*この記事は旧ブログ「問題解決中」の記事と同じです。実際に描かれたのは2年ほど前です。リンクを下さっていた方はこのブログのアドレスに設定し直してくださると助かります。

 

観念論者であるヘーゲルは、主観的に物事を見ましたが、
唯物論者であるアドルノは、客観的に見るように努めました。

 

問題解決をする上で、どちらの立場を取るのが望ましいのでしょうか。

 

私は、どちらがいいとか悪いということはないと思います。

 

どちらの見方も出来るようになればいいと思います。

 

さて、私はヘーゲルの弁証法はアルトシュラーの創造的問題解決に通じるものがあり、非常に好きなのですが、今日はアドルノの否定弁証法を取り上げてみたいと思います。

 

この否定弁証法、難しいです。

というか、哲学書ってみんな難しいですね。

 

でも、私なりに以下のように考えました。
(私の理解不足のために違っている可能性がありますのでご注意ください)

 

「物事を当たり前に見ず、あえて 否 と言ってみる」
ことにより、自分のバイアスを取り払う。

 

そして、この考え方を応用すれば、
製品の新しい気付かなかった用途に気づくことができます。

 

たとえば、コップを見たら、どうみてもコップなのだけど、
あえて 「違う。これはコップではない」と言ってみます。

 

すると「コップではないのなら何なのか?」という疑問が自然に湧いてきます。

 

そこで、答えを直感的に述べます。

 

「これは、・・・そう、花瓶だ!」と。

 

通常アイディア出しをするときと同じで、用途発明のアイディア出しをするときにも、やはり複数人でやったほうが良いアイディアが出ます。

 

ちなみに、「他人のアイディアを馬鹿にしない」ことは大事です。

 

バカバカしいアイディアの中にこそキラリと輝く原石がありますから。

 

 

さて、先ほどの「否定して定義する」ということを、目に見えたあらゆる物体で試してみます。

 

「これは、鉛筆。・・・ではない」

 

では何か?

 

「これは、すごろくだ」

 

他の用途はないのか?

 

「これは開けにくい菓子パンの袋に突き刺して袋を開ける道具だ」

 

なるほど。他には?

 

「指揮棒にもなる」

 

ふむ。他には?

 

「くじ引きの道具になる」

 

ふむふむ。他には?

「先っぽにティッシュをつければ、細かいところを掃除できる」

・・・

 

まだ5個しかアイディアを出していませんが、
別の物体でも試します。

 

「これは、猫。・・・ではない」

 

では何か?

 

「これは見る者の心を癒やす物体だ」

 

他の用途はないのか?

 

「これはネズミ捕りだ」

 

なるほど。他には?

 

「枕にもなる」

 

ふむ。他には?

 

「家の柱をボロボロにできる」

 

ふむふむ。他には?・・・

 

一つの物体で最低7個以上アイディアを出します。7個を超えたあたりから、斬新なアイディアが出始めます。

 

自社製品や技術を別の用途に使えないか考えるときに役に立つかもしれません。

 

机の前に座ってうんうん唸っていても良いアイディアが出てこないときは、この「否定弁証法」(?)を使ってアイディア出しを行ってみてはいかがでしょうか。

 

ちなみに、10個を超えると物の驚くべき用途が出てきて面白いですよ。