クラフトワーク(kraftwerk)というドイツの電子音楽グループ(テクノポップを開拓した先駆者でありグラミー賞を受賞している)が現在来日しています。
ここ数日SNSのテクノポップクラスタではクラフトワークの東京公演の話題で持ちきりでしたが、昨日は大阪公演の報告投稿が相次ぎました。
10年くらいコンサートに行ったことのない人間は遠い目をしてそんな投稿を眺めていました。
さて昨日、コンサート後になって「クラフトワークが大阪公演後たこ焼きを食べに行った」という投稿をチラホラと見かけました。
クラフトワークもB級グルメを召し上がられるのか・・・、ラルフのイメージ崩れるな・・・。と思っていたのですが、SNSの投稿写真を見て飲んでいたお茶を吹きそうになりました。
「誰やねんこのおっちゃんたち!!」
ツイートを晒すことになってしまうので載せませんが、あるたこ焼き屋さんが「kraftwerk様、ご来店ありがとうございました」と投稿していた写真には明らかにメンバーではない欧米人の男性たちが写っていました。
投稿のどこを見ても「ネタです」「スタッフです」というような注意書きは見当たりませんでした。
しかも、その投稿を見て信じてしまっているらしい人の投稿を見かけました。
・・・あかんわ。騙しとる・・・。
さて、このたこ焼き屋さんの行為についてですが・・・
法的にちょっと問題のありそうな行為です。
不正競争防止法にひっかかる可能性があるからです。
もちろん、クラフトワークから許諾を受けていればそのようなネタツイートの投稿は全く問題はありません。
しかし、もし許諾を受けていなかったとしたら、危険です。
不正競争防止法に違反するとして差止、削除、謝罪広告、損害賠償等請求される可能性があるからです。
では、なぜ著名人の名前を使っただけで法律違反になってしまうのかというと、芸能人やミュージシャンなど有名人の名前を使って商品やサービスを宣伝すると、有名人の名前には顧客吸引力があるため、販売が促進されるからです。
もちろん名前だけではありません。写真や動画なども同じです。
有名人の写真や動画を勝手に自社サービスに利用すると不正競争防止法違反となる可能性があります(パブリシティ権の侵害)。
既に述べた通り、芸能人らから許諾を貰っていれば何の問題もありません。
しかし、許諾を貰っていない場合には危険です。
その名前や肖像を利用した芸能人側から削除命令や謝罪要求が来るだけでなく、ファンたちが晒し上げる可能性があるからです。
どう見てもネタだからとネタと書かずに投稿するのはファンがモヤモヤするでしょう。
有名人の名前や写真だけでなく、名前+別人の写真を使った場合もトラブルに巻き込まれる恐れがあるので投稿すべきではありません。
特に、その有名人と勘違いさせる方法での名前や写真の使用はSNSで炎上の可能性が高い危険な行為です。
たとえば、ブログを書いている人が、「整形しました!」としてブログのアイキャッチに有名人の写真を使ってブロガー本人と勘違いさせる行為はネタだとしても危険過ぎます。
なぜなら、「え、こんなに美人になったの!?」と興味本位でブログを閲覧しに来る人がたくさん見込まれるため、アクセスを増やし、結果として広告収入を得ることが出来てしまうからです。
日本人は特にズルいことを嫌う民族だと言われています。
こういう「ズルい」行為は恐ろしいほどの炎上リスクがありますので、絶対にしないようにしましょう。
法的にはグレーな行為であっても、義憤に駆られたSNSユーザーがその投稿を晒し上げるということは十分に考えられることです。
そして、たとえグレーであっても、一般人がブラックと判定したらブラックになってしまうというのがSNS炎上の恐ろしさです。
お店の従業員による「面白投稿」が「不謹慎」だとして炎上する例は枚挙に暇がありません。
したがって、たとえ「面白い」と思っても、安易に有名人の名前や写真を利用することは避けましょう。
利用したいのなら事前に許諾を得ましょう。
以上、ブログ運営や店舗を経営している人がSNSでの炎上を避けるために効果的な方法を述べました。
もしこの記事を読んで「やばい!」と思われる方がいたら、こっそり投稿を消してしまうのも良いと思います。
炎上する前に鎮火させられるからです。
(既に炎上していたら早期に謝罪をしたほうが望ましいです)
上記のたこ焼き屋さんについては何の恨みも無いので名前も出しませんが、許諾を得ていないのならば、今後の経営のためにはツイ消ししたほうが安全だろうとは思います。
そして、改めて「クラフトワークのスタッフです」という注意書きでも入れて再投稿すればよいのではないでしょうか。
”ズルい”と思われることは避けて、楽しくSNSを利用できるといいですね!
蛇足:SNSを見ていると、「kraftwerkメンバー全員にサインもらった!死んでもいい!」というような歓喜の投稿が見受けられたので、出血大サービスをしているんだなと思い、コンサートへ行く知人に「サインを貰えるみたい!楽しんできて」と伝えたのですが、列の後ろの方に並んでいたせいで、直前で打ち切られてしまったそうです。
彼の前にいた人が、慌ててメンバーを追いかけようとしたのですが、警備員に止められていたとか。
切ない・・・。