JASRAC(日本音楽著作権協会)が、音楽教室に著作権の使用料の支払いを求めている問題についてですが、文化庁の審議会は使用料の徴収を認めることになったようです。

 

この話を聞いた時、「日本の音楽文化を滅ぼす気か!?」と驚くと共に「天下り」の3文字が脳裏をよぎってしまいました・・・。

 

音楽教室から著作権使用料を徴収してしまうと、音楽教室の経営が苦しくなって音楽教室の経営を辞めざるを得ない人が増えてしまいます。レッスン料に著作権使用料が上乗せされてしまう恐れもあります。

 

すると、通いたくても近くに音楽教室がなかったり、高いから音楽教室に通うのを辞めておこうと思う生徒が今まで以上にでてきてしまいます。

 

ということは音楽文化を支える母数が減ってしまうことになります。

 

人は自分に関わりのあることを好きになるという心理があります。
サッカーをやっていればテレビでサッカーを見たくなりますし、自分と同じ小学校出身の人に親近感を覚えます。

 

それと同じで、音楽をしていると音楽に興味を持ちます。

 

音楽が好きだから音楽の授業を受けるだけではありません。音楽を習っているから音楽ができるようになり、音楽を好きになるということも真実です。
(そして、音楽が出来ると感性が良くなりそうだと期待して親は子供に音楽を習わせようとしますが、後述するように往々にして失敗しますw)

 

音楽に興味を持つ人たちが減ってしまうと、CDを買ったりコンサートに行ったりといったこともしなくなります。

 

すると、結局は著作権管理団体であるジャスラックの首を占めることになります。

 

3年先の未来のことを考えたら、音楽教室から著作権使用料を徴収するのはジャスラックにとって良いかもしれないけれど、もっと先の未来のことを考えたら自分たちのためにも絶対にやめるべきです。

 

なんかもう、JASRACを解体して健全な組織をゼロから作り直したほうが良さそう・・・と思ってしまいました。

 

ジャスラックは著作権者の代わりに著作権を管理してくれるので、アーティストたちにとっては有り難い存在です。
この機能は必要です。

 

しかし、一部の有名アーティストは助かっているのだけど、それほど有名でないアーティストにとっては著作権使用料が分配されないこともあり、必ずしも助けになっていません。

 

自分が自分の歌を歌って著作権使用料を支払っているのに、印税は一切入ってこないと嘆いているアーティストは山のようにいます。

 

著作権使用料が平等に分配されないということは、有名でないアーティストは自分でいつどこで使われたかを調べないといけないということになります。それでは何のための著作権管理団体なのか。存在意義がなくなってしまいます。

 

いつどこで自分の曲が使われたか証明してくれれば支払うというのがジャスラック側の言い分ですが、それが面倒だからジャスラックに音楽著作権の管理を依頼しているのに・・・

 

包括契約をしている企業や有名アーティストにとってはジャスラックの存在は有り難いのですが、音楽文化を支えているその他のアーティストたちはあまり恩恵を受けていません。

著作権というものはただでさえ強すぎて、それなのに保護期間がさらに20年延びる予定なので、これからはさらに権利関係が錯綜することが容易に予想されます。

 

ジャスラックは、本当に日本の音楽文化のことを考えているのでしょうか。

既得権益の保護が優先されているのではないでしょうか。

そして、文化庁も文化が衰退していくことに加担してしまうことについて疑問を持たないのでしょうか・・・。

 

できるなら、もっとスマートな方法でジャスラックという組織の発展を試みてほしいと思います。

 

お金を取りやすそうなところから取るんじゃなくて、価値を提供することにより価値の対価を受け取るという当たり前のビジネスをしてほしいな。

 

一番手っ取り早いのは役員報酬を減らすとか人員削減をしてコストカットをすることですが・・・。これをしたらJASRACに対するネガティブなイメージはかなり緩和するでしょうね。カッコイイ!という声も上がるでしょう。(今までに積み上げてきた負のイメージが強すぎてこれだけではプラスにいくことはないでしょうが)

 

ちなみに個人的な話になりますが、うちの次女が「ピアノもうやだ」と言っていたのでとうとうピアノ教室をやめさせてしまいました(ずっと前から嫌だ嫌だと言っていたけど説得して半年頑張ってもらっていた状態)。

 

まあ、音楽教室ってお金かかるんですよね。
特に娘が通っていたピアノ教室はテキスト代だけじゃなくて、暖房費や冷房費も払わされるし、月4回のはずが月3回しかレッスンしてくれないし、先生厳しすぎるし、こんなところでピアノを無理やり習わせても良い教育にならないと思ったのでやめさせてしまいました。

 

やめさせずにそのままピアノを習わせていたら、今度は「ジャスラックへの支払い料」名目でまた料金の徴収があるのではないかと楽しみに(?)していたのですが、嫌がる娘を虐待することになるのでやめておいて正解でした。

 

長女の方は演劇を始めたいといっているのですが、もし音楽教室の演奏について著作権使用料の支払いが認められるのなら、演劇でBGMを流したりすることにも著作権使用料の支払いが必要になりそうです。

ダンススクールなんかも同じですね。

 

ということは、この問題は音楽文化だけでなく、もっと広く他の文化にまで影響を及ぼすことになりそうです。

 

音楽教室から著作権使用料を徴収することにより、広く日本文化の衰退を招き、ひいては日本の国力の低下に至るという未来が見えてきたので、お子さんのいらっしゃる方は海外へ逃亡した方が良いかもしれませんね(-v-;)