アメリカだと99designs、日本だとクラウドワークスといったクラウドを利用することにより種々のサービスが安価で受けられます。

発注側にとっては安価で質の高いサービスが受けられるわけですから経費を削減でき、大きなメリットです。

 

これにより、既存のデザイン会社や広告代理店などは大きな痛手を負っています。「その道のプロ」が「その他大勢」の力の前に屈してしまうのです。

 

クラウドは企業と「継続的な信頼関係」を築くことも出来てしまうので、デザイン会社や広告代理店は生き残りをかけて新たなビジネスモデルを構築する必要性に迫られています。

さて、このクラウドを利用することにより、ロゴのデザインも依頼できます。

 

ロゴは、シンプルさのなかに企業のミッションやビジョンを込めるものですから非常に重要です。

 

このような重要なロゴを会社とは何の関係もない他人に任せても大丈夫なのでしょうか。

企業内部の人や昔から付き合いのある会社のことを良く理解してくれているデザイン会社に依頼すべきではないのでしょうか。

 

私の考えでは、クラウドに任せても特に問題は無いと思います。

 

発注するときに企業理念や伝えたいことなどをきっちりと説明しておけば、それなりのロゴを作ってもらえると思います。

 

いくら会社を愛し、理念を理解している社員でもデザインセンスに優れているとは限りませんからそんな人にデザインを頼むよりは、外部のデザイナーに頼ったほうが良いでしょう。

 

また、ロゴはお客様の目に触れる機会が多いとはいえ、絶対的なものではありません。

 

企業名を頻繁に変更するのは問題ありますが、ロゴを変更しても大きな問題は起きないと思います。リニューアルと取られるくらいでしょう。

 

それに似た例がグーグルで見られます。

 

グーグルは、記念日やイベントのときなどは、ときにコミカルなときに可愛らしいロゴで私達の目を楽しませてくれます。

 

ロゴを絶対的なものとし、大切にするなら安易にバリエーションで遊ぶべきではありません。

 

しかし、ロゴが変わった所でグーグルの価値が落ちるわけではありませんし、メインのロゴは相変わらずあのままです。

 

そんなわけで、ロゴをデザインする人にこだわるのは、無意味だとは言いませんが、相対的な重要性はかなり低いと思われます。

 

高額な報酬を要求する有名デザイナーや忙しい従業員に頼まなくても、安価でデザインを受け負ってくれる外部のデザイナー(プロ・アマチュア含む)にロゴのデザインを依頼し、浮いたお金をマーケティングなどに回せばより有効な資金の使い方ができるのではないでしょうか。

 

特に、スタートアップは人も時間もお金もありません。

 

そんなときに将来のことを考えてしっかりロゴを制作するよりも、ベータ版で起業し、事業が軌道に乗ってからロゴのリニューアルを図っても良いと思います。

 

ロゴが決まらないから事業が始められないなんて愚行は絶対に避けるべきです。

 

ロゴは企業の顔とも言える部分です。

 

しかし、商号や商標とは違って、変えられるものです。

 

暫定的なロゴ、もしくはロゴなしの会社があってもいいと思います。

 

印が無いことが無印というブランドであるように、過度なロゴが無いこともまたブランディングになると思います。

 

ただ、ホームページのヘッダーやファビコンはよく目に触れるところですし、愛着を持っているほどこだわりたくなる部分ですから時間のあるときや時間のある人はこだわってもいいと思います。

 

残念ながらというべきか当然というべきか、会社側の人間から見れば、ロゴは大切にしたいものですが、顧客はあまり気にしません。

 

サービスや製品さえしっかりしていればロゴなどなくても気にしないという人も相当数います。

 

特に、顧客としては、「その会社がどのようなロゴを有しているか」よりも「その会社が自分に何をしてくれるか」の方が数百倍重要です。

 

企業理念やミッションをしっかり表しているクールなロゴを見ても御社の企業理念など知らない顧客から見ればロゴの意味はないのです。

 

ブランディングにおいては自分(企業)のことよりも顧客のことを考えるべきという最近の顧客視点のマーケティングの流れからいっても、自己満足に近いロゴデザインにこだわりすぎないように注意したいものです。