとえば、「無料でお試し」と言っておきながら、登録してみたら某IT企業がいきなり使用料を請求してきたなんてことがありましたが、SNSで評判を見てみたら同じ被害に遭った人がたくさんいて、評判も最悪。

大きい企業ですが、長くは続かないのではないかと思っています。(そのためには被害者が声をあげることが大事ですね)

 

商標だけでなく、著作権についても他者の著作権を侵害したり肖像権を侵害したりすると容易に儲けることができるのですが、それをやってしまうと話題にはなりますが、企業や個人のプライドを捨て去ってしまうことになります。
(漫画村や芸能人の写真を無断で使っているウェブサイトはたくさんアクセスを集めていますが、「まともな」ビジネスではないですよね)

 

こうした「評判の低下によるブランド力の低下」を防ぐためには企業自身が誠実にビジネスを行うということも大事ですが、同時に商標登録出願の代理人である弁理士も、「この商標は出願しないほうがいいです」と言ってあげられるといいですね。
聞きにくいですが。

 

ちなみに私は出願代理業務は行っていないので、(お金がかからないために)安心して「商標出願したほうがいいんですか?」というような質問をたまに受けるのですが、そういうときって、どんなビジネスをされているのかお話を聞いている中からビジネスの根本的な問題が見つかるということはよくあります。

 

商標はあくまでもブランドを守る一つの手段に過ぎないので、「商標権を取れば安心!」というわけではなくて、事業を守るためには、あの手この手で参入障壁を築く必要があります。

特に、斬新なビジネスほど、二番手・三番手に模倣され首位の座を奪われてしまいますから、強力なブランドを築き、お客様から選ばれるようにならなければいけません。

(競合も必死だから大変なんですけどね・・・)

 

参入障壁の築き方などについてはご相談に乗りますのでお問い合わせください。