地域団体商標についての質問を受けたときに気づいたことがあるのでシェアします。
地域団体商標に限りませんが、弁理士試験の勉強をするときには、「その条文の逐条解説を読む」「その条文の審査基準を読む」だけでは不十分です。
関連条文の逐条解説・審査基準まで読み込むべきです。
過去には(平成20年代)勉強を深くやりこまなくても受かった年が2年ほどあったのですが、令和の時代にもうまく全科目初学者に有利な問題が出てくれる年であることを期待して勉強をやりこまないでいると結局遠回りとなるので、愚直に面倒な作業を繰り返したほうが結局近道です。
さて、地域団体商標については、商標法7条の2を読み込むだけでは不十分です。
地域団体商標は審査時においても見られるわけですから、商標審査基準の4条1項11号や同16号等の解説も参照すべきです。
普通の商標登録出願とは異なることから、審査時の取扱も異なります。
ここでお役立ちテクニックを伝授いたします。
パソコンを使って勉強するときは、まず商標法審査基準(15版)にアクセスし、ctrl+fを押してください。そして、「地域団体商標」と入力します。すると、関連条文全てにアクセスすることができます。
これを全て読むのです。すると深く理解することが出来ます。
無料で相当深く勉強出来るので、やらない手はありません。
私は受験生のときには紙の本を買っていましたが、常に最新版にアクセス出来ることとお金がかからないこと、そしてctrl+fで検索出来ることの利便性を考え、受験生には無理に本を買うことは勧めていません。
大手受験予備校が出している書籍には優れたものが多いので、本屋さんで手にとって気に入ったものを買って勉強をやり込むと良いでしょう。
ただし、講座はそれほど受けなくて大丈夫です。どれも魅力的なので受けたくなってしまいますが、「ベテラン受験生」になるのが怖かったら「受けない覚悟」も必要です。
昔の受験生は合格までに100万以上を費やしてしまうのが通常でしたが、最近ではあまりお金をかけずに合格出来るようになってきています。
たくさんの論文答案練習会を受講すれば受かるわけではないので、厳選された教材を繰り返し学習するほうが良いでしょう。
私のゼミでは最初に市販の書籍をお勧めし、私や他の講師が過去に苦労した分を教材に反映し、最低限これをやっておけばOKなレベルにしています。合格までに15万円もかからないでしょう。
過去問をベースに条文を勉強していき、後は題意把握さえ出来るようになれば受かります。
どれだけ条文の理解が進んでも題意把握をミスすると合格点はつかないので上級者でも注意が必要です。
もちろん本人の努力が最も大事です。
以上、勉強テクニックでした。
ちなみに、各条文を理解するために四法対照条文集に書き込みをするのは効果的ですので、紙媒体も捨て難いです。
様々な出版社から出ているので、実際に手にとって比べてみて一番使いやすそうなものを購入してください。