必要な職業と不要な職業【コロナ禍で知財に関わる職業は必要とされているのか】

今日はいつもと趣向を変えて哲学的思考実験をしてみたいと思います。
元ネタにしたのは『ラストワールド』という7年位前の映画です。

簡単に内容を説明すると、「今ここに21人(20人の高校生と一人の先生)がいるが、これから核爆発が起きる。シェルターに逃げ込めば助かるが、シェルターの定員は10人。さて、どの職業の人を選ぶ?」という命題に対して登場人物たちが議論します。
一度目と二度目は失敗(全滅)。さて、三回目は・・・
出だしは面白いのですがオチが意味不明で頭が?になってしまうのですが、映画内容の設定が面白かったので題材に取り上げてみました。
映画の中で取り上げられている職業は以下の21種です。
A. 農家
B.   構造技術者
C.    不動産業者
D.   大工
E. 歌手
F. 投資信託業者
G. ハープ奏者
H. 宇宙飛行士
I. 化学博士
J. 電気技術者
K. ワインの競売人
L. 外科医
M. 家事労働者
N. デザイナー
O. ジェラート店主
P. 動物学者
Q. 心理療法士
R. 兵士
S. 議員
T. 詩人
U. 大学の先生

太字は映画の中で一回目に選ばれた職業のうち8種です(ネタバレになるので全部は載せません)。

いずれも「生きていくために必須の職業」なので納得出来るのではないでしょうか(宇宙飛行士はその豊富な知識から、兵士は体力の高さから納得できます)。

投資信託業者やワインの競売人、不動産業者なんてここまで過酷な状況では不要でしょう。

歌手やハープ奏者などは、生きるための環境が整って余裕が出来た段階になって必要・・・と思われそうですが、映画上では人生に潤いを持たせるので重要と判断されました。

でも、なぜか詩人だけは嫌われていて詩人を選ぶ度に銃殺されちゃうんです。シュール!

 

ここまで読んだら私が今回の題材を選んだ意図をご理解いただけたかもしれません。

これって、コロナ禍の今も似たような状況になっていそうと思ったからです。生活に必須な職業は重視されていますが、余裕がないと利用しないサービス提供者なんて収入源に苦しんでいます。

まあ、フィクションの中のように「21人の中から10人だけ」「すぐに核爆発」というように差し迫った状況ではありませんし、人口の絶対数が違い過ぎるので、まさか太字で選ばれなかった職業がなくなるなんて全く思いません。実際に10人しか選べない状況になったら職業よりも子供や健康な人を優先するでしょうし生き残るために醜い争いも起きるでしょう。
私だったら子供だけは生きてほしいけれど親無しで生きる過酷さを考えたらどうなんだろうと考えそうです。

 

この映画では取り上げられませんでしたが、知財関係の仕事なんて、正に「生きるための環境が整っていることが当然の前提」で存在しています。

技術や思想だけでなく、芸術も重要。と、ここまでは映画でも扱われています。

でも、その後生まれた技術や思想や芸術を権利として守る存在は要らないんですよ。だって、みんな仲間だから技術や思想や芸術はみんなのものです。

人口が増え、国が分かれ、個人がそれぞれ財産を持っているからこそ知財の存在意義はあります。
みんな仲良しだったら知財なんていらないんですよ。

逆に言うと知財が世界を分断しているのかもしれません。

知財が無ければ世界はもっと平和だったのかもしれません。

でも、知財がなければ技術や芸術を生み出そうとする人がいないかも?

いや、知財は関係なく生活向上と名誉のために技術や芸術は生み出されるのかもしれない。

そう考えると知財に関わる職業は10人の中には入れないでしょう。

仕方ないから議員に賄賂を渡して生き残る途を画策しなくてはいけません。

その前に電通です。まずは電通に入社して偉くなって中抜きをするのです。または経済産業省に・・・(爆)