ジャニーズの子会社であるアートバンクの代表取締役・伊坪寛氏がアートバンクの事務所内で首を吊って自殺をしていたという衝撃的なニュースが世間の話題をさらっています。
ただでさえSMAP解散問題などでブラックなイメージのあるジャニーズ事務所の闇を垣間見た気分です。
闇と言えば、ジャニーズと聞いてなぜだかジャスラックを連想してしまう人もいるのではないでしょうか(いない?すみません。まあ、いるということで話を進ませてください)。
なぜかというと、ジャスラックとジャニーズは最初が「ジャ」から始まるから・・・というわけではなくて、ジャスラックの仕事とジャニーズ子会社であるアートバンクの仕事で重なる部分があるからです。
御存知の通り、ジャスラックは著作権管理事業者です。ジャスラックの管理している曲などが使用された場合、その使用料を徴収し、権利者に分配することを業務としています(権利者にきちんと分配されていないという問題はここでは置いといて・・・)。
一方、アートバンクはジャニーズの利益を保護するために、ジャニーズに所属するアイドルの写真などを無断掲載しているファンの個人ブログを閉鎖に追いやったり、YouTubeに投稿されているジャニーズのアイドルが出演しているテレビ番組などの動画の削除依頼といった仕事をしています。
権利を振りかざすジャニーズ王の下で必死で働くアートバンク兵といった感じでしょうか。
なお、ジャニーズ所属アイドルの「肖像権」を守るため削除依頼をしているとのことですが、アイドルの場合はその写真に財産的価値があるため「パブリシティ権」と言ったほうが良いでしょう。
ところで、ジャニーズはデジタルに疎くて、デジタルチケットの導入もアートバンクに任せていたようですね。けれどアートバンクが大失態を犯してしまって、その他諸々のこともあって王の逆鱗に触れてしまい、アートバンク兵を束ねる伊坪寛氏は疲れ果てて命を断ってしまったようです。
・・・それにしても、ジャニーズって、本当にデジタルに疎いですね。
いえ、デジタルの導入が出来ていないという以前に、考え方がアナログのときのままでデジタルの時代に更新されていない。
なんでこんなことを言うかというと、個人ブログにまで写真削除依頼を出して、従わなかった場合にはブログを削除するという強制力を働かせるから。
ネットに雑誌の表紙を載せるとき、ジャニーズアイドルが表紙の場合、シルエットだけにされるから。etc…
今の時代にそんなことばかり必死でやって、それで利益を保護出来ると思っている考え自体がアナログに生きている人の証。
周りを見渡せば、逆に著作権侵害となるようなことをお目こぼしして自分の利益につなげている同人作家や、新曲を惜しげもなくYouTubeにアップしているバンドなんてたくさんいます。
そんな時代に、頑なに”侵害者”を押さえ込めば利益になると考え実行してしまう体質は歴史的遺物のようです。
ジャニーズの考えている”侵害者”は侵害者なんかじゃないよ。多くはファンだから。利益をもたらしてくれる味方だよ。
それがわからずファンを痛めつけて、それが結局自分の首を絞めることを分かっていない。
ジャニーズは郷ひろみの時代から卒業して、新しい経営をしなくては、ジャニーズに所属するアイドルたちも、そのアイドルのファンたちも傷つけ、やがてジャニーズ自体が衰退していってしまうのではないでしょうか。
むしろその方がいいかもしれませんね。アイドルはジャニーズがいなければ成り立たないというものではありませんから。