今日は、私が普段子供に語って聞かせている物語をご紹介いたします。
子供に聞かせる時のポイントは、
● 子供本人が主人公
● 子供の好きなものが出てくる
● 他の人が聞いてもわからないような言葉や事柄が満載
です。
具体的にどんなものか読んでもらったほうが早いので、私の創作した小説(?)を注釈付きでご覧ください。
前提知識として、下の子はおむつトレーニングの最中ということを記載しておきます。
*この記事は2年前旧ブログで書かれていたものです。
昔々、ある所にチーたん姫という可愛いお姫様がいました。
チーたん姫は、おしりふりふりダンスが大好きで、いつもおしりをフリフリ踊っていました。
ある日のことです。
チーたん姫のもとへ、おパンツ王国の王子様から手紙が届きました。
チーたん姫は字が読めなかったので、お姉ちゃん姫に手紙を読んでもらいました。
「お城で舞踏会を開きます。ダンスの上手な姫の参加をお待ちしております」
チーたん姫はおしりをフリフリしながら喜びました。
「よかったね、チーたん。
・・・あ、でも、おパンツ王国ではみんなパンツを履いているよ。おむつを履いていくと笑われちゃうよ」
お姉ちゃんにそう言われるとチーたん姫は心配になりました。
そこで、舞踏会に行く前に、パンツを履いてみることにしました。
チーたん姫はパンツを履いたことがありません。
よくわからないので、とりあえず頭に被ってみました。
「違うよ、パンツは、かぶるんじゃないよ。」
お姉ちゃん姫に教えてもらい、チーたん姫はパンツを履いてみました。
なんだか不思議な感触です。
「これで王子様とダンスが出来るね!」
チーたんは「んふんふ(注:チーたん姫はあまり話せない。「ナメコ」というキャラクターのように、んふんふと言ってばかり)」というと、嬉しくなってまたおしりをフリフリしました。
お姉ちゃん姫とチーたん姫は、馬車に乗っておパンツ王国へ行きました。
お城では、たくさんのごちそうが並べられていました。
色とりどりのパンツを履いた赤ちゃんたちが、楽しそうにダンスをしたりご馳走を壁に塗って遊んだりしていました。
「ぷっぷかプー」
ラッパの音が鳴り響きました。
「おパンツ王子のおな~り〜」
高らかなトランペットの音とともに王子が二階から降りてきました。
その姿を見て二人の姫の心臓は高なりました。
「なんて素敵な王子様・・・!」
おパンツ王子の目はまるでおパンツのように澄み渡り、鼻も口も耳も、とってもおパンツでした。
あまりにもおパンツ王子様が素敵だったので、二人はドキドキしました。
「姫、ようこそいらしてくださいました。さあ、私と踊りましょう」
お姉ちゃん姫は下を向いてもじもじしてしまいました。
すると王子様は、
「では、せめてこれを受け取ってください」
といって、お姉ちゃん姫にリボンのついた小さな箱を渡しました。
お姉ちゃん姫は、小さな声でお礼を言うと、隅の方へ逃げていってしまいました。
チーたん姫は、おパンツ王子に手を引かれると、一緒におしりをフリフリ踊り出しました。
王子とチーたん姫の華麗な踊りに、会場中の人たちが拍手をしました。
チーたん姫はとても幸せでした。
しかし、
・・・ジャー。
王子様と踊っている最中に、チーたん姫はおもらしをしてしまいました。
パンツがおしっこだらけで気持ち悪くてチーたん姫は泣いてしまいました。
しかし、王子様はそのことに気づかず、なぜチーたん姫が泣いているのかわからずオロオロしていました。
チーたん姫の鳴き声を聞きつけたお姉ちゃん姫は、チーたんがおもらしをしたことにすぐに気づき、みんなにバレる前にチーたん姫の手を引いて、会場から逃げ出しました。
舞踏会の会場には、チーたん姫が脱ぎ捨てた臭いおパンツが脱ぎ捨てられていました。
おパンツ王子様はそれを拾うと、「チーたん姫・・・」とつぶやきました。
おうちに帰るとチーたん姫は、ママにおしりを洗ってもらい、おむつを履いておやつを食べました。
おやつを食べながら、お姉ちゃん姫は、おパンツ王子にもらった箱のことを思い出しました。
そして、ポケットのなかから箱を取り出しました。
チーたん姫はそれを横取りすると勝手に開けようとしました。
しかし、お姉ちゃん姫はチーたん姫から箱を奪い返し、箱を開けてみました。
中には、黒く平べったい物体が入っていました。お姉ちゃん姫は、スマホかな、と思いました。
そして、スマホに登録されている連絡先へ電話をかけてみました。
すると・・・
「もしもし」
誰かが電話に出ました。
聞き覚えのある声です。
「あの、私、お姉ちゃん姫です。あなたはおパンツ王子様ですか?」
「そうです。二人とまた会いたいと思っていたところです」
「さっきは突然帰ってしまってすみませんでした」
「気にしないでください。携帯があればいつでも連絡できますから。
よかったら、LINEしませんか?」
「私、漢字わからないからひらがなでよければ・・・」
「OKです。
そうそう、明日、家来にチーたん姫が忘れていったおパンツを届けさせます」
「ええっ?!そんなの臭いからいりません」
「大丈夫です。洗ってありますから。
新しいおパンツも三枚プレゼントいたします」
そうして、チーたん姫はおもらしをしてもすぐに新しいパンツに履き替えて、ご機嫌でおしりをフリフリ踊り続けましたとさ。
お四枚(おしまい)
とまあ、こんな感じの荒唐無稽なお話です。
子どもたちが喜ぶので、母は日夜、物語創りに励むのでした・・・(笑)