短答試験が苦手という人が不得手とする題材があったので平成30年度弁理士試験過去問特許法17を元に問題を一部創作してみました。

本試験で出る可能性が高いですよ〜。

弁理士試験受験生(特に短答が苦手な人!)は力試しにどうぞ(^^)

問題と解説を読んだら必ず根拠条文に当たるのはお約束。

 

Q1.発明家甲は、会員制サイトを有しており、月額利用料を支払った者にのみサイトにおいて発明を公開している。
かかるサイトにおいて発明を知得したユーザー乙がその発明を元に特許出願イを行った場合、その特許出願は拒絶される。

 

A1.○ アクセスが有料の場合でも、その情報の存在及び存在場所を公衆が知ることができ、かつ不特定の者がアクセス可能であれば、公衆に利用可能な情報であるため、特許法29条1項3号に該当します。

たとえば、私が保有しているサイト知財の知識・改は有料会員サイトになっているのですが(知財の知識は無料)こういうアクセス制限がされているサイトに発明が載っている場合でも、お金さえ払えば発明を見ることができるので、新規性は無いのですね。

 

Q2. 甲は、自らした発明イをウェブサイトにて発表し、その1月後、当該発明イについて特許出願Aをすると同時に前記ウェブサイトにおける発明イの発表について特許法第30条第2項に規定する発明の新規性の喪失の例外の規定の適用を受けるための手続を適法に行った。さらにその3月後、発明イについて出願Aを基礎とする特許法第41条第1項の規定による優先権を主張した特許出願Bをした。この場合、出願Bの出願の日から30日以内に特許法第30条第3項に規定された証明書を特許庁長官に提出するだけで、出願Bについて、前記新規性の喪失の例外の規定の適用を受けることができる。

 

A2.
× これ、めちゃくちゃ出ますよーーーー!!

こういう問題が得意になると短答に受かります。

では、どうしたら得意になるか?そのためには、「根拠条文をしっかりと確認する」これだけです。

 

根拠条文は、特許法41条2項、30条です。

 

・・・で、まず、特許法41条2項を見てください。初学者のうちは「うげー」と思うような漢字の羅列です。

しかし、重要なので、ちょっと載せますね。

 

2 前項の規定による優先権の主張を伴う特許出願に係る発明のうち、当該優先権の主張の基礎とされた先の出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面(当該先の出願が外国語書面出願である場合にあつては、外国語書面)に記載された発明(当該先の出願が同項若しくは実用新案法第八条第一項の規定による優先権の主張又は第四十三条第一項、第四十三条の二第一項(第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)若しくは第四十三条の三第一項若しくは第二項(これらの規定を同法第十一条第一項において準用する場合を含む。)の規定による優先権の主張を伴う出願である場合には、当該先の出願についての優先権の主張の基礎とされた出願に係る出願の際の書類(明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面に相当するものに限る。)に記載された発明を除く。)についての第二十九条、第二十九条の二本文、第三十条第一項及び第二項、第三十九条第一項から第四項まで、第六十九条第二項第二号、第七十二条、第七十九条、第八十一条、第八十二条第一項、第百四条(第六十五条第六項(第百八十四条の十第二項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)並びに第百二十六条第七項(第十七条の二第六項、第百二十条の五第九項及び第百三十四条の二第九項において準用する場合を含む。)、同法第七条第三項及び第十七条、意匠法第二十六条、第三十一条第二項及び第三十二条第二項並びに商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第二十九条並びに第三十三条の二第一項及び第三十三条の三第一項(これらの規定を同法第六十八条第三項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、当該特許出願は、当該先の出願の時にされたものとみなす。

 

この問題において重要な部分を目立たせてみました。

「第三十条第一項及び第二項」とありますね。

第3項と第4項については書いてありません

 

こういうところが出題されるのです!!

 

では、書いていない特許法30条3項と4項を見てみましょう。

 

3 前項の規定の適用を受けようとする者は、その旨を記載した書面を特許出願と同時に特許庁長官に提出し、かつ、第二十九条第一項各号のいずれかに該当するに至つた発明が前項の規定の適用を受けることができる発明であることを証明する書面(次項において「証明書」という。)を特許出願の日から三十日以内に特許庁長官に提出しなければならない。

4 証明書を提出する者がその責めに帰することができない理由により前項に規定する期間内に証明書を提出することができないときは、同項の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内にその証明書を特許庁長官に提出することができる。

 

ここで、また問題文に戻ってみてください。

いいですか?

