ときどき、商品名や社名を変更したというニュースを聞きます。

たとえば、だいぶ昔ですが、松下電器とナショナルがパナソニックに社名統一、なんて大ニュースになりましたよね。

 

グローバルブランドであるパナソニックは「ナショナル」という「国家的な」とか「国民の」を意味する英語の形容詞を使えなくなってしまったために仕方なくパナソニックに社名を統一しました。

 

一方、カネボウは悪いイメージから脱却を図るためにクラシエという名前へ変更しました。

 

また、英語で「マイルド」は「穏やかな」という意味を持つため、マイルドセブンは財産的価値のある著名ブランドをメビウスという名前へ変更するはめになりました。

 

一方、「フレッシュライフ」は「通勤快速」へ、「缶煎茶」は「お〜いお茶」へと名称変更することにより売上は数倍に上がりました。

 

このように、名称変更にはいろいろな理由があります。

 

せっかく大切に育ててきたブランドという知的財産を環境の変化や法規制などにより変えざるを得ないというのはビジネス上大きな損失です。

 

しかし、こればかりはどうにもなりません。

せめて、数十年未来のことを考えて古臭くならない名前を付けるように気をつけるくらいしか取れる手段はありません。

 

ですから、未来の法改正のことなどを心配して気を揉むよりも、覚えやすくてゴロが良い名前をつけられるようにアイデア出しをすべきでしょう。

 

覚えやすいだけでなく、インパクトや意外性があると良さそうですね。

 

 

さて、上記した通勤快速やお〜いお茶の名称変更などはあまりにも有名過ぎて既にどこかで聞いたことがある方も多いことでしょう。

 

コロンブスの卵と同じで、結果を聞くと、「なーんだ、そんなことか」と思ってしまいますが、実際に「売れるネーミング」を付けるのは困難です。

 

馬鹿らしい名前や笑ってしまうような名前も、実は脳に汗をかきながら必死でアイデアを絞り出していたりします。

売れるネーミングを考えつくのがどれだけ大変かは、実際にやってみなくてはわからないでしょう。

 

そこで、実際に商品名を変える練習をしてみましょう!

理想としては自社商品のなかで売上が低迷しているネーミングの良くない商品が良いのですが、何かありませんか?

 

見つけたら、一度その名前を捨て去り、名前を付け直してください。

 

ゼロから付けるのも良いのですが、なれないうちは他社(特に全く関連のない会社)の優れたネーミングを真似すると良いですよ。

 

ズルい?

 

いいんですよ。法律に触れない範囲でやりますから。

 

小林製薬さんとかネーミングにセンスのある会社の商品名を研究してください。

 

ただ、小林製薬さんの場合は、際どい(商標を取れないという意味で)商品名も多いので参考にしないほうがいい例もたくさんあります。

参考過去記事 商標法3条と4条
*この記事は旧ブログ「問題解決中」の転載であるため、リンクは切れています。

 

優れた名前は立派な知的財産です。
ぜひ商標登録をして大切に育ててあげてください。

 

さて、せっかくですので、ここで終わりにせずにこの場で何か有名な商品名を勝手にネーミング変更してみましょう。

 

名称変更は、上手く行けば売上数倍アップですが、失敗したら撃沈です。

ですから、売れている商品の名前を変えてしまうなんて愚行の極みです。

ブランド戦略上、そんなことをしてはいけません。

 

しかし、しかしです。

 

禁止されるほどやってみたくなるという人間の心理上、やらずにはいられません。

というわけでやってしまいましょう。

 

老舗ブランドの「ホワイトロリータ」ってご存知ですよね。

Bourbonの、外側が甘いビスケット菓子です。
(ちなみにブルボンさん自体も会社名を変更しています。元は北日本製菓さんです。
人気商品であるBourbonに社名を合わせています。)

 

このホワイトロリータ、昭和40年に発売開始ですから、50年も続くブランドです。

ブランド価値は相当のものだと思います。

 

しかし、現代では「ロリータ」と聞くと、どうしても変な妄想をしてしまいます。

 

ですから、家族の団欒のときに、なんとなく出しにくいお菓子です。

 

そのため、時代に合わせ、そろそろ名称を変更したほうが良いでしょう(と勝手に屁理屈をつけました)。

さあ、Bourbonさんとは全く無関係の私が人気商品の名称を今風にアレンジしようと思います。

 

行きまーす!

 

 

「ホワイトロリータ」  ⇒   「ホワイトロリータ」

 

 

いかがですか?!

 

 

・・・変わってないじゃん?

 

変わっているんです。切るところが。

 

「ホワイ トロリータ」です!

 

「Why  トロリータ?(何で トロリータ?)」

 

・・・商品自らが疑問を持ってしまっています。

 

自分は生まれて50年間ずっとホワイト・ロリータで愛されてきたのに、今更、ホワイ?と問いかけるこの哀愁、伝わるでしょうか。

 

これでいきましょう、Bourbonさん!

*冗談です。念のため・・・。
一度築き上げたブランドは大切にしてください・・・