任天堂vsコロプラの興味深い点

スマホアプリ『白猫プロジェクト』が特許権を侵害しているとして任天堂がコロプラに対してアプリの配信差し止めと損害賠償請求をしていますが、この訴訟の請求額が49億5000万円から96億9900万円に引き上げられたそうです。参考資料(リンク先はコロプラ)
請求額引き上げの理由は「訴訟提起後の時間経過」だそうです。

コロプラは「任天堂の特許権を侵害する事実は一切ないと確信している」と事実関係を否定しており、任天堂と争う姿勢を示しています。

 

さて、この事件について興味深いのは、一般の方々の反応です。
ネット上の意見を見ると、多くの人が任天堂を支持しており、コロプラに味方する人は少数派です。

通常、大企業vs中小企業の争いが起きた場合、判官びいきが行われる方が多いと言えます。
このブログでも様々なニュースを取り上げてきましたが、大抵は内容に関わらず、大企業が責められています。(例としてロッテの事件についての過去記事

しかし、コロプラと任天堂の争いでは、皆が大企業である任天堂に味方しているのです。
なぜなのかその理由を考えてみました。

①任天堂が一般消費者から高い人気を得ているから

任天堂は子供から大人まで皆が楽しむ娯楽を提供している会社です。そのブランド力維持のために様々な工夫を凝らしています。
たとえば、スイッチが壊れてしまった子供に対して任天堂が新品のスイッチをプレゼントした話は有名です。
他にも、消費者の方々の気持ちを傷つけないように実に様々な努力をしています。ここまで気を使う企業は珍しいです。
とにかく、敵でも味方にしてしまうくらいの気の使い方です。
あまりにも気を使ってくれるので、任天堂を悪く言うと言った人が悪と思われそうなくらいです。

日本人が皆ジブリを好きなのと同じように、任天堂を悪く言う人はいないでしょう。
それほど高いブランド力と大衆からの支持を得ている会社です。
他社と闘いになったら当然大衆は任天堂を支持するでしょう。

②特許法をよく知らない人がデマを流した

ネット上の意見を見ていると、明らかな間違いを発言している方たちがたくさんいらっしゃいます。
たとえば、「任天堂が皆のためにと開放した技術をコロプラが盗んで特許を取った」という話です。
こんなこと法律的に出来るわけがないのにいかにもそれっぽく語っている人達がいます。
(多分、ベストライセンスかなにかと勘違いしてる)

弁理士ではありません。弁理士だったらいくらなんでもこんなデマを流すわけがありません。

エンタメの分野では、内容さえ面白ければ耳目を集めることができるので、任天堂好きな皆の気持ちを利用してデマを流したのでしょう。
非常に下品な行為ですので、このような発言は慎むべきと思います。
ただ、発言者が特許の専門家ではなく「アクセス稼ぎの商売人」ならば納得の行為です。

内容はともかく目立てば良いというのはあまりにも品がないと思いますが、誰も止める人がいない以上仕方がないのかもしれません。