え?と思ってしまう題名ですが、知財を軽視しろと言っているわけではありません。
そうではなくて、「考えなしに無暗に知的財産権を取得しても意味がない」ということを言いたいのです。
日本の多くの中小企業や個人事業主は知的財産権を持っていません。
これは、知的財産権を取得するのが困難であることに加え、その特殊性から取得の必要性すら考えられていないという現状が理由です。
知的財産権を持っていなくても経営を継続することはできますが、突き抜けた経営をすることは困難です。
ただ、そう聞くと、「では知的財産権を得ればいいのだな」とばかりに戦略も立てずにいきなり特許出願や商標登録出願をしようとする人がいるのですが、戦略なき知的財産権の取得は、ただの時間の浪費と出費です。
言葉が厳しいようですが、それが現実なのです。
昨日まで知的財産というものを経営に取り入れていなかった会社が今日知的財産権を取得したからといって知財経営ができるほど知財戦略というものは甘くありません。
会社が最初に考えるべきことは、いかに商品やサービスを売るか、ということです。
そして、多くの需要があることを認識してから知的戦略を立てるのが正しい手段です。
アイデアを公開してしまうと特許法29条1項違反になって特許が取れなくなるから・・・ということを理由にとりあえずなんでもかんでも特許出願するというのも一つの手段ですが、その発明を完成するまでに、何らかの「需要」を予測できるはずです。
その需要に応える形で製品を開発し、知的財産権を取得するのが無駄のない知財経営です。
とりあえず特許を取れば・・・とお考えの経営者は、少しだけ考える時間をとって、「知財戦略」というものをたててみると、無計画で運任せだった「知財経営っぽいもの」が「知財経営」へと昇華することと思います。