死んでも生き続ける方法

何でしょうね、この題名。『死んでも生き続ける』

いえ、「あなたが死んでもあなたは私の心の中で生き続ける」とかそういう話ではありません。

知財ブログらしく、本日も知財のお話です。

 

Microsoftが2017年に特許出願していた発明が今月登録されました。
その発明は、故人の写真や音声データ、SNSの投稿等を用いてチャットボットとして故人を復元するというものです。

これが実現すれば、歴史上の著名人を復元することも可能でしょうし、人物の発言などを記録し続けることにより、その人の死後もその人と同じような発言を繰り返してくれるSNSアカウントを作れるかもしれません。

ところで、こういう発明って今まで特許はされていませんでしたが、サイエンスフィクション等の中ではいくつか見られます。
記憶に新しいものとして、『あなたの番です』のななちゃんのAIがあります。作品中で主人公がAIななちゃんに話しかけるシーンは痛々しくて記憶に残っている人もいることでしょう。

それから2013年の作品になりますが『Be right back』というドラマでも似たようなコンセプトのAIが出現しました。

他にも韓国で母親が亡くなった娘のVR画像と再会するというのも話題になっていましたね。

「死者との対話」というのはイタコにみられるように古来より人の大きな望みの一つであったでしょうからこれを技術で実現しようとするのは当然なのかもしれません。(マイクロソフトのTim O’Brienはこのアイデアを製品化することは否定していますが)

かつてはイタコがアナログな方法(「故人がいかにも言いそうなこと」を言う)で死者の言葉を伝えていたのに対し、故人が実際に発言したデータを集めてチャットさせる技術は、イタコのイノベーションと言えるでしょう。

精度が高い分、リアルで、大切な人を亡くしたときにこの技術に触れてしまったら、廃人となるまでその技術にどっぷりと浸ってしまいそうです。
特に幼いわが子を亡くした母親なんて、狂乱状態に陥って、一日中亡き子供のAIとチャットしてしまうのではないでしょうか。
普段でも、子供が赤ちゃんのときのビデオを見直すと、「あああ可愛いいいいいい!!!」と目がハートになっていますから。
まあ、そんな状態になるのは一目瞭然なので、身内に不幸が起きたときにはそっとしておいてほしいです。

ところで、もし私が死んだら、もう子供たちを抱っこしてあげることは出来ないけれど、このブログの全データを取り出して、私が書きそうなことをAIが書いてブログを更新し続けることはできるわけですね。
くだらないダジャレとか飛ばしてくれるのかな?
というか、私が生きている現在でもAIが私に代わってブログを書いてくれるのも面白そうです。

普通は運営者が亡くなったら追悼ブログになってしまうけど、そうではなくてブログだけずっと生き続けるってすごいですね。
ただ、たとえば夫が私の死後銀行口座からお金を全部引き出して、銀行の残高がなくなってサーバーが料金を引き落としできなくなったら、サーバー代金未払いを理由にブログ公開をストップされてしまうということになってしまうのですな。切ない。