高知県室戸市の廃校(元・椎名小学校)を活用した水族館・むろと廃校水族館が人気という記事を読みました。
オープンから3ヵ月半で、来館者は6万人を超えたとか。
人気の秘密は、どうやらキャッチコピーの『いつでも参観日』に現されているように、「気楽さ」が要因のようです。
一般の水族館には、イルカやシャチといった人気者がアイドルとして君臨しています。
しかし、むろと廃校水族館にいるお魚さんたちは、地元の漁師さんたちが釣ってきた身近な魚ばかりです。
「シマアジ」や「ブリ」なんて、「食べ物」とは考えても、「水族館でわざわざ見よう」とは思いませんよね。
でも、普段食卓に並べられてしまうような魚でも、美しいことに変わりはありません。
そんな魚が小学校の25メートルプールで泳いでいたり、手洗い場では“なまこ”や“巻き貝”に手で触ることができる「タッチプール」があるなんて素敵です。
「当たり前の美しさ・楽しさ」に焦点を当てることが出来た素晴らしい水族館です。
私も家族を連れて行きたい!すごく喜びそう(^^
よく、奇をてらった企画ものがもてはやされたりしますが、そんな企画は一過性のものが多く、長く愛されるものにはなりにくいといえます。
企画の会社が高額のフィーを請求してきて地域の活性化に繋がらなかったり・・・。
それにくらべ、むろと廃校水族館の場合には、普通の水族館に比べ、維持費も低いですし、無理なく運営出来ます。
こういう「視点を変えて良さを引き出す」見せ方、大好きです。
地元への愛が感じられますしね。
ところで、学校の体育館に設置された跳び箱を利用した水槽が面白いです。
見ての通り、跳び箱の中をお魚が泳ぎ回っています。
正確には、跳び箱をくり抜いて、水槽を入れただけですが、面白いアイデアですよね。
ところで、この跳び箱水槽を見た時、金魚電話ボックスを思い出してしまいました。
山本氏による「メッセージ」なる作品は受話器の部分に創作性が認められるため、この部分を真似すると著作権の侵害になってしまいそうですが、跳び箱水槽の場合は、真似をしても、特に著作権の侵害になることはないでしょう。
ただ、「メッセージ」のときもそうですが、先人の作品をリスペクトするということはしたほうが良いと思います。
著作権の侵害にはなりませんが、「表現者の気持ち」を保護することができますし、場合によっては民法上の不法行為責任を負うことになりますから。
というわけで、日本のどこかにある廃校を水族館にするときには、どこかで一言「むろと廃校水族館さんを参考にさせてもらいました」とでも書いておくと良いのではないかなと思います。
金魚電話ボックスも、著作権者表示ではなくて、アイデアの元ネタとして山本氏の名前を表示しておけばこんなに問題にならなかったのにな・・・と思います。