「特許出願の日から三十日以内に特許庁長官に提出しなければならない」とありますから、
先の出願時に2つの書面を提出し、後の出願時にも再提出する必要があるのです。

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Q3. 甲は、自らした発明イを学会にて発表し、その1月後、当該発明イについて特許出願Aをしたが、その際、特許法第30条第2項に規定する発明の新規性の喪失の例外の規定の適用を受けるための手続を忘れた。
この場合、甲は、発明イの発表日から6月以内に、特許出願Aを分割して発明イについて新たな特許出願Bをして、前記学会における発明イの発表について前記新規性の喪失の例外の規定の適用を受けるための手続を適法に行えば、出願Bについて、当該新規性の喪失の例外の規定の適用を受けることができる。

 

 

A. ○  Q2と違って、条文からはっきり読み取れる答えではないので「知っているかどうか」の知識問題です。
一応条文を載せておきます。

2 特許を受ける権利を有する者の行為に起因して第二十九条第一項各号のいずれかに該当するに至つた発明(発明、実用新案、意匠又は商標に関する公報に掲載されたことにより同項各号のいずれかに該当するに至つたものを除く。)も、その該当するに至つた日から一年以内にその者がした特許出願に係る発明についての同項及び同条第二項の規定の適用については、前項と同様とする。

 

原出願Aをしたときに手続をしていなくても、公開をした日から6月以内に分割出願をして手続すれば例外の適用を受けられるのです。

まあ、条文に書いてあるといえば書いてあるし・・・という感じでモヤモヤする問題です。

 

 

Q4.特許請求の範囲の記載が「その他経済産業省令で定めるところにより記載されていること。」の要件を満たしていない特許出願に対して特許がされたことを理由として特許異議の申立てをすることはできないが、特許請求の範囲の記載が「請求項ごとの記載が簡潔であること。」の要件を満たしていない特許出願に対して特許がされたことを理由として特許異議の申立てをすることはできる。

 

 

A. ○ 特許法113条4号と36条6項を見てみましょう。

 

第百十三条 何人も、特許掲載公報の発行の日から六月以内に限り、特許庁長官に、特許が次の各号のいずれかに該当することを理由として特許異議の申立てをすることができる。この場合において、二以上の請求項に係る特許については、請求項ごとに特許異議の申立てをすることができる。
一 その特許が第十七条の二第三項に規定する要件を満たしていない補正をした特許出願(外国語書面出願を除く。)に対してされたこと。
二 その特許が第二十五条、第二十九条、第二十九条の二、第三十二条又は第三十九条第一項から第四項までの規定に違反してされたこと。
三 その特許が条約に違反してされたこと。
四 その特許が第三十六条第四項第一号又は第六項(第四号を除く。)に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたこと。
五 外国語書面出願に係る特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項が外国語書面に記載した事項の範囲内にないこと。

 

特許法36条第6項
第二項の特許請求の範囲の記載は、次の各号に適合するものでなければならない。
一 特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであること。
二 特許を受けようとする発明が明確であること。
三 請求項ごとの記載が簡潔であること。
四 その他経済産業省令で定めるところにより記載されていること。

 

先ほどと同じように重要部分に印をつけました。
「その他経済産業省令で定めるところにより記載されている」は特36条6項4号の要件ですが、異議理由から除かれています。

 

こういうところが狙われるのです!
得点源ですよ(^^)

 

 

Q5. 外国語書面出願について、特許法第36条の2第2項に規定する期間内に外国語書面及び外国語要約書面の日本語による翻訳文の提出がなかった場合、特許庁長官は、当該外国語書面出願の出願人に対しその旨を通知しなければならず、当該通知を受けた者は、同条第4項に規定する経済産業省令で定める期間内に限り、当該翻訳文を提出することができるが、当該経済産業省令で定める期間内に当該翻訳文の提出がなかったとき、その特許出願は、当該経済産業省令で定める期間の経過の時に取り下げられたものとみなされる。

 

A5.☓ これ、難しいです!何気なく読み飛ばしていると5回読んだって「○じゃないの?」と思ってしまう・・・(><)

ポイントは最後の行です。

「その特許出願は、当該経済産業省令で定める期間の経過の時に取り下げられたものとみなされる」

 

ここで、根拠条文を見てみましょう。

特許法36条の第4項

4 前項の規定による通知を受けた者は、経済産業省令で定める期間内に限り、第二項に規定する外国語書面及び外国語要約書面の翻訳文を特許庁長官に提出することができる。
5 前項に規定する期間内に外国語書面(図面を除く。)の第二項に規定する翻訳文の提出がなかつたときは、その特許出願は、同項本文に規定する期間の経過の時に取り下げられたものとみなす。

 

太字にしたところと問題文を比べてみてください。
「経済産業省令で定める期間」じゃないんですよ。「同項本文に規定する期間」なのです。

 

難しい!!

 

ここまでやらなきゃいけないの!?という感じですが・・・
過去問ですし、こういうものかと思って覚えてしまってください。

こういう難しい問題をやったあとに条文そのまんまの問題が出てくると癒やされますね〜(ー▽ー)フィ〜

 

お疲れ様でした!