特許明細書でよく出てくる言葉の意味【隣接】

今日は日曜日ですが、最近知り合った弁理士さんの事務所に遊びに行ってきました。繁忙期の特許事務所に平日の業務時間にお邪魔するのは申し訳ないので、今日で良かったです(夫も子どもと仲良くなるチャンスです!)。

今日お邪魔した特許事務所さんは、それほど大きい特許事務所ではないのですがクライアントに大手さんが多く、経営が安定していました。

大企業クライアント1,2社に依存してしまう特許事務所さんが多い中で、複数の大企業をクライアントに抱えることが出来ているのは凄いと思い、クライアント獲得のコツを根堀葉掘り(?)聞いてきました。

こういう情報って表には中々出てこないので教えてくださりありがたい限りです。

表に出てこないといえば、そもそも特許事務所自体がインターネット上では情報があまり出てきません。情報を得るには弁理士同士なら弁理士会で情報交換が出来ますが、弁理士ではない特許技術者や特許事務の方たちにはそうした情報が行かないので、私がブログで変なことを書くとそのせいで偏見を持たれてしまう可能性もあるので、偏った書き方はしないように気をつけねばと思いました。

今日お邪魔させてもらった事務所さんは、特許事務所にしては女性比率が高い(女性の方が多い)特許事務所さんでした。

その事務所で働いている弁理士さん(女性)の一人は弁理士会の求人サイトを見て応募してきたとのことです。

既に実務経験の長い弁理士さんは自由に働けますし、まだ経験の無い方は大切に育てていただけるので、やっぱり中堅〜中小特許事務所は未経験の方には向いているのではないかなと思います。

大手さんももちろん良いのですけどね。

2週間位前にも特許事務所さん(こちらは中堅)に遊びに行かせてもらっているのですが、その特許事務所との共通点は、「教育担当者が人格者で優秀」という点です。

20代の若手特許技術者や弁理士の方が初めて勤めるならこういう特許事務所が良いのだろうなと思いました。
上司との相性によっては、仕事が辛くなってしまう(パワハラ特許事務所は未だに多い!)ので、根気よく教えていただけるのはゆとり世代にとっても良いだろうなと妄想してしまいました(この業界ではあまりゆとりゆとりした若手に出会ったことはありませんが。どちらかというと若手でも向上心の高い人にばかり出会います)。

 

さて、上述したようにこの特許事務所さんは大企業クライアントさんを複数抱えているのですが、弁理士の数がまだ少ないため、ここ数年は成長が緩やかです。グラフを見せていただいたのですが、事務所開設当初は凄い勢いで売上が上がっているのに、ここ2年は鈍化しています。

やはり、明細書作成は人に依存することが多いので、ある程度まで成長したら、人を増やすしか成長する方法は無いのだなと思いました。

だからといって転職エージェントに依頼するととんでもない額をふっかけられるので、出来るならば転職エージェントは使いたくないというのが特許事務所側の本音です。転職エージェントにはお世話になっています!なんて言う所長さんには会ったことありませんから。
皆、口を揃えて「高い」。「こんなに払うくらいなら従業員自身に還元したい」です。
私も大賛成です。

優秀な若手の方には才能を最大限まで引き上げてくれる特許事務所に行ってほしいです。
そして、人格者の所長弁理士が経営している特許事務所にたくさんの若手を送り込み知財業界の活性化に繋げたいです。

 

前置きが随分長くなってしまいましたが、雑談の中でちょっと面白いことを教えていただきました。
「明細書によく出てくる言葉だけど間違って理解している可能性が高い言葉」についてです。

たとえば、
「隣接」。

あなたは隣接という言葉をどのように理解していらっしゃるでしょうか。

私は、「隣りあって接していること」というように音読みを訓読みにしただけ程度で理解していました。

ところが、実は、「隣にあって接している」必要は無いそうなのです。

理由は特許取消決定取消請求事件など複数の行政訴訟で明らかでした。

 

たとえば、平成16(行ケ)10 行政訴訟 平成17年3月16日 東京高等裁判所
によると、
「隣接とは、隣にあって接していること、すなわち間に何も存在しないことばかりでなく、近接関係にあることをも意味するものである以上、隣接という言葉が使用されていることを持って、冷却用熱交換機と仕切り板の間に送風ダクト等が介在することを否定することはできない」

とされています。

 

知らなかった!
勉強になりました。

 

他にも色々教えてもらったのですがまた後日書こうと思います。