特許庁長官による特許出願『アドパス』

特許庁が、特許・商標出願を行い、特許権を取得しました(出願から2ヶ月経たずに特許査定!)。
経済産業省ホームページ該当記事

特許庁長官による特許出願の内容

特許法第36条には、

特許を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した願書を特許庁長官に提出しなければならない。

という規定があります。

自分にラブレターを出して自分でOKするような感じで違和感を拭えませんが面白いですね!(笑)
自分で作った資格試験に自分で応募して自分に資格を与えると言った方が良いかしら(笑)

なお、要約不備職権訂正がされているのですが、これ、補正したら自作自演みたいで面白いからでしょうか(そうではない)。

発明内容は、自分で自分を認めてあげる自己肯定感爆上げの方法です・・・と言いたいところですが、特許文献検索システムに関する発明です。

 

特許出願人の 【氏名又は名称】の欄には、 「特許庁長官」と記載されています。

現在の特許庁長官の氏名を書かずに行政庁の名称を書いているので、個人で利益を得ようとしているのではないことがわかります。
もし純粋に特許庁長官が自分で発明して特許出願していたらこんな書き方はしませんから。

【発明者】の欄を見れば分かる通り、この発明「アドパス」の発明者たちは特許庁長官ではありません

 

なお、情報通の方から教えてもらったのですが、この特許出願のために特許庁では、庁内の職務発明規定を作っていたそうです。

特許法第三十五条 使用者、法人、国又は地方公共団体(以下「使用者等」という。)は、従業者、法人の役員、国家公務員又は地方公務員(以下「従業者等」という。)がその性質上当該使用者等の業務範囲に属し、かつ、その発明をするに至つた行為がその使用者等における従業者等の現在又は過去の職務に属する発明(以下「職務発明」という。)について特許を受けたとき、又は職務発明について特許を受ける権利を承継した者がその発明について特許を受けたときは、その特許権について通常実施権を有する。
2 従業者等がした発明については、その発明が職務発明である場合を除き、あらかじめ、使用者等に特許を受ける権利を取得させ、使用者等に特許権を承継させ、又は使用者等のため仮専用実施権若しくは専用実施権を設定することを定めた契約、勤務規則その他の定めの条項は、無効とする。
3 従業者等がした職務発明については、契約、勤務規則その他の定めにおいてあらかじめ使用者等に特許を受ける権利を取得させることを定めたときは、その特許を受ける権利は、その発生した時から当該使用者等に帰属する。

まだ登録されて間もないので、ぜひどなたかに異議申し立てをしてほしいところです。

無効審判を請求した場合には、当事者系ではなくて査定系審判になってしまいそうでそちらも楽しみですw

 

この特許発明「アドパス」「ADPAS」という名称については商標登録出願もしているそうです。
今こそベストライセンスの上田さんの出番だと思うのですが、どうでしょう、上田さん。違う指定商品で先取り出願をしてみては!